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続素敵滅法界彷徨

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詩集『続素敵滅法界彷徨』続続素敵滅法界彷徨との二部作です(・∀・)
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古書店 【詩】

とびきり濃い珈琲を出す と噂の古書店に 著者の名も性別も 好きな食べ物も わからない 素敵滅…

雲とわたくし【詩】

ゆらゆら と光る 海月の映像を 夢中配信する水面下 ブラックに三日月形の砂糖を入れ かき混ぜ…

仮面の表情は恐ろしく遅遅とした歩みと共に変わる【詩】

無から微笑まで 仮面の表情は 恐ろしく 遅遅とした 歩みと 共に 変わる 行列は 数の 増減を繰…

終風【詩】

右足を踏み出す それが合図で 風が木木を取り囲む はっ と立ち止まると孤独 風は動き出す 無…

斜陽/残響【詩】

斜陽 月の光のたゆたう水面のように 明滅する葉 葉 斜めからさし つらぬかれ 露見する 一つ…

新ソネット/旧ソネット【詩】

新ソネット 下弦の光がそそぐ波の 幽かな音がきこえる 机上のあかりに逆らうように 欲する遥…

遠景 【詩】

皐月と唱えて雨を呼ぶ カットしたレモンを 枯渇の舌へ絞るように 夜空の星の眺めのように 傘は遠く 音をたててひらいて 湖のほとり 花菖蒲の花弁は 静かに受けとめる こちらもチェックしてみてください🐦

果実【詩】

薄闇に紛れた果実 影の地中から 荘厳な色を引き上げる 瞼の下の果実の 表面を覆う ヴェール振…

日常【詩】

どこまでも続くような 放射状のそれらと 包まれて滑る 羽根を休め取り外す 向かい合う数数の心…

ジャズピアニスト【詩】

男は美しく乱打する 夜にそなえ 白昼のパレット散策 丁寧に爪を研ぐ 夜半に降り始める灰 燃え…

薄氷【詩】

春は波紋のように開いて (うすごおり)の上を (うすらい) (はくひょう) 走る沓 (衣の裾…

晩夏【詩】

開花の余韻にじむ 祭りの日の夜空のように 車道は色取り取りの発光 曖昧な輪郭ただよう 人工の…

苦しい、よ 【短詩】

なんという夜の気紛れだろう 深間の青が迫る 苦しい、よ こちらもどうぞよろしくお願いします…

ハカセの寝言【詩】

光の中をさ迷うように 姉の地へと向かう 丸で鏡 磨き上げた林檎片手に 色したたるような蝋梅 紫式部 並ぶ光景は蜻蛉のようだ 芭蕉や 夏草や合歓の花 月見草横目に 油菜の花 遥かな日々の 堅香子の花 群生の水仙と光と時の中を今 遊星のように歩く 青い鳥書店🐦