見出し画像

【ニンジャけんきゅうぶん】物質界・エレメンタル世界の性質と、生命と世界構造の考察・第二章

(あらすじ:ニンジャスレイヤー世界は物質界とエレメンタルの世界によって構成されている。人間で言えば、物質界の物質は「肉体」、エレメンタルの世界のエテルは「精神」である。
精神の世界である「エレメンタルの世界」は物質界の人間の精神行動(微量エテル)の働き、集合的無意識化の影響を受け形を変え、特異空間を形成する。これがコトダマ空間である)


本論

第二章:ニンジャ、ハッカー、魔術師の生態的、技術的差異

◇神秘とはなにか?◇

第一章で、エレメンタルの世界のエテルがニンジャや魔術師の神秘の素であること、エテルは魂、精神であることを示した。
つまり、彼らの行使する神秘とは「エレメンタルの世界から引き出したエテル(精神エネルギー)を物理エネルギーに変換している」ということになる。
カトン・ジツなら熱量、シャドウトレース・ジツなら物理物質、飛翔魔術なら移動エネルギーと言った具合だ。

これはエテルを精錬し、形を変える作業である。第一章で表現した「エテル=水」のたとえに準えるなら、「術者=器、機械、水」であり、「神秘の行使=浄水、加工」である。

◇神秘の行使者・ニンジャ◇

術者は、エテルを受ける器となる。この器が小さければ、エテルを受け止めることが出来ず、神秘の行使は不可能だ。
だからこそ、ニンジャはカラテで心身を鍛え、魔術師は没薬やスペル・チャントを使用する。これにより一時的あるいは恒常的に「エテル許容量」を大きくする。その上で、自分の中に入ってきたエテルを神秘に変換する。

基本的に、ニンジャはカラテを始めとする鍛錬によって成る。リアルニンジャへの道程ならばもちろん、ソウル憑依者であってもノーカラテ・ノーニンジャだ。ニンジャ(と、ニンジャ志望ニュービー)は肉体の鍛錬と同時に精神の鍛練をして、その魂魄を(概念的に)強く大きくする。それによって、外部からの魂(エテル)を取得し、変換するエテル操作力を手に入れることが出来る

自分以外の魂(エテル)を外部から汲み取ることは、自分自身の魂にも大きな影響を与える。エレメンタル・エテルが自身のソウル(パーソナル・エテル)に流入し、拡大と変質が起こることで、エテルに強いだけの人間は人外になる。
これは「ハナミ儀式」「ニンジャソウル憑依」から推測できる。これはどちらもジツを行使できる=エテルの加工が出来る存在が、人間のソウルをニンジャソウルに変換する行為である。強大なエテルをニンジャソウル・エテルを一度経由して、人間のエテルにニンジャソウル・エテルを注入し、変質させていると言える。

魂が変質したことで肉体もまた変質を起こす。エテルはそのままでは精神エネルギーでしかないが、「血中カラテ」という言葉もあるように、カラテにより練り上げられた身体は物理性と共にエテル対応性を持つに至っている。(むしろリアルニンジャについては、それほどのエテル伝導率まで鍛えられていなければハナミ儀式は行われないだろう)
強力なエテルを自分の精神として常に肉体に宿すことで、肉体はエテル的、物理的影響を受ける。「筋肉に電気刺激を与えるキンニク・オッキイ!ジョック・マッシグラ!!」「バイオブルベリ錠で現代人に健やかな目」というようなCMを見たことはないだろうか?それと類似したことが断続的に起こり続け、カラテは倍増し身体能力、感知能力も強化される。これがいわゆるニンジャ身体能力である。

この論から考えると、ソウル・アブソープション・ジツやサクリファイス・ジツの説明が明快になる。
他人の生命力を吸うジツは「自分のソウル(エテル)+他人の生命力(エテル)+エレメンタル・エテル」でのカラテ、ジツ行使を可能にする。当然「自分のソウル(エテル)+エレメンタル・エテル」よりも強い。

いくらエレメンタルの世界からエテルを引き出せるとはいえ、あくまで基本は器となる肉体(エテル媒体)、ソウル(パーソナル・エテル)の強さである。ノーカラテ・ノーニンジャ。備えよう。

