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公共土木施設の災害査定について

台風19号の被害に遭われた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。

公共土木施設災害復旧事業(災害査定)について何をしたらいいのかわからない人に少しでも役に立てばと思い、自分の経験から専門的な話をします。(語弊があったらすみません。指摘頂ければ訂正します。)

【概要】
台風などで公共土木施設が被災を受けると、一刻も早く復旧して本来の効果を発揮する必要があります。復旧には多額の予算を要することが多く、国の補助を受けて復旧することが一般的です。国の補助を受けるため、自治体は被災の状況や復旧に至る方法、復旧による効果を説明するのが災害査定です。

自治体が国にプレゼンして、お金をもらいます。

通常、自治体は1年がかりで国から予算をもらいますが、災害査定は1週間で予算をもらいます。国は、たった1週間で(1箇所当たりだと概ね30分程度で)大事な税金を使う意義があるのかを決めます。自治体のプレゼンが悪かったり、災害査定のルールに違反すれば予算がもらえないこともあります。

【被災箇所調査と災害報告】
被災から災害査定までの期間は約2ヶ月が目標です。それまでに自治体は国へのプレゼン資料を作ります。
まずは、被災箇所の調査です。
被災した箇所を手分けして確認し、被害発生から10日以内に国へ報告します。国への報告は、都道府県庁がとりまとめて行います。報告内容は、1ヶ月以内であれば訂正できます。

ここで大事なことは、災害査定を受けるか?受けないか?です。

被災箇所が多すぎて10日以内に把握出来そうもない場合もあります。それは1ヶ月以内に訂正すればいいです。現状で災害査定を受ける箇所が確実にあれば、わかっている箇所のみで報告すればOKです。該当があるなら、まずは10日以内にエントリーすることです。

報告は、箇所、工種、金額などを概算であげるので、現時点で箇所ごとに細かく計測や写真撮影、積算する必要はなく、その時間は調査にあてることをオススメします。

とりあえずここまでにします。


公共土木施設の管理者は、全てにおいて待ったナシの環境での焦りや、模範解答のない現場現場のオーダーメード復旧、経験者しか知らない災害査定の細かいルールの中で業務します。初めて業務を担当する人には不安でしかないと思います。経験者は、そのような担当者の不安を減らすよう、今、どの段階にいて、この先どんな業務が出てくるのかなどをチームで共有しておくと、効率よく作業が出来ると思います。

限られた時間の中で成果をあげるには、段取りが全てです。
被災箇所調査をする人、事務所でそれを指揮する人、とりまとめる人、全て必要な業務で、各業務に上も下もありません。それぞれひとつでも欠けたら業務は進みません。

チーム全員が現場にでられなくても、被災箇所の調査班が現場で五感を使って調査し、写真や動画などで指揮者やチームに報告すれば、チームの目になります。

指揮者は、調査班が効率よく動けるよう、災害査定に関する経験のない人目線で言葉やイメージで各班に共通な指示をすることで、各班が素敵な目になります。

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