【完全版】これで分かる!特定技能「建設」分野について
毎週note投稿も継続して2ヶ月が経過しました。仕事も忙しくさせていただいている中でも習慣化が進み少しずつ慣れてくるものですね。
特定技能徹底解説もいよいよ中盤戦に差し掛かってまいりました。
特定技能のキホンが知りたい方はこちら↓↓
建設業は他分野と異なり、手続きのフローがかなり複雑です。
できるだけ分かりやすく、かつシンプルにまとめます!
建設分野で働く73%はベトナム人!
4,871名 (2021年12月末時点)
うち、3,579名がベトナム国籍です。
(受入都道府県ベスト3)
1位 東京都 :554名
2位 埼玉県 :540名
3位 神奈川県:433名
外国人が働けるまでの全体フロー
多くない?やることありすぎて、外国人雇用って面倒くさくない?
そう思いますよね。分かります。
ただそう言っていても始まらないので、とりあえず解説進めていきます!笑
建設特定技能受入計画とは?
外国人の雇用条件をより確実に守るために受入企業が提出する書類です。
建設分野では他の分野と違い、ビザ申請意外に国土交通省に外国人受入計画を認めてもらう手続きが必要になります。
なんでそんな面倒な手続きがあるの?
疑問に思いますよね。これはなぜかというと、建設分野において著しく高い失踪率にあります。
平成30年度の技能実習生の失踪率は全体で2.1%。建設分野では全体の4倍の約8%です。
みんなが失踪したくなる理由は一つ。
受入先による労働法令違反です。
これは建設分野だけに限った話ではありませんが、賃金の未払いや元々定められていた賃金があらゆる名目で控除されて結果的に生活するのがギリギリな水準の額しか手に入らないといったことが技能実習では最近も問題に上がっていました。
借金を背負って日本に来たのに、返済に充てるはずお金すらもらえない。
サポートしてもらえる場所もない、わからない。
正しいことかどうかという議論は置いておいて、こんな状況では失踪してしまうのも理解できます。
受入先にこんな違反をさせないように、「月給制の義務化」やこのあと説明する「キャリアアップシステムの登録」などを仕組化し、外国人を保護する制度として立ち上がったのが「受入計画」です。
建設キャリアアップシステムとは?
受入計画では受入先が守るべき内容が含まれていました。
キャリアアップシステムでは、外国人の建設分野でのキャリアを構築していけるように労務や技術・技能などを管理できるシステムです。
2023年度を目処にあらゆる工事現場で実施する見込みになっているんです。
外国人が転職しても業界全体をカバーしたプラットフォーム内で、自分のスキルが相対的に評価してもらえたり、受入先も労働者への良い取り組みが認知してもらいやすくなります。
建設技能人材機構とは?
略してJAC (ジャック)と言われています。
受入計画やら、キャリアアップシステムやらJACやら。。。
もう日本人雇います。と思ったそこのあなた!もうちょっと待ってください!
面倒臭いな〜と思う時って、その対象が本当に大変なときではなく、「なんだかよくわからん!」ときに沸き起こるものです。
読み終わった時には、「なんとなくわかった!」になりますので、もう少しお付き合いください!
JACとはカンタンに言うと、建設業者が加盟する団体です。
Japan Association for Construction Human Resourcesの略でJACです。
建設分野で外国人を受け入れるためには、JACに加盟する義務があります。
これまで紹介した2つの制度である受入計画とキャリアアップシステムを整えて、外国人も受入先も、これまで以上にフェアにクリーンに働けるようになりました。
加えてJACでは「建設分野の技能評価試験」や、外国人向けの「講習や研修、就職のあっせん」などをおこなっています。より直接的かつ必要性の高いサポートを行っているんですね。
しかしこのサポート無料ではありません。
JACの料金
加盟にはお金がかかります。年間でかかるものと、月額でかかるものの2種類があります。
たっっかー!!!
外国人1人雇用するだけで、どんなに安くとも年間390,000円!?
もういい!今度という今度は読むのやめる!indeedに求人出してやる!
もうちょっと待ってください!笑
分かります!高いですよね。
もしこれを安くする方法があると言ったら、聴いてみたくなりません?
間接的に加盟してればOK!
実はJAC、直接加盟しなくてもいいんです。
間接的に加盟するってどういうことかというと、
JACに直接加盟している団体に加盟すればいいんです!
そうすれば、JAC直接加盟にかかる料金は発生しません。
ちなみにJACに直接加盟している団体は41団体あります。(令和3年4月時点)
ただし間接的に加盟する団体にも支払費用はありますし、団体によっては加盟企業の募集を随時やっていないところも少なくありませんので、申請スケジュールを前もって確認して加盟することを強くおすすめします。
料金は比較的高いですがJACでは随時加盟企業を受け入れておりますのでスケジュールがタイトなのであればこちらをお勧めします。
JACの詳細はこちら↓
間接的に加盟できる団体はこちら↓
業界人手不足の理由とは?