◇神秘の行使者・魔術師◇

ニンジャはソウルそのものを変質させていたが、魔術師にソウル変化があるかは現在分かっていない。だが、没薬やスペル・チャントを基本手段としているあたりから、おそらくは肉体的な鍛錬と変質はない、もしくは少ないと思われる。(仮に肉体を鍛える修行により心身両方とも強化されているならば、ニンジャ類似存在として語られるはずである)

どちらにせよ、薬やスペルの効果によってエテル許容量が格段に上昇することはわかる。ニンジャが長い鍛錬によって器を拡大し、中身のソウル変質も行うのに対し、魔術師は急激に器を大きくする、変形させる、外付けすることに特化していると思われる。

同時に、スペル、儀式、没薬は発動する魔術を決め、任意の現象を起こす(エテル変換を行う)方式決定を担っている
神話級ニンジャであるムカデ・ニンジャも、ロウ・ワンの秘儀を行う際にチャントを唱える必要があった。


(アセイルド・ドージョー#6より)

ニンジャとしても魔術師としてもタツジンであるムカデ・ニンジャがチャントを唱えて魔術を行使する。ここから考えられるのは以下の仮説である。

1.ニンジャと魔術師のエテルの引き出し方は違うため、カラテ習熟していても魔術的エテル利用にはチャントが不可欠である。引き出し方さえわかれば、チャントは不要。
2.魔術とチャントは不可分である。チャント(各種儀式)によって魔術は発動する。一般魔術師もロウ・ワンも儀式によってエテル変換する。
3.ムカデ・ニンジャのニンジャ、魔術師としての実力を合わせてなお、ロウ・ワンの秘術(その必要エテル許容量)には足りない。あくまでブースト。足りてさえいれば、ノーモーション石化呪術が可能。

この仮説の中で、3は恐らく間違いである。ニンジャとしても魔術師としても高い実力を持つムカデ・ニンジャが、なおも届かないというのは信じがたい。
1と2はどちらも決定的に肯定、否定する材料がないが、どちらにおいても儀式がエテル変換行為の支援を担っていることは確かである。

魔術師については、まだ詳しく描写がされていない部分でもあり、信頼性は低いと思っていただきたい。(2017年03月11日/ザイバツ・シャドーギルド#5時点)

◇神秘に触れるもの・ハッカーの場合◇

先述の二種は、「エレメンタルの世界からエテルを汲みだし物質界で神秘を行使する」存在だった。
ハッカーは逆に、「コトダマ空間(エレメンタルの世界)を認識し、ダイブする」存在である。

第一章で、コトダマ空間はエレメンタルの世界に作り出された集合的無意識領域であるという仮説を立てた。これを「海」の中に作られた「遊泳エリアまたは潮流」と喩えている。

コトダマ空間の中にダイブする際、通常ダイブするのは精神のみである。この時、肉体は物質界においていかれる。言ってみれば、「海の潮流」の中に「水一滴」を入れるようなものだ。「水」は精神修行、ザゼンドリンクやブラックベルトの服用によって質、量ともに変化し、「潮流」に混じって消えることがなくなる。これが自我を保つということだ。

さらに、「力強い注水」「特殊な水質の注水」によって、大本の「潮の経路や質」が変えられる場合もある。コトダマ空間の改変である。個人のエゴによって、その意識を支配することは、物質界においてもカリスマ、扇動などの名称で語られることがあるが、それをより強力に、剥き出しの集合意識に行っている。ただし、集合的無意識と個人の意思は明確につながっているとは言い難く、コトダマ空間改変からのフィードバックで物質界の人間を支配することは困難あるいは不可能であろう。

また同時に、コトダマ空間認識者はダイブによって端末、機材、ネットワークの高度な電算操作も可能だ。これは「海」でいうところの「強い潮流が、流れを作る道具や設計図自体にすら影響を与える」ことである。原理的には、精神がネットワークにダイブするとき、その過程で魂(パーソナル・エテル)を電子負荷変換し直接制御し、また物理エネルギー変換して肉体からの入力も強化(擬似カラテ)している。

