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イギリス

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これまでに書いたイギリス関連のnoteです。
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#歴史

イギリスへの謎の憧れ

イギリスの魅力は何かといえば、俗物のたくましさと美しさである。 イギリスはいい意味で俗物根性がたくましい。理想よりも現実を見て、生き残るために泥臭く手を尽くしてきたのだ。 「俗物」というと聞こえは悪いかもしれない。しかし俗物でないものなんて、大体はソクラテスやキリストみたいに「美しく死ぬ」羽目になるのである。 だったら、俗物でも生き残った方が偉いじゃないか。絶えず困難が押し寄せる中で、美しく死ぬなんてことも許されず、地べた這いずって泥すすってでも生き延びなきゃいけない、そん

イギリス史ここが面白いよ⑵:地政学的位置

前回↓ 今回は「ヨーロッパの辺境、大西洋の片端」というイギリスの地政学的位置から、イギリス史の面白さを紹介する。 相変わらずざっくりしているので、まあ気楽に読んでほしい。 地政学的位置近代の「大英帝国」のイメージを強く持っている人からすると意外かもしれないが、イギリスはヨーロッパの「辺境」に位置している。 イギリスが「世界の中心」と呼ばれるようになっていくのは、せいぜい18世紀に入り、スペイン継承戦争が終わった辺りからなのだ。 それまで覇権を握ってきたのは、みなさん

イギリス史ここが面白いよ⑴:保守と革新

イギリス史の「面白いポイント」についてざっくり話す。 細かい人名とか西暦とかは一切出てこないので、気楽に読んでほしい。 そして、もし興味があれば、各種のイギリス史関連書籍を調べてみていただきたい。 個人的なおすすめは、ミネルヴァ書房の"MINERVA 西洋史ライブラリー"シリーズである。 他にもおすすめがあれば、教えてほしい。 保守と革新「イギリス=保守と革新」というイメージは、イギリス史好きでなくとも、結構持っているのではないかと思う。 だってイギリス、世界に先駆けて

イギリスの国王至上法(1534年)を日本語訳する

原文はここからお借りしました↓ ⚠️注意⚠️ ヘンリー8世の限界クソオタクにしか需要がない内容(とにかく長い) 私は英語ができない(いい加減な日本語訳) 原文でボールド体になっているところは、私が勝手にやりました 単語集は、私が訳していてよく分からなかったやつです(主にPCの英和辞典と英辞郎を参照) 翻訳⑴原文 単語集 albeit=〜だけれども Majesty=陛下/至上権、王権、統治権 clergy=聖職者(宗派は問わない?) realm=王国 convo

🎩<ジェントルマン!!

ふざけたタイトルだけど、内容は重めです。そしてバチクソ長い。 暇なときに頑張って読んでね!! あと、間違っているところがあったら教えてくれると嬉しいです。 ジェントルマンとは何か?さて、イギリスの支配階級たるジェントルマンとは、そもそも何なのか? 辞書的な定義をいえば「特有の価値観※を身につけた有閑の資産階級」ということになるだろうね。 必ずしも、先祖代々の貴族やジェントリ(地主)だけが支配階級だったというわけではないのである。 ジェントルマン特有の価値観を身につけて

イギリス帝国とカントリー・ハウス⑵

前回↓ 前回からどえらい間が空いてしまったが、今回は予告通り、カントリー・ハウスの文化とイギリス帝国の繁栄との関係を主に見ていこう。 それから、カントリー・ハウスが衰退していく過程と、現在数多くの地所を保全し、一般公開しているナショナル・トラストについても触れようと思う。 相変わらず大学の講義ノートをベースにしているため、「ソースが示されていない箇所は、講義で聞きかじったんだな」と思って読んでほしい。 なんか間違ってたらめんご🙏 イギリス帝国とカントリー・ハウスの文化

イギリス帝国とカントリー・ハウス⑴

タイトルまんまです。 「カントリー・ハウスってイギリス帝国の何なの?」的な内容をつらつらと書き連ねていきます。 大学の講義をベースにした私的な備忘録なので、読みづらいかもしれません。 あと、間違ってたらすみません。 カントリー・ハウスとは、システムであるそもそもこれが分からない。何だ、カントリー・ハウスって。 辞書的な定義をいえば、「田舎の所領にある貴族やジェントリの本邸」という風になるんだけど、そんなググれば3秒で出てくるようなことが知りたいんじゃないんだよな。 実のと