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アメリカ ルート66を巡る旅 14 アリゾナ州 東部

アリゾナ州を走る旧ルート66

ニューメキシコ州ギャラップを出発します。旧ルート66は州道118号になります。州間高速40号線を並行して走ります。しばらく行くとニューメキシコ州とアリゾナ州の州境を越えます。ついに7つ目の州に入りました。残りは西端のカリフォルニア州を残すのみとなりました。

今回はニューメキシコ州とアリゾナ州の州境からメテオクレーターまでの250kmを紹介します。時間にして2時間半です。

旧ルート66はGrant Rdになります。そして州間高速40号線に再び塗りつぶされています。この辺りの景色はなかなか壮大です。大河に削られたであろう崖や岩山が出てきて、運転しながら景色に見とれてしまいます。そしてあまりに広大な大自然に驚かされます。今までの平坦な草原というよりは森が出現します。そして高地に到達するとあまり木々の生えていない岩山が見えてきます。この辺り、両側に大きな崖が見えます。なかなか見られない景色が楽しめます。しばらく走っていると化石の森公園が現れます。

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この辺りで見られるペインテッドデザート

<化石の森国立公園>
成り立ちなどは、詳しくは専門サイトにお任せするとして、ルート66を走る方には是非立ち寄ってもらいたい国立公園です。州間高速40号線に接していて、それほど広くないので1時間程度で見学できます。この公園にはトレイルはなく、歩いて見て回るタイプの公園ではありません。車で専用の道路を走り、所々にある駐車場に車を止めて美しい景色と化石化した森を見学します。
ここは2億年ほど前の森がそのまま化石と化した場所です。化石になった木はナンヨウ杉だそうです。これはとても価値のあるもので、公園からの持ち出しは厳しく禁止さてています。カケラでも持ち帰ってはいけません。地層はペインテッド・デザートと呼ばれており、砂の層ですが色のグラデュエーションが美しいです。

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60年代風なモーテル。ここはインディアンのテントを模しています

<Holbrook>
ホールブルックに来ると、いわゆる「ネイティブアメリカンの文化」、「古き良きアメリカ」、「60年代」、「ルート66」という単語が当てはまる我々の望んできた景色次々と現れてきます。ルート66を旅する方はこのアリゾナのルート66だけを見て回る人が多いです。それほどインスタ映えする遺構や大自然が凝縮されています。
この町にはWigwam Villegeというインディアンのテントを模した部屋の泊まれるモーテルや西部劇に迷い込んでしまったようなEmpty Pocket Saloonなどがあります。どの施設も長時間滞在するような観光ポイントではありませんが、写真映えはするので、是非立ち寄ってみてください。

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ルート66で有名な看板

<Joseph City>
有名なHere It Isサインがある町です。それ以外は何もありません。笑
この看板ひとつで町の観光が支えられていると思うと、なかなか面白いビジネスモデルです。
旧ルート66を走ると、いくつかの遺構が放置されています。元はモーテルだったり、ガソリンスタンドだったり、トレーディングポストだったりした建物です。乾燥した気候でいい感じにエイジングされたこれら遺構も写真撮影には向いています。

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かつてこの辺りに数でいたネイティブの描いた壁画

<Winslow>
旅行者にとって立ち寄るべき町です。それは飲み物を買ったり、ガソリンを入れたり、休憩をするためのという意味です。この街は元々ネイティブアメリカンが住んでいた場所で、現在もネイティブの方々がかなり住んでいます。そして西部開拓時代、ルート66が開通した時代に栄えた街です。現在は、ルート66を旅する人が立ち寄ることで成り立っている小さな観光の街です。見るべき観光ポイントは、メインストリート沿いのルート66を感じさせる街並み、郊外のペインテッド・デザート(といってもこの辺り一体は全て同じような景色です)くらいでしょう。ネイティブ・アメリカンに興味のある方は、かつての住居跡、岩山に描かれた壁画などを見ることができます。

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隕石が作ったクレーター

<Meteor Crater National Landmark>
5万年前に隕石がここに落ちてできた直径1.2 Kmのクレーターです。地球上を探してもここまで綺麗に残っているクレーターはあまりないそうです。
ルート66 を走っていると、南側にMのような形をした山が見えてきます。この辺りは真っ平らなので、遠くからでも山を認識できます。高速道路のMeteo Craterの出口を降りて南にすすむと、結構大きな山であることがわかります。かつて、この山は火山口だと思われていたようですが、研究者の中には隕石がぶつかってできた隕石孔ではないかという人もいて、クレーターの真ん中を掘って調べたところ、地表にぶつかった隕石が見つかりクレーターだと判明したそうです。隕石の大きさは30-50m程度だったそうで、この隕石が地球にぶつかり、周りの大地をめくりあげたということがわかりました。実際に行ってみると、その破壊力の凄さを実感できます。衝突時には周囲5kmにいた全ての動植物は一瞬にして消え去り、周囲200Kmまで衝撃波が到達したそうです。なんともすごい場所です。直接ルート66には関係はありませんが、是非立ち寄ってもらいたい場所です。
このクレーター、映画「スターマン」では、主人公が最後にたどり着く場所として登場しました。実際にここで撮影も行われています。

メテオ・クレーターを通り過ぎると、次の町フラッグスタッフまでは何もない真っ直ぐな道をひた走ることになります。車を運転しながら、本当に前に進んでいるのだろうかと錯覚に陥るほど景色は変わりません。ただただひたすらまっすぐの道を走り続けるのです。

次回は、宇宙を大切にし、グランドキャニオンやセドナへのゲートウェイとしても栄えるフラッグスタッフ、グランドキャニオン鉄道の起点であるウィリアムズを紹介します。

お楽しみに。



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