外界へ発散しないだけで、ハッカーもまたニンジャや魔術師と同等のエテル利用していると言えるだろう。

◇神秘を知らぬもの・モータルの場合◇

モータルは神秘を知ることなく生きている。
エレメンタルの世界からエテルを汲みだすこともできないし、意図してコトダマ空間にアクセスもできない。

だが、ここまでで示してきたように「魂」は「エテル」であり、会話、文化交流やIRCネットワーク上交流によって集合的無意識を作り出し、コトダマ空間形成の一端を担っている。
また、長い鍛錬、ニンジャソウル憑依により肉体のカラテ伝導率、精神のエテル許容量を強化することでニンジャになることも可能である。特殊な薬、呪文によるエテル許容拡張、薬やテックによるパーソナル・エテルの物理、電子的変換は、さらに簡易的、突発的、偶発的に行われる可能性もある。

では、そうした「意図的エテル注入」「安全な変化」が行われないときどうなるか?こちらは「ニンジャリアリティショック」「LANなし意志無しコトダマ認識」という、いわゆる発狂現象から推測できる。

NRSはニンジャの存在を見たことで哀れなモータルが発狂することである。ニンジャの強大な存在感、ソウルは、カラテ伝導肉体を通じて精神的エネルギーを発散していると考えられる。これはモータルのエテル許容量を遥かに超え「器から溢れる」、すなわち発狂を起こす。

コトダマ空間認識において、精神力は重要なファクターである。それは物質界において「身体を鍛えていると強い」「頑張って踏ん張ると倒れない」と同じくらい明快なロジックである。こうした前提の世界を何もわからず認識するとどうなるか?物質界で塵埃が吹き飛ぶように、海流に水滴が呑まれるように、精神の器は割れ、パーソナル・エテルはコトダマ・エテルの中に消え去るだろう。

逆に言えば、そのように突発的な奔流めいたエテルに耐えきれた場合、モータルは通常よりも強力なニンジャ、魔術師、その他神秘存在として目覚めることもあるかもしれない。

微量であろうとエテルをもつ以上、どのような変化が起きるかは予測がつかない。無力だからこそどんなものにも成りうる
この論文を読んでいるあなた(ニンジャ、魔術師諸氏)もモータルだからといって侮るのはやめた方がいい。筆者もそうしている。

◇物質のエテル化◇

エテルがジツ、魔術によって物質界に引き出されるように、物質もまたエテルとなりエレメンタルの世界に行くことがある。バーバヤガの能力やウキハシ・ポータル、シャドーシップなどによる「物理に縛られない移動」である。

バーバヤガはその能力により、対象を肉体ごとコトダマ空間に導く。これは、肉体が本来コトダマ空間に存在し得るもの(=エテル)に置換されている、ということだ。

ウキハシ・ポータルは物理的に離れた地点間を一瞬でつなぐ。マスラダが使用した時、彼は過去をフラッシュバックさせられた。これは肉体がエテル化、理性が不安定化し、精神が暴走したために起こったと考えられる。

シャドーシップは「超自然コトダマ転移」により大量の構成員を運ぶことができる。これはエレメンタルの世界の中でもコトダマ空間(そのIPアドレス)によって座標を指定し、即座の移動が出来るのだろう。乗員たちはコトダマ空間を通るので、エテル化している。

◇エメツ◇

先述の物質のエテル変換について、バーバヤガ、シャドーシップはコトダマ空間やオヒガン関係案件のため、そのようなエテル操作が出来ても不思議はない。ではウキハシ・ポータルは?ここで鍵になるのが、部品であるエメツである。

エメツとは北の地・シトカのエッジカム火山に産する鉱石。「闇よりなお黒い」と形容され、非常に重要な資源である。

エメツ鉱石は高いカラテ伝導率を誇り、それはニンジャの肉体並だという。
さらに、エメツ自体も多量のエネルギーを含有し、先述のウキハシ・ポータルの部品として役に立つ所以であろう。さらに、これの粉末を原料に数える合法麻薬「ブラックベルト」を服用すると、二流ハッカーのタキもIRCワイヤレス接続=精神(パーソナル・エテル)の電子化という魔術めいたエテル変換が可能になる

こうした特徴から、エメツは「エテルを宿した鉱石」、あるいは「エテルそのものの結晶体」だと言えそうだ。

今はまだ一部ニンジャが武具に使ったり、一部カチグミがポータルを利用したりしている程度だが、効率的な採掘、加工、使用が進めば、モータルがニンジャ、魔術師を脅かす時代が来るかもしれない。
(もちろん、神秘側がモータル以上に使いこなしたり、暗黒組織支配力で流通を制限してしまえばいいのだが)