全体的なフローについては一旦終わりにして、ここからは建設業界で挙げられる人手不足の理由3つを紹介します。
これまで解説してきた分野でも、共通する理由ですね。
体力的にキツく、業界は高齢化しており昔ながらの指導方法が多いといった理由が占めます。
しかし建設現場であれば、大声で注意したり端的に伝えるためにシンプルな表現で指示・指導するのは当然でもあります。
少し間違えば重機に巻き込まれて命を落とすこともあるでしょうし、それが未経験の若者や言葉が通じづらい外国人ならより当たり前だとも思います。
外国人が働ける業務一覧
特定技能1号で外国人が従事できる業務をまとめてみました!
1. 型枠施工
コンクリートを流し込んで固めるときに使う枠を作ったり組み立てるお仕事です。
2. 左官
コテを使って壁に漆喰や土、モルタルなどを塗っていきます。
塗るという作業においては「塗装」と同じように思えます。
細かな違いは、「塗装」がペンキなどをローラーや吹き付けて短期間で塗り終えられるのに対し、「左官」はコテで塗っては乾かしを重ねていく手間暇がかかる点です。
3. コンクリート圧送
コンクリートを型枠内に流し込んでいくお仕事です。
1.型枠施工とのつながりが見えていきますね。
4. トンネル推進工
トンネルを掘っていくお仕事です。
特定技能から新しく外国人受入可能作業となりましたので、技能実習2号を良好に修了することでは技能条件免除となりません。
必ず特定技能1号評価試験に合格する必要があります。
5. 建設機械施工
建設機械を運転・操作するお仕事です。
地面を整えたり、機材・資材を積み込んだり、トンネルを掘ったりします。
6. 土工
盛り土をしたり、穴を埋め戻したり、掘ったりします。
「土木」は工事現場での作業全般を指し、土工は土木の中でも機械が入らないような場所で行う上記作業を指します。
7. 屋根ふき
瓦などをつかって屋根をふく(敷き詰める)お仕事です。
8. 電気通信
通信回線を設置するお仕事です。
TVやインターネットなどで利用するブロードバンド回線などに関わります。
9. 鉄筋施工
鉄筋の加工や組み立てをします。
外からは見えませんが、建物の「骨組」となる重要な作業です。
10. 鉄筋継手
個々の鉄筋を繋ぐお仕事です。
鉄筋は運搬できる長さにカットされているため、工事現場でつなぎ合わせてつかっているんです。
11. 内装仕上げ
建物の中を仕上げるお仕事です。
タイルを敷いたり、ふすまやカーテンを取り付けたりします。
12. 表装
壁紙を貼り付けるお仕事です。
13. とび
建設現場で足場を組んだり解体したりするお仕事です。
現場は「とびに始まりとびに終わる」そうです。格好いい!!
ちなみにダボダボのズボンは、足の上げ下げが多い作業や、危険物の察知、風の強さをすぐに把握するために役立っているそうです!
14. 建築大工
建物を組み立てたり、取り付けたりするお仕事です。
いわゆる「大工さん」ですね!
15. 配管
水道の給水や下水の排水に使う配管を組み立てるお仕事です。
16. 建築板金
金属製の屋根やダクトの加工・取り付けをするお仕事です。
17. 保温保冷
冷暖房設備を設置したり、工場のタンクの熱を逃さないようにするお仕事です。
18. 吹付ウレタン断熱
噴射するとマシュマロのようにモコモコとなる断熱材を吹き付けていくお仕事です。
これがあるかないかで、おうちでの過ごしやすさや外からの騒音からも快適に過ごせるようになります。
19. 海洋土木工
堤防を補強したり、海底トンネルをつくったりするお仕事です。
はい!以上19業種が特定技能1号で働くことができる作業内容になります。
僕もまとめる中ではじめて知ることがたくさんありました!
建物一つたてるだけでも、どれだけの工程があってどれだけの技術者が関わっているか。
まだまだ知らないことだらけですが、その一端だけでも理解できただけでもまずは良しとします。
技能条件を免除できない作業
19作業のうち、技能実習2号を良好に修了していても技能条件を免除できない作業があります。
これらの作業に特定技能で従事する場合は、必ず特定技能1号評価試験を受けなければなりません。
日本語条件
こちらは他の分野同様、下記2つのいずれかを満たしていればクリアです。
さあ!ここまでで4,000字を超えてしまいました!笑
なんとなく建設でやるべきことが見えていただけたらとっても嬉しいです。
我々も建設業界のビザ手続きを多くご依頼いただいておりますので、不明点があればいつでもExstanへお問い合わせください!
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<更新>
・2022年2月25日
特定技能在留外国人数9月末→12月末時点のデータに変更
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