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お願いすることの責任

突然ですが…私の職場には
コピーを取ったり図面を着色したり、正職員のサポートをしてくださる臨時事務補助員さん(臨時さん)がいます。
正職員は、臨時さんに様々な仕事をサポートしてもらえるから、速やかに仕事ができるのが現状です。臨時さんいつもありがとうございます。

今の職に就いて2年目の頃、臨時さんに仕事をお願いする時の「心得」を先輩に教えてもらいました。先輩曰く、

「臨時さんに仕事をお願いして、自分の求めた成果と違うものが出てきたら、その責任は全てお願いした人にあるからね。」

との事でした。補足すると…

臨時さんは正職員の日頃の仕事について細かい内容までは知らされません。時々くる正職員からの依頼に対して、臨時さんの力量の中で頑張って成果を出します。与えられる情報が少なければ、それなりに成果が出てきますし。臨時さんによっては情報が少なくても依頼以上の成果が出てくるかもしれません。中には全然違う成果が出てくることもあります。

ということは…

臨時さんに自分の思う成果を求めるなら、依頼者が臨時さんの力量を把握し、依頼内容を的確に伝え、依頼内容に変更が生じたら常に情報を提供する必要があります。
これが出来ないで不十分な成果が出てきたら臨時さんを責めるのではなく、自分の伝え方の悪さを責めましょう。

ということ。

これは業務委託契約と同じ考えです。
以下はざっくりと自分の知識で書きます。(間違っていたらすみません。)

業務委託契約では、業務に対する行為について発注者と契約します。契約において、受託者には「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」が課せられます。
善管注意義務とは、ざっくりいうと「委託された行為をちゃんと管理する義務」です。そして、極端にいえば、受託者は善管注意義務さえ果たしていればそれ以外の責任を負うことはありません。

ということは、発注者からの依頼に誤りがあったり、伝え方が悪くて受託者にちゃんと依頼内容が伝わらず、結果的に発注者が求める成果が出てこなくても、受託者は責任を負うことはありません。

最近は、発注者支援業務委託や、CM(コンストラクションマネジメント)業務委託などでコンサルタントさんにお世話になるのとが多いのですが、業務委託契約をしっかり理解しないで、出てきた成果が依頼と違うことに怒り散らしている発注者をよく見かけます。

受託者という立場上、それに耐えるしかないのでしょうけども、甲乙対等と発注者はよく言います。そうであれば、発注者は業務委託契約を改めて理解しなくてはいけないと思います。併せて、自分の指示の悪さを認識し、改善する必要があると思います。

発注者が受託者に怒り散らすなら、そのエネルギーは技術的な議論にぶつけてみてはどうでしょうか?

業務委託を請け負ってくれるのは人間です。そこには感情があり、良好な関係が築ければ成果も素晴らしいものが出来上がると思います。依頼を受ける側の気持ちになって依頼してみると、答えが見えてくるかもしれません。

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