◇第二章まとめ◇

エレメンタルの世界=海
エテル=海水
ジツ、魔術=塩、氷、水蒸気(海水を加工したもの)
ニンジャ=海水を飲んで強くなる。塩を作る。
魔術師=ポンプなどで水を吸い、機械を使って海水を加工する。

コトダマ空間=水流
ハッカー=自分自身が海水になり、水流を操ったり、水質を変えたりする。海水を操るオールや水門の扱いにも長け、これらを活かしたり壊したりする。
モータル:何の能力もない。

エメツ=水を含む結晶。水が固まったものの可能性もある。海水の扱いに長けたニンジャと同等の吸水力。


付記 ザ・ヴァーティゴ=サンって何者?◇

第二章の最後にエメツについて考察した。ここで彼を思い出した読者の方もいたかもしれない。

ザ・ヴァーティゴはエメツ・ニンジャのソウルが憑依した「因果律無視ニンジャ」だ。彼曰く、「憑依の際に発狂し」「不安定な存在になり」「あらゆる世界を転々としている」。そして「第四の壁の存在」「キンカク・テンプルの謎を知っている」という。この付記では、そんな彼について考えを深めてみたい。

まず「発狂」は、エメツ・ニンジャのソウルの強大さを示す。
憑依してなお自我を失わないナラク・ニンジャですら、ニンジャスレイヤー(になる人間)を憑依の瞬間に発狂させることはない(はずだ)。エメツ・ニンジャとナラク・ニンジャの違い、憤怒という強大な自我を持っていたニンジャスレイヤー(になる人間)とザ・ヴァーティゴ(になる人間)の違いがある以上一緒くたに語ることはウカツといっても過言ではないが、このエピソードはエメツ・ニンジャの強大さを示すのに十分であろう。

「不安定で因果律を無視し」「世界を転々とする」。これは強すぎる力でザ・ヴァーティゴの肉体がエテル化しているということだ。次元や時空を容易に超える移動は、ウキハシ・ポータルとは比較にならない。
エメツ鉱石はアメ=ツチ(天地?)という別名があるが、これは世界すべて、どこにでもあるエレメンタルの世界を示唆する名前であろう。同様に、エメツ・ニンジャはエレメンタルの世界を経由して「どこへでも」行けるニンジャなのかもしれない。

最後に、「第四の壁」「キンカク・テンプル」について。これを考えるにあたって、エメツという言葉と類似するエメト(ヘブライ語:真実)という言葉を考えたい。
この言葉は、岩石人形ゴーレムの体に刻印されている。ゴーレムについて、作品や各人の考えによって多少認識の差があるだろうが、ある程度自律的に動く神秘的岩石人形ということで大筋の同意は得られるだろう。第一章の付記で「人間は肉とエテル」「ウキヨは人形とエテル」と言ったが、そういう意味では「ゴーレムは岩石とエテル」だと表現できる。エレメンタル・エテルか、術者の加工したエテルかはわからないが、エテル神秘が定着し活動しているということはゴーレムはエメツで製造されていた、あるいはゴーレムになることで岩石はエメツ化した可能性が高い。即ち、エメツ鉱石とエメト(真実)の関連性、同義性は偶然の類似ではないということだ。
遠回りになってしまったが、エメツ・ニンジャ(真実のニンジャ)の憑依者であるザ・ヴァーティゴが「第四の壁」や「キンカク・テンプル」の真実を知ることは必然である。


纏めよう。
ザ・ヴァーティゴは、「物質とエレメンタルの世界全て」と「真実」を象徴するニンジャに憑依されて、「世界に安定存在できず」「狂気に呑まれている」あまりに皮肉なニンジャである。


◇付記 エメツとオヒガン・ボム◇


(ザイバツ・シャドーギルド#6より)

エゾテリスムが先導するテロによって、エメツが生まれることが明らかになった。彼のサクリファイス・ジツ、またはオヒガン・ボムによって生成されたのだ。

仮にサクリファイス・ジツが、他者の生命力(エテル)を「黒い霧」として吸い出す様に「黒い石」にできるなら、エメツはやはり、「エテルの結晶」あるいは「エテルを周辺の石に宿したもの」である。

