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学習の手足となるツールを解説する「GIGAスクール構想の実現 標準仕様書」を読んでみる

教育のICT化のインフラ整備、推進の旗が振られています。
コロナ禍の第二波がくれば、即オンライン体制に切り替えられないといけないですしね。

さて、生徒たちはどのようなコンピュータを使うことを想定されているのでしょうか。下記の文科省の資料には、学習者用のコンピュータおよび、校内LAN に関する調達の指針が書かれているので早速読んでみます。

この手の調達で避けて欲しいのは、調達の数年後に陳腐化、老朽化し、メンテもされずホコリをかぶる、、もしくは、老朽化コンピュータを使わせられ続けることですが。。

その辺りに興味があるので、本ブログでは、校内LAN 部分はスルーし、学習者用コンピュータの記載に注目します。早速出てくるのは、下記の記載。

「学習者用コンピュータの標準仕様書」とは、「新時代の学びを支える先端技術推進方 策」の考え方に基づき、学習者用コンピュータのモデル仕様を、Microsoft 社、Google 社、Apple 社、それぞれが提供している 3 種の OS について提示したものである。

早速、GAFAMのプラットフォームですね。
Windows PC、ChromeOS(Chromebook)、iPad の3種類でしょう。この中から各自治体が教育方針や現場の状況を踏まえながら選定すると。

どのOS も実績も普及も十分なので、校内LAN ネットワークが整備されれば、異論はないのですが、さて、このツールでどのような教育を想定しているのだろう。

読み進めていくと、調達の契約書式や、スペックの目安等、納品条件などの記載が続きますが、P.11 あたりから、どのようなアプリが必要か、どのように使うかの記載が出てきます。これこれ。

あるべきアプリ例は、次の通り。

・ワープロソフト
・表計算ソフト
・プレゼンテーションソフト(パワポとか)
・写真・動画撮影ソフト (QR コード読み取り機能付き)
・動画編集ソフト
・地図作成ソフト
・ファイル共有機能
・アンケート機能
・電子メール
・プログラミング教材(センサやロボット教材連携のため Bluetooth等も)
・インターネットブラウザ

これはこれは、、紙と鉛筆の手書き時代の世代から見ると、デジタル世代というのは学習道具に恵まれている。(と言いつつ、個人の思索に限れば、紙と鉛筆にかなうものはないと思っているけど。電気とオンラインがなくても学習できるスタイル :-p)

とはいえ、これらのアプリはただのデジタリゼーションで、デジタルによる学習の変革とはいえないので、より興味深いのは、「先端技術」とされる次のツールも考慮するようにとの記載。

・遠隔・オンライン教育
・デジタル教科書・教材
・協働学習支援ツール(生徒と教師の画面共有による指導等)
・AR・VR(疑似体験。VRガジェット視野角による視力影響の記載はない?)
・AI を活用したドリル(弱点や効率的な学習順序の提案)
・センシング(マイク含む。発話量や視線のデータ蓄積による集中力評価)

遠隔、オンライン授業は言わずもがな、大量の教科書をランドセルに背負うスタイルがなくなり、生徒に効率的な One on One 環境の提供はすぐにでも取り入れて欲しい。

そして、AR/VRによる疑似体験や、AIサポート、センシングによるエビデンスによる学習姿勢の評価などは、未知の世界ですね。

AR/VR は疑似体験による体験の反復学習に繋がるし、状況に応じたマニュアルを映し出すことで暗記の形も変えるかも。
AIサポートは個人的には期待。学習の順番も人によって理解力が異なるし。(例えば、数I→数II→数III の順が本当に適しているのかとか)

こうなってくると、集団学習、年度学習ノルマの達成というスタイルから、個別学習、単位修得者から昇級というスタイルも分離していくかも。

ツールや技術は粛々と育っている。
次は学習ロードマップかな、、これらのデジタルツールによる学びの先に何があるのかを示すこと。

私が地頭イマイチで愚直な反復学習による刷り込みでしか成績を上げられなかったので、従来の暗記による知識の理解、蓄積型は全く否定しないけど、時折、何してたんだっけ?と、道に迷うことが多かったので、地図が欲しかった。(もちろん、未知の世界への地図でなく、人類の叡智の地図 :-) )

オンライン、ネットワークにつなげることで、生徒も教師も一つの物理的な場所に孤立せず、学び続けられるいい環境が広がっている気がします。(フェイクニュースやカルトに取り込まれないような注意も必要ですが)

次に読んでみたいのは、学習ロードマップの考え方とか、オンライン学習の雄?となりつつある N高校 のドキュメントかな。

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