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ヒント|ビジネス

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ビジネスのヒントの詰め合わせです。 【参考記事】 竹村俊助さん 谷尻誠さん
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#コラム

なぜ「売れそうですね!」は危険ワードなのか?

 本ができあがって、営業のみんなやまわりの人に見せていると「売れそうですね」と言われることがある。 「売れそうですね」  うれしい言葉だけれど、気をつけないといけない言葉でもあると思う。それは「売れそうですね」のあとに「自分は買わないけど」が潜んでいることがあるからだ。  試しに「買いたいですか?」と聞いてみると、答えに窮するような反応を見せる人もわりといる。(「買いますよ!」もおべっかだったりするので注意。そりゃ編集者本人に「買いません」とは言いづらいよね……。)

あらゆる作品が「個人」に結びつく時代において、大切にしたいこと

◎ダウンタウンの松ちゃんのツイッターをフォローすることはあっても、吉本興業をフォローする人は少ない。 ◎宇多田ヒカルさんをフォローすることはあっても、ソニーミュージックをフォローする人は少ない。 ◎大根仁監督の作品が好きでも、東宝をフォローする人は少ない。  ……最近よく思うのが、あらゆる作品は「会社や組織」に紐づくのではなく、携わっている「個人」に結びつくよなあ、ということです。(もう言われ尽くしていることかもしれないけど、ほんとそうだよなあと思ったので改めて書いてみ

「仕事に困らない人材」になるには、自分についているタグを意識する

 あなたがテレビ番組のキャスティングを頼まれたとしたら、誰にお願いするでしょう? プロデューサー「魚に詳しくて、話が面白い人いないかねえ……」 あなた「さかなクンでしょうね」 プロデューサー「若くて明るくてコメントもできるような、女子に人気の誰かいないかねえ……」 あなた「藤田ニコルとかどうですか?」 「この仕事、誰にお願いしようかな?」という場面で、真っ先に名前が挙がる人がいます。それは強力な「タグ」がついている人と言えるでしょう。「タグ」。インスタグラムなどにつける

「差別化」という言葉を聞いたら疑え

 本の企画会議や打ち合わせで「類書は何ですか?」と聞かれることがある。  類書。ようは「この企画に似ている本はあるのか?」「前例はあるのか?」ということだ。おそらく、企画の良し悪しやおもしろさが自分の感覚ではわからない人が「担保として」聞いているのだろう。似たような本が売れているなら安心だし、そうでないならリスクがある、ということなのだろうか。  ぼくの知っているヒットメーカーの編集者は類書を一切見ない。似たような本を買ってきて研究することも一切ない。それよりも目の前の原