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SSL非対応サイトへのブラウザの警告と政府ドメインの常時SSL化の現状

もうすぐ始まるGoogle ChromeのSSL非対応サイト常時警告

ブラウザの1つである、Google Chromeの新バージョン「Chrome68」が2018年7月にリリース予定だ。もともとChromeはSSL非対応のウェブサイトの閲覧時にはアドレスバーに警告を表示してきた。
次の図は、SSL非対応のウェブサイトにchromeを使ってアクセスし、「www‥」の前にある「i」部分をクリックすると表示される警告文の例だ。(ブラウザやその設定に依って表示は異なる。)

Chrome 68がリリースされると、今後はSSL証明書を導入していない全てのサイトで「保護されていません」の警告表示が出るようになる。
noteはSSL化されているので、以下のように緑色の鍵マークが付いて表示されているので大丈夫。

SSL対応については昨日今日に始まった話ではない。
Google はかねてから、Google カレンダー、Google マップ、AdSense 用広告コード、YouTubeといったGoogle のサービス全体で 100% の暗号化を実現するという目標を掲げている。

Yahoo!検索は2015年8月18日より段階的に、検索結果にSSLを使用してきている。

「Yahoo!検索」SSL化のお知らせ(2015/08/12)

(この影響で当時、Yahoo!の検索キーワードがGoogle Analyticsで取得できなくなった)

SSL証明書を使用することで、
・暗号化で安全を確保される
・組織の実在証明
といった具合にユーザーの安全性が高まる。また、それ以外にも
・検索順位での優遇
・通信速度が高まる
とったメリットがあるわけだが、一方で
・コスト(サーバー会社に対して年間数万円程度の料金が発生する)
・部の国や組織によっては、HTTPSトラフィックが遮断される
というデメリットがある。
(またアクセス解析でSSL非対応のサイトからの流入を示すリファラーが取得できないという問題もあったかと)

デスクトップのブラウザシェアは、以前、ウェブサイト上でみられる文字拡縮や読み上げツールについての調査(3)で記載の通り、2018年5月でchromeが 47.74%となっている。

組織の大きさに関わらず、最近はウェブサイトを運用している企業・団体・個人も多いだろう。お問い合わせフォーム部分はSSL対応していても、それ以外のページはSSL非対応というウェブサイトも多い。
「保護されていません」と表示されることで、ウェブサイトに来た人が不安に思い離脱すれば機会損失にもつながる。これまで二の足を踏んでいた運営管理者もいるだろうが、「常時SSL化」対応は急務だろう。

政府ドメインの常時SSL化の現状

政府のウェブサイトもSSL化が進んでいる。現時点で確認できたのは、44サイト中以下の7サイト(15.9%)。
なお対象とした府省庁は以前記事にしたウェブサイト上でみられる文字拡縮や読み上げツールについての調査(1)と同じだが、ページボリュームの都合で今日は割愛する。

首相官邸
内閣官房
公正取引委員会
個人情報保護委員会
金融庁
外務省
財務省

お問い合わせフォームのような個人情報を入力するページは、むろんだいぶ前からどこもSSL化している。が、常時SSL対応もデメリット(特に2番目の「国や組織によっては、HTTPSトラフィックが遮断される」という点やURL変更に伴う配布印刷物の修正等事務費用の発生など。httpでアクセスしてきたことを考慮してリダイレクト設定する)も鑑みたうえで、追々対応が必要なのではなかろうか。特に政府関係のドメインに関しては成り済ましのようなリスクは排除しなくてはならない。

なお、このnoteでも度々出てきている、内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室「Web サイトガイド」(政府CIOウェブサイトに掲載)でも、go.jpドメインの使用についてと共に次のように記されている。

サイトの信頼性を確保するために、各府省の Web サイトでは電子証明書を活用する。
具体的には、TLS/SSL による暗号通信を使用し、HTTPS によるアクセスを可能とすることを推奨する。

最近リニューアルを迎えた省庁のウェブサイトの中にも、まだ常時SSL対応していないところがあるのが気がかりではあるのだが‥。

参考

Google 透明化レポート「ウェブ上での HTTPS 暗号化」
さくらインターネットコラム「保護されていません/保護されていない通信」とは
益子貴寛の「これ読も10(テン)」2017年4月号「8.検索に強いコンテンツは「曖昧キーワード」からでも作れます。 隠れた検索意図を見つけだす方法とは?(Web担当者Forum)」

(了)

ヘッダー写真 撮影地 ニュージーランド Waitangi Treaty Grounds ©moya

最後までご覧いただきありがとうございます! 現在放送大学でPDFのアクセシビリティを卒業研究中。noteはそのメモを兼ねてます。ヘッダー写真はnzで私が撮影しました。 【ご寄付のお願い】有料noteの売上やサポートはnzクライストチャーチ地震の復興支援に使わせて頂いております。