マガジンのカバー画像

ヒント|ライティング

50
ライティングのヒントの詰め合わせです。 【参考記事】 竹村俊助さん
運営しているクリエイター

#編集者

きれいなのに伝わらない文章、雑なのに伝わる文章

「きれいなのに伝わらない文章」と「雑なのに伝わる文章」があります。 すごくきれいで整っているのになぜか頭に入ってこない文章があります。日本語も合っているし丁寧なのになぜか心に刺さらない文章があります。 一方で日本語がちょっと破綻していたり雑で粗削りなのに、なぜか伝わる文章、心に刺さる文章もあります。 「この違いは何なんだろう?」ってときどき考えます。 SNSやネット上の文章を眺めていても、きれいで流れるような文章だけがたくさん読まれているわけではありません。 すごく

「書く力」を身につけるうえで「ツイッター」以上にいい方法を思いつかない

「書く力」を身につけるにはどうすればいいか? 編集者という肩書きをつけているので、そんなことをよく聞かれるけれど、いくら考えても「ツイッター」以上にいい方法を思いつかない。 もちろん眺めるだけじゃなくて発信しなきゃダメだけれど、それによって身につく力は計り知れないと思う。 ツイッターをやれば、「書く力」につながるさまざまな力が手に入る。思いつく限り挙げてみたい。 ①勇気ツイッターでは発信する勇気が得られる。発信するからには、スベるリスクもあるし、無視されるリスクもある

おもしろい文章は取材が9割

ぼくの持論は「おもしろい文章は中身がおもしろい」というものです。 どんなに頑張って上手に文章を書いても、中身があまりおもしろくないと、なかなか読んでもらえません。もちろん文章のスキルが高くてエッセイが書けるような人なら話は別ですが、ふつうの人は中身で勝負するのが正攻法だと思います。 逆に言うと中身さえおもしろければ、それを素直に伝えるだけでおもしろい文章になるはずなのです。 というわけで、今日は「中身」の話です。つまり取材です。 取材でどんな質問をすればいいのか? 質

やさしい人は、きっと伝わる文章を書ける

最近よく社員に言っていることがあります。 それは「読まれる文章を書きたいなら、ブラウザの向こうにいる人を想像するといいよ」ということです。 こちらがツイートするとき、noteを公開するとき、ブラウザの向こう側の人は何をしていて、どういうことを考えているのか? そこをいったん立ち止まって想像しましょう、と。 「仕事がイヤだなあ」と思っているかもしれない。「飲みに行きたいなー」と思っているかもしれない。親の介護で悩んでいるかもしれない。人間関係で悩んでいるかもしれない。お

おもしろい文章は「共感8割、発見2割」

「おもしろい文章は、内容がおもしろい」という残酷な事実がある。  もちろん、表現や言い回し、空気感などでおもしろさを伝えられる人もいる。しかしそれができるのは、作家など一部のプロフェッショナルだけ。下手にマネすると「さむいエッセイスト」みたいになる。  プロの書き手ではないぼくたちが「おもしろい」と思われる文章を書くためには「内容で勝負する」必要がありそうだ。  ただ、おもしろいと思われるような「新しい考え方・できごと・情報」なんて、そうそうあるもんじゃない。というわけ

読まれない文章には「読む動機」がない

これだけ情報やコンテンツがあふれた時代に、自分が書いた文章を読んでもらうのはけっこう大変です。 ブラウザの向こうにいる読み手はNetflixを観たりYouTubeを観たりとけっこう忙しいのです。人生の時間も限られています。 そんななか「なぜあなたの文章を読まなければいけないのか?」という理由が必要になります。読んでもらおうと思ったら、その文章を読む「動機」をつくる必要があるのです。 あなたは村上春樹ではない「書いたものは読まれるはずだ」と思い込むのは危険です。 もし書

長文を最後まで読んでもらうためのヒント

ぼくは140文字のTwitterから2000文字程度のnote、またときには1万字から2万字の文章、10万文字程度の書籍を書いたりしています。 いろんな長さのものを書きますが、文章はちゃんと読まれるのであれば、長ければ長いほど「没入度」は高まり、(マーケティング的に言うと)エンゲージメントも高まり、ファンになってくれる可能性も高くなると思っています。 「千と千尋」がもしも1分動画だったら長い文章が成功すると大きな効果を発揮します。 映像に置き換えるとわかりやすいかもしれ

