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道に落ちていた 戦国時代の  #ショートショートnote杯

 昔の話ではない。景気の悪くなった地方のN町。財政破綻だけはさせたくないと、国が金を出し一日で出来た道。

「人類の歩み」のテーマ道。観光客も来るだろう?と造られた。

 開園前日、町中の住人が招待され道を歩く。離れて歩く観光客に説明できるようにだ。

 まず、石器時代…石がごろごろで足元を叩かれる感じ。次は、鎌倉室町時代…とがっている!槍の模型の先が、時に下から突いてきて、なかなかリアルだ。血までしたたれている。

 戦国時代…前の方で音がする。鉄砲だ!硝煙のにおいも血のしたたりも、よりリアルだ。

 そして、江戸時代の入口で注射を全員打たれて今日は終了。

 朝から並んだ5万人は出口で5千人だけになり、出てきた人は皆「初めまして…」と挨拶しバスに乗り別の街へ行く。同時にN町の名は全てデータから消えた。

 担当者は「明日行く“人類の歩み”は今日作っている道。3年後には日本人口も半分に減らせるだろう?」

人を片づけ、記憶を消された人達と…鉄砲持ってバスに乗る。


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