【短編小説】メリーゴーランドに乗っていたら、2ヶ月前に別れた元カレを見つけた
メリーゴーランドに乗っていたら、2ヶ月前に別れた元カレを見つけた。出入り口の柵の前にいる。3人の男友達と一緒で、次に乗る番を待っているところだった。
私は白馬の背中から生えている棒をギュッと握った。気まずい。元カレの存在を認識した瞬間、胸を冷たいものが通り抜けていった。例えるなら、玄関にカマキリを見つけた瞬間に似ている。想像を超える生き物がいると、思考が追いつかず、何も出来なくなってしまう。このドキドキが、吊り橋効果のように「私ってまだ元カレのことが好きなのかも……」と