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「お嬢様とおつきのメイドの暗い百合」をテーマに、友人の「矢代 スズシロ」氏と書きました。15000文字くらいです。 〈一〉矢代 スズシロ 栄華を極めた帝国の、狂瀾怒涛たる享楽の都。そこでは叶わぬ望みはないという。 悪魔に魅入られた大商人が一夜で身代の全てを蕩尽したかと思えば、橋の下で乞食坊主の占いを聞いていた若者が一日にして大富豪となる。魔術師がこの世の道理を曲げ、神憑りが不吉な予言を垂れる。そのような時代にあっては、父祖らが奉じていた理性や人倫など一顧だにされぬ骨董
なんかねー、「男性が女性に向ける羨望と失望」的なものが書きたかったんですけど、途中からちょっとわけが分からなくなりました。話があちこちに飛びすぎなんだよ。 まあ戯言です。主語がややデカなんですけど、気にしないで雰囲気で読んでね。 東京に戻ってみると、あいにくの雨だった。 運悪くかばんの中に折りたたみ傘もなかったため、俺は駅ナカのコンビニでビニール傘を買ってから、雑踏の中へと出ていった。 張りのある厚いビニールに雨が当たって、ボツボツという質量のある音が頭上で響く。高
オリジナルバージョンが利用規約に抵触していたらしく、公開停止になったので書きました。自主規制バージョンです。利用規約は読みました。 (正直あんま釈然としない🫤) オリジナルバージョンはこれ↓ 「おくすり飲んで寝よう」と「アメリカ民謡研究会」を聴きながら書いた。 あと「意識の流れ」的なことにチャレンジしてみたかった。 心が弱い人の解像度が低すぎるな……🙄 ひとが「あなたのためを思って言うの。いつか絶対後悔するよ」とかほざくとき、私はその中を漂う傲慢のにおいにひどく吐
不躾な視線と差別意識と、不愉快なときに出る笑いについて ※若干の差別的描写を含みます 最初に感じたのは不快感だった。 にわかに混み出した電車内で、その人物は一人で二席を占領していた。 次に感じたのは、納得だった。 正面にいるその人物をよくよく見てみると、何やら目の焦点が合っていない。口からは絶えず不明瞭なうめき声が漏れている。服装もどこかちぐはぐだ。 「ああ、おそらく何かしらの知的障害があるのだろう」──その人物が、ダン、と大きな音を立てて床を踏みつけた。おっ
今日は朝から抜けるような青空だった。出かけるとき、近所の人と挨拶をした。 久々に旧友に会った。元気そうだった。とりとめのない話をして、二人でお茶をした。 夕暮れ時、色の抜けつつある空にかかる雲の下から、神がかった金色の光がさしていた。 鳥が飛んでいる。 死んでもいいかな、と思った。 電車が目の前を通りすぎる。ガタンゴトンと轟音が響き、一陣の風が吹く。 生ぬるい風を浴びながら、辺りを見回す。たくさんの人がいる。家族連れがいる、ビジネスマンがいる、カップルがい
A面↓ 「ある女性アーティスト」本人視点です。こんなこと考えるヤツがあるか! A面と合わせても中々に意味不明だなぁ……漠然と頭の中にあった「書きたいこと」を上手く言語化しきれなかった感じ。 でも、これ以上書いても冗長になってしまうので、ここで筆を置くことにします。 公平を期するため、先に告白しておくとしよう。私は女である。 それでは、私の夢想を聞いてもらおうか。 思うに、自分の中にある「創造性」の量には限りがある。 だから、我々はこれを無為に浪費してしまうこ
「ある女性アーティスト」をテーマに書きました 「他人から見たある人の姿を描き出す」ってなかなか難しいな〜〜 【美術大学の同級生曰く】 あの人はいかにも芸術家らしい芸術家だった。 寝食を忘れ、見た目にも気を遣わず、ときに風呂に入ることすら忘れて夢中で作品を制作し続ける。 その様は半ば狂気的ですらあり、彼女、いつかぶっ倒れて死ぬんじゃないかと、僕は密かに心配していたよ。 いや──これはふとした思いつきだけど──ひょっとすると、彼女は死にたがっていたのかもしれないね。
よくあるマッドサイエンティストの独白(中二感マシマシ) 登場人物の心情について直接的に説明しすぎるなぁ……やっぱ三人称視点で書いた方がいいのかね🤔 いまいち不完全燃焼なので、そのうち書き直すかもしれない 人工子宮の中で育まれた私たちの愛し子は、証拠品として「押収」されたそうだ。 私たちが行ったことは、この国の法律上禁忌にあたるらしい。いや、この国に限らず、多くの人間は私たちの行いを「生命倫理にもとるもの」として糾弾するのだろう。 法律は没人格的に見えて、実のところ「
「上位存在の書くラブレター」という性癖!! ワーッ!!! 今この瞬間まで、貴方が生きてきたことを絶対的に肯定したいのです。 貴方が生まれて、どういう境涯にせよ今日という日まで死なずに生きてきて、何かを思って私の前にいる。息をしている。ものを食べたり、眠ったりする。ただ、存在している──喜ばしいことではありませんか。 貴方がこの世に生を享けてから、きっと、辛いことも楽しいこともあったのだろうと思います。ひょっとすると、死にたくなるようなことすらあったかもしれません。
ブラック企業を辞めて田舎に引っ越した人が、かつての同僚に向けて懺悔する短編小説です。 以前、女→女のクソデカ感情を書いたので、今回は男→男のクソデカ感情を書いてみました。ただ、これをBLと呼ぶかというと違う気もする。 まあ、一応BLタグもつけとくか…… 同性間のクソデカ感情を書いた作品って、好き嫌い分かれるだろうしな。 昔「イタリアでは、最も影の短くなる真昼間に幽霊が出るのだ」と聞いたことがある。なんでも、影が短くなる時間は魂にとって良くないらしい。 それに、地中海
間近に結婚を控えている人とネイリストの精神的百合小説です 百合です!!!(重要) バタイユらの現代思想&椎名林檎《女の子は誰でも》の混合物 片方に婚約中の彼氏がいる設定ではありますが、女→女のクソデカ感情を描いているので、私的には百合だと思っています 合わない人は帰ってくれよな!! シアーな指先に小さな金色のパーツが乗せられる。 ほんの一瞬の、ささやかな贅沢。僅かばかりの煌めき。心躍る刹那。 「…わたし、今度結婚するんですよ」 何気なくそう呟くと、私の爪にア