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出鱈目な撮影知識にご用心。

※この記事は「青・空・虹」の雑記にて2020年5月23日に掲載したものを一部変更、最新の情報を加えてnote用に編集しています。

私自身は主にネット上から撮影方法などを収集していますが、昨年辺りから出鱈目な撮影知識を持っていた方がいらっしゃったと言う事に大変残念な思いをしました。

ここではその例を4件ご紹介します。


その1:何でもかんでも「バリ順」撮影が良いのか?

鉄道や航空機の撮影となると「バリ順」を狙って撮影する方が多いかと思います。
しかし、天気はその日によって左右されるもの。曇や雨などの日は当然ながら光は車体に差さないので「バリ順」とはなりません。
撮影地によって「バリ順」で狙えない場所もありますよね?

そうすると、一概に「バリ順」が良いのか?


いや、そうではありません。


逆に雨の日を狙って撮影する方もいれば、雪の日に撮影する方だっていますよね。プロの写真家でも晴れの日だけで無くあえて雨や雪の日を狙うことがあります。
よってこの知識は「間違い」

「バリ順」の撮影例はこちら。

画像1

これは京急1000形1057編成(KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN)がキリン生茶とコラボしたラッピング列車。
あえて「NAMACHA」と写るように撮影しています。

「バリ順」ではない例はこちら。

画像2

北総7300形7828編成による「ほくそう春まつり号」。
撮影当日は駅での混雑を回避するため、あえて区間で撮影。午前中と言うこともあり正面には光が差すものの手前は影になってしまっている事がわかる。


その2:撮影の構図比率を「シチサン」で収まるような立ち位置を決める必要はあるのか?

撮影の際、構図比率を「シチサン(7:3)」で収まるような立ち位置を決めなければならないのか?


そんなことはありません。


立ち位置や撮影したい場所によっては必ずしも「シチサン」構図になるとは限りません。そもそも撮影場所には「立ち位置」は必ず決まっている事はなく、自分自身でここが良いと決めるのです
(「フォトスポット」のようなマークなどがある場所を除く)

位置によっては「シチサン」ではなく「ニーハチ(2:8){蕎麦みたいな名前ですが・・・}」になったりとかもしますよね?
撮影者の技量によっては「シチサン」構図ではなくとも良い作品になります。よってこれは間違い

「シチサン」って髪型じゃ無いんだからさぁ、冗談はよしてくれよ😅

正しい構図については下記リンクにてご確認ください。


その3:縁ギリギリになるまで被写体へのズーミングは必要?

そんなスペースに余裕が無い感じの写真を見て誰が「おぉ!」って思うんですかね?

撮影者によっては縁ギリギリ状態を良くないと思っている方もいます。私も以前見ていたブログサイトでも良い思いをされていなかった方がいらっしゃいましたね。

鉄道写真や航空写真は望遠を使用する場面が多いですが、中には広角レンズや超広角レンズを用いて撮影することもあります。
風景写真はそもそも縁ギリギリにズームする必要が無いため、それらの写真は今まで見たことがありません。

画像3

例えばこの写真は広角レンズを用いていますが、中央にある花を縁ギリギリに合わせていません。あえて広角側に合わせローアングルでダイナミックに見せています。

撮影者や構図によってズームレンズではなく単焦点レンズ(あるいは単焦点レンズのコンデジ)を用いることがあります。
プロの写真家でも被写体を縁ギリギリいっぱいにいれたの写真を見たことがないので、これは間違い
(被写体全てを写す写真はあっても上下に余裕を持たせている。あとはアップでの撮影ぐらいだろうか)

単焦点レンズでの撮影例は下記リンクを参照のこと。
(鉄道撮影にて単焦点を用いる例は少ないそうです)


その4:写真は必ず「日の丸構図」じゃないとダメ?

「日の丸構図」はカメラ初心者をはじめとした方がよく利用する、被写体を中央に入れる構図のことです。(私も花撮影や月撮影などで使うことがあります)

では、プロが撮影する写真はどうでしょうか?

先ほどの項目のリンク先にある鉄道写真家 中井精也さんの作品を見てみてください。

その中にある作品は全て「日の丸構図」でしょうか?

作品によって必ずしも「中央」に入っているわけでは無く、端に入れていることもありますよね? よって、この知識は間違い

画像4

鉄道車両を中央に入れていない撮影例。桜と流鉄の「さくら号」を絡ませるためにあえて車両を端に持ってきている。

「日の丸構図」が悪いとは言いませんが、必ずしも「日の丸構図」じゃないとダメと言うわけでは無い事を理解しましょう。


以上、出鱈目な撮影知識についてご紹介しました。
今回は4例ほど紹介しましたが、出鱈目に惑わされずしっかりとした撮影の知識を持って撮影に臨みましょう!

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