「文章が書けない」ときの3つの傾向と対策

 書けない!  記事が書けない! ブログが書けない!! 書きたいのに、なーんにも書けない!!!  そんなことは普通の人なら誰にだってあるでしょう。1行書いては消し、2行書いては1行消し……そんなことをしているうちに、ついにはイヤになってしまいます。  そこで「書けない」ときに、あなたのなかで何が起きているのか。その傾向と対策を整理してみました。 ①書くことが自分の中に溜まっていない「毎日ブログを書こうと思ってたのに書けない!」「仕事で記事を書かないといけないのに文章が

一気に読ませる文章を書くための7つのポイント

「週刊文春」は、毎週買っている。  真っ先に読むのが、林真理子さんのコラム「夜ふけのなわとび」だ。時事ニュースに絡めた話や林さんの近況などが書かれているのだが、これがおもしろい。  なんてことのない文章のように見えて、一気に読ませてしまう魔力を持っている。他の人のコラムもいろいろあるが、林さんのだけは途中で飽きるようなことはまずない。  そのおもしろさのポイントを僭越ながら分析してみた。 ①体重を乗せて感情で書く まずなにより、林さんのコラムは「感情」が乗っている。そ

読みやすい文章は「デザイン」が優れている

 村上春樹さんや林真理子さん、糸井重里さん、『嫌われる勇気』の古賀史健さん。彼ら彼女らの文章は、スルスルと読める。とっても読みやすい。  その「読みやすさ」の正体ってなんだろう? と考えてみる。  読みやすい文章は、パッとその文章を見た瞬間に「読みやすそう!」と思える。これは「文章の中身」というよりも「デザイン」に近いのではないかと思う。  漢字とひらがなのバランス、改行の位置、「(会話文)」の割合などを計算し、「ビジュアルとして」読みやすくデザインされているのではない

文章をなるべく「シンプル」にするということ

「なぜか伝わらない」  そんな悩みをお持ちの方は「シンプルな文章」を目指してみるといいかもしれません。 「シンプルな文章」とは、余計な「ぜい肉」がなく、スッキリとしていて、きちっと「骨格」のある文章です。  もちろん「シンプル」でなくても、魅力的な文章はたくさんあります。「骨格」などなくても、空気の伝わってくる素敵な文章も多くあります。「シンプルでないほうが文章として魅力がある」と思われる方もいるかもしれません。  ただ、ぼくらは作家ではありません。  作家ではない

人を動かす文章のつくりかた

 見ず知らずの誰かに考えを伝えるのは難しい。その考えで誰かを動かすのはもっと難しい。  僕は、ビジネス書、特に啓発書を編集する仕事をしてきた。文章で見ず知らずの誰かに考えやノウハウを伝え、誰かの行動を変えさせる。そのサポートをする仕事だ。そんな仕事をしていくなかで、おぼろげながら「こういう文章が人を動かすんだろうな」ということがわかってきたので、今日はちょっとそのあたりの話をしたい。 注)本というパッケージをつくるなかで見えてきたノウハウなので、あらゆる文章に応用可能かは

編集者がいなくても、おもしろい文章を生み出す方法はある

 前回のノートで「書籍編集者がどういう仕事をしているか」イメージしてもらえたと思います。「書き手の伝えたいこととマーケットをすり合わせる」のが編集者の仕事。書き手を客観的に見て、その人の強みやおもしろさを最大限に引き出しつつ、マーケットと重なる部分を探し出すのです。  では、編集者がいない多くの人はおもしろい文章を書けないのでしょうか? たとえばぼくは、ここでひとりでnoteに文章を書いていますが、どうしたらひとりで文章の質を上げていくことができるのでしょうか?  編集者

売りたいならパッケージに「成分」と「効能」を明記せよ

 売れる本をつくるときに大切なのは、その「顔」である「表紙(カバー)」をどうするか、です。ブックデザインはもちろん、タイトルや帯のコピーをどう魅力的なものにするか。多くの編集者が頭を悩ませるところです。  表紙(カバー)で伝えるべきことは大きく2つです。  ひとつは「何が書いてあるのか」。当たり前ですが「この本には何が書いてあるのか」がわからないとお客さんは安心して買えません。「マッキンゼーのコンサルタントが教える英語の本」とか「注目の起業家が語るこれからの働き方」とか。