桃太郎まつり・桃太郎音頭
毎年5月5日こどもの日は、桃太郎神社で「桃太郎まつり」が行われます。
子供の神様に健康祈願をした後、桃太郎に扮した子どもの行列が、桃の神輿と宝車をひき、神社境内や桃太郎公園を練り歩きます。
コロナ前までは犬山橋から「宝」を積んだ船に乗って桃太郎公園に行ったり、戦前は衣装を着た桃太郎行列が犬山の町を練り歩いたり、ときには名古屋まで繰り出したこともあったようです。
また、桃太郎まつりでは、野口雨情が作詞した「桃太郎音頭」(藤井清水作曲)にあわせた「桃太郎おどり」が踊られていました。この「桃太郎音頭」は1929年、「中部日本代表的民謡小唄」の投票(新愛知新聞主催)で一位当選を果たし、ビクター出版社からハーモニカ楽譜が発行されたり、レコードが発売されたりするほど、全国的な人気を誇りました。最初のレコードの吹き込みは、犬山花検番相生連の芸妓さんたちが唄やお囃子を担当しています。その後も何度かレコードは発売されました。
芸妓さんたちが踊るほか、地元の少女たちで桃太郎少女会も結成され、1938年には東京の豊島園に招かれて踊りに行ったりもしています。
桃太郎音頭は元々は女性が踊り手を務めていましたが、学区に桃太郎神社がある栗栖小学校では子どもたちが踊りを学び、学校の運動会と桃太郎まつりで踊りを披露していました。ですが、桃太郎まつりでの踊りの披露は、コロナの影響もあり、2019年を最後に途絶えてしまっているようです。
今年の桃太郎まつりでは、初代宮司川治宗一のお孫さんにあたる加納三治さんや、栗栖桃太郎発展会のみなさんが、桃太郎まつりでの桃太郎おどりを復活させようと、犬山と扶桑町を拠点とする日本民謡研究会「豊常会」に依頼して、桃太郎おどりを奉納、披露するイベントもありました。
先人のいろんな思いが詰まった桃太郎音頭。今後もぜひ歌い、踊り継がれていってもらいたいものですね。
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