一方、オヒガン・ボムによって生成されたとき、「エテル結晶」「エテル含有石」であることは変わらないが、持つ意味が大きく変わる。



オヒガン・ボムの詳しい内容については、第三章で考察する。デジ・プラーグ3については第三章で取り扱う内容であり、それなくしてオヒガン・ボムは語れないからだ。

ここでは「オヒガン・ボムが現世と魔術次元をシェイクする」点について注目したい。

エゾテリスムの言う現世とは物質界であり、魔術次元はエレメンタルの世界であることは想像に難くない。これをシェイクする。
魔術によってエレメンタル・エテルを物質界に引き出すということは、一般魔術師も行っている。仮に「ジツ、魔術によるエテルエネルギー変換行為時に発生するロス(電力を動力に換えるときモーターが帯びる熱)」によってエメツが生じるのだとしたら、ここまでエメツが希少な資源ではないはずだ。
オヒガン・ボムの特異性、エメツ生成の仕組みは、シェイクにこそあると考える。

オヒガンとは、死してなお自我を失わない強力な魂(パーソナル・エテル)の集合であることは第一章で触れた。名前通りならばこれを爆弾とする能力である。海で言えば、特に塩分が濃いエリア、水温の高いエリアを狙って取水するようなものだろう。強い出力を出すならば理にかなっている。
だが、それだけではなく「シェイク」する。重なり合っても同一化はしなかった物質とエレメンタル、生と死を揺さぶり・混在させ・撹拌する行為。故の「沌」の字だろう。然るべき適正化を行わず、多量な特異エネルギーを放出し、物質界物質に合流させる。これは水で喩えれば津波、電気で喩えれば落雷である。大きな異変、惨事が起こることは想像に難くない。まさしく混沌。

エメツがこれによって生まれたのならば(これによってのみ生まれるのならば)、エメツは単なるエテル結晶ではなく、「自我を保っていた魂の結晶」ということになる。エメツ鉱脈は、現世と死者が繋がっている・繋がっていた危険な領域である。ヨミジとでも呼ぶべきだろうか。

あるいは、このオヒガン・ボムの依り代に使われた存在のソウルもまたエメツの一部になるのかもしれない。
そしてエメト(真実)という言葉との類似の意味も大きくなる。単なる異世界(エレメンタルの世界)の存在証明である以上に、霊魂、自我、その独立性の真実を示す証拠。オカルティックだが、真実である。エメツ鉱石がそう語り掛けているようだ。だが残念、此度の体に口はない。

◇付記 サツガイの力◇

エゾテリスムは「オヒガン・ボムはサツガイの力」であると言った。
これは「オヒガン・ボムをサツガイから授かった」のではなく、「サツガイの固有能力がオヒガン・ボムだ」と取れないだろうか?

サツガイはご存知の通り、他忍にジツを与えることができる。そのとき、「胸の深淵に手を入れさせる」。つまり「相手の肉体(手)にジツを植え付けている」と言える。

ジツは、ニンジャのソウルによって発生するエテル変換現象だ。今までに存在したニンジャのジツを与えていることから、彼は他忍に過去のニンジャのジツ、ソウルを与えていることがわかる。
(オヒガンやエレメンタルの世界は時間軸に縛られないとする向きもあるため、「過去の」という表現は不適切やもしれぬ)

ではそのソウルはどこから持ってきているのか?ソウルを植え付ける「胸の深淵」とはどこか?
過去に存在した(≒死んだ)ソウルがある場所。精神=パーソナル・エテルに多大な影響を及ぼす場所。つまりサツガイの胸の深淵はオヒガンに繋がっている。ソウルの選定と植え付けまで、おそらくは彼の能力のうちだろう。

サツガイはオヒガン接続し、生者に植え付ける行為をしている。物質界とエレメンタルの世界を任意で同一化させている。これは、まさにオヒガン・ボムと類似する。

以上のことから、サツガイはオヒガンに接続し、死者のソウルを支配できることが推察される。加えて、オヒガン・ボムなどの大量破壊エネルギーの行使、エメツの作成も可能である。

逆に、エゾテリスム側もソウルばらまき行為が可能かもしれない。

いずれにせよ、まだ考察材料自体が足りない。備えよう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



第三章に続く。




Twitterとかマシュマロ(https://marshmallow-qa.com/A01takanash1)とかで感想頂けるだけでも嬉しいです。 サポートいただけるともっと・とってもうれしいです。