イギリスへの謎の憧れ
イギリスの魅力は何かといえば、俗物のたくましさと美しさである。
イギリスはいい意味で俗物根性がたくましい。理想よりも現実を見て、生き残るために泥臭く手を尽くしてきたのだ。
「俗物」というと聞こえは悪いかもしれない。しかし俗物でないものなんて、大体はソクラテスやキリストみたいに「美しく死ぬ」羽目になるのである。
だったら、俗物でも生き残った方が偉いじゃないか。絶えず困難が押し寄せる中で、美しく死ぬなんてことも許されず、地べた這いずって泥すすってでも生き延びなきゃいけない、そん