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スーパーシティ法案成立、教育分野の構想を読んでみる

2020年5月27日、改正国家戦略特区法成立。スーパーシティ実現を目指す。。

行政、医療、移動など様々な分野を、引っくるめて検討していく構想ですが、さて、「教育」の分野に関する言及は現時点でどの程度でしょうか。

上記リンクは、内閣府の構想PDFですが、各国の先端事例を紹介しつつ、日本では技術はあっても「まるごと未来都市」を実践する場はないとしています。

「まるごと」の具体的な分野として、①移動、②物流、③支払い、④行政、⑤医療・介護、⑥教育、⑦エネルギー・水、⑧環境・ゴミ、⑨防犯、⑩防災・安全、が挙げられています。

その教育に関するの記載、キーワードをピックアップしてみると。。
・遠隔教育
・全ての子どもに世界最先端の教育環境を
・分野間のオープンAPI によるデータ連携
・文部科学省 GIGAスクール構想との連携

現時点では、スーパーシティ固有の具体例は紹介されていなかったので、ちょっと古いですが、2019年2月の有識者による構想案を見てみます。

この資料の最終ページには、スーパーシティ(教育)の目指すべき姿として、下記の先行事例が書かれています。

・ 事例1:教科内容や学習困難な児童生徒に対する支援の アドバイス等、AIにより適切な指導法等を示すクラウ ドベースの教員支援システムを産学連携で開発し、 活用。
・事例2:クイーンズランド州の学校において、学校及び児童生 徒の様々な情報をシステム上(「One School System」)で紐付け、児童生徒の状況を効率的・ 分析的に把握するとともに、児童生徒の状況に応じ た授業・支援計画を教員同士で共有し、指導に活用
・学校教育において教師を支援するツールとしての先 端技術を効果的に活用し、我が国の学校教育に適 した、児童生徒の能力やその特性に応じたきめ細や かな指導を実現

そして、そこに至る課題として、以下の記載。

・先端技術の効果的な 活用の実現に向けた ICT環境整備の促進
・情報セキュリティの確保と データ利活用の両立に 向けた検討
・学校における先端技術 の利活用と、教育関係 のデータの利活用に関す る基本的な考え方の整 理(先端技術を活用し た指導の在り方、児童 生徒のデータを扱う際の 個人情報の取扱い 等)

ICT環境のインフラ整備については、すでに文部科学相のGIGAスクール構想でも急いでいるので、スーパーシティ法案と考え方は同じのようですね。

ここまで資料に目を通してみると、「遠隔教育」で格差のない「世界最先端の教育環境を」目指すスーパーシティ構想と、特区としてロケーションが固定されるスーパーシティは、相性が合うのか合わないのか。。

スーパーシティの中にそこでしかできないような教育コンテンツが生まれるのかどうかも注目ですね。

人間の「知りたいという心」をさらにブーストしていくためのアイデア、場所、ツールを磨いていければ。


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