![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/140333679/rectangle_large_type_2_77ac0ff9e7b02ec1f6d46270a151a49d.png?width=800)
【ロック名盤100】#22 Blood On The Tracks - Bob Dylan
今回紹介するのは、ボブ・ディランが1975年1月にリリースした「Blood On The Tracks」(邦題「血の轍」)だ。前回紹介した「ブロンド・オン・ブロンド」からいきなり時間が飛んでしまったが、1970年代半ばといったら60年代とは全く違うムーヴメントが展開されている時代だ。そんな中やはり自らのサウンドを地で行き、彼のスタジオアルバムの中でも最も売れた作品としてしまうのはさすが。
73年には大名曲「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」をリリースしているし、75年には本作を発表したりと、ボブ・ディランは70年代になっても一線級で素晴らしい作品を作り出し続けていた。本作はどちらかというとディランのやや暗い面も映し出されている。77年には妻と離婚しているし、やはり精神面も影響していると思われる。
1 Tangled Up in Blue
2 Simple Twist of Fate
3 You’re a Big Girl Now
4 Idiot Wind
5 You’re Gonna Make Me Lonesome
When You Go
6 Meet Me in the Morning
7 Lily, Rosemary and the Jack of Hearts
8 If You See Her, Say Hello
9 Shelter from the Storm
10 Buckets of Rain
ボブ・ディランの天才極まるソングライティングの象徴「タングルド・アップ・イン・イン・ブルー」は言うまでもない程の傑作だ。苦悩に満ちた投げやりな感情にも思えるボーカルが素晴らしい。力強くも哀愁漂う「イディオット・ウインド」や昔ながらのフォークソングの真骨頂「シェルター・フロム・ザ・ストーム」も触れるべきナンバーだろう。悲壮感に満ちた「シンプル・ツイスト・オブ・フェイト」なんかはこのアルバムの雰囲気を代弁するような曲調だと思う。
本作は、30代半ばを迎えて円熟味を増したボブ・ディランの最高傑作だ。渋めのディランを堪能したいというリスナーにはうってつけのアルバムだと思う。ディランの本来の凄みが存分に出されながらも、どこか後ろ向きな音色がたまらなく魅力的である。本シリーズでのボブ・ディランのアルバム紹介は今回で終わりだが、取り上げた3作全てディラン節満載だ。付属する歌詞カード、ネットでもいいので歌の和訳なんかを眺めながら聴いてみるのもいいだろう。僕はこの記事を出す頃には「ボブ・ディラン強化週間」に入っている。
↓「タングルド・アップ・イン・ブルー」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?