【詩】 はじまりの歌
通りを進んでいた。夏の祭りに行ってしまったのだろうか、人影はまばらだった。並ぶ街灯のうちの一灯が、チカリチカリとしていた。行きつけのレコード店へと向かう。
いつまでも、いつまでも夜が続いていた。
(いらっしゃい)
(こんばんは)
店内には、店長が世界中から集めた珍しいレコードがぎっしりと置かれてあった。
(また、夜が明けないみたいです)
(そうみたいだね)
(あのレコード試してみても良いですか)
店長が店の奥から一枚のレコードを出して来て流してくれた。
完
熟
の
ト
マ
ト
幾
つ
も
押
し
つ
ぶ
す
よ
う
に
そ
う
し
て
描
く
太
陽
そうして、赤い朝が来た。その歌のような凄まじい空だった。
(どうですかねぇ実朝さん)
店長に礼を云い、ようやっと自宅へと向かった。
さあ、さあ、こちらもどうぞ🐦
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