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【見たよ読んだよ】映画刀剣乱舞(2019)をリバイバルで見たの巻

2020年春~夏はリバイバルの季節!というわけで刀剣乱舞を見てきました。

これまでのあらすじ

「4連休の開幕祝いに映画でもキメるかぁ!」
→「映画館チェック……リバイバル系がほとんど今日終わる!おのれ!!」
→「刀剣乱舞やってる!退勤後に見れる!刀剣乱舞はパルプスリンガーの中でも評価が高かったな……!!」
→見ました。

それじゃあ感想、参る!

アクションがすごい

一も二もなくまずはこれですね。そもそもが戦闘要素のある題材だから、まぁ殺陣が多い。当然クオリティも高い。とにかく楽しい、カッコいい

VS有象無象、VSネームドキャラ(ネームドだけど無銘だ)、VSボスとか、本能寺内、山道、城攻めとか、いろんなパターンで戦ってるから飽きがこないのだなぁ。展開の妙!

一方で、全員が刀を使うけど刀の特徴ごと/得物の特徴ごとにスタイルが違ってて、そっちの意味でも見てて飽きなかったな。三日月は余裕をもって流麗に、短刀組は身軽に、長谷部はいきなり徒手で相手を抑え込んだりもする……飽きるどころか、戦うたびに魅力が深まっていく!キャラ掘り下げの妙!

好きなバトルスタイルは山姥切の刀と鞘の二本流と、日本号兄貴の豪快な「受けの凄み」(ルチャリブレか?)です。

顔がいい

爺だが顔がいいぞ。って主張してくるカットが多い!!!!三日月!!!!

悩みながらでも顔がいい!!!!本能寺メンバー!!!!

なんで髪の色が緑なのに自然に馴染んでるの?鶯丸!!!!

多分確実に顔がいい!!!!爺さん審神者!!!!

いや~まったく顔がいい。そりゃ俺以外のお客が全員女性だったわけだ。キンプリでもこんなことなかったぞ。

なんかキャラがわかるぞ(描写力だね)

刀剣乱舞はTL受動摂取程度の知識(+刀使ノ巫女や火ノ丸相撲による刀剣知識)しかなかったんだけど、メインメンバーの性格とかは自然にわかったからよかったね。

宗近じいさんは達観してるし、へし切ィ~↑はめっちゃ真面目で石頭(2号ライダーだ…)、山姥切は冷徹でちょっと厭世っぽい?薬研は意外と荒々しい部分もあり、不動は昼間からカップ酒呷ってる不良少年(甘酒だからってあんなに飲むな)。鶯丸は宗近とは違う軸で泰然自若で、骨喰藤四郎はリオ・フォーティア。日本号兄貴はカッコいい。「しかし長谷部の言うことも一理あるぜ?」から「目の錯覚!錯覚ゥ!」まで全部出来るの好き。

基本的に俺みたいな原作未プレイ者はあんまりターゲットじゃないんだろうけど、それでも自然に入れるから凄いよなぁ。

少ない掛け合いや所作から最速でキャラクターを浮き彫りにするの、脚本の技であり演技の技だよなぁ。

他作品との脳内連結によるノイズについて

これは俺自身の責任なんですが、前述のとおり、別作品での刀剣そのものに関する連結対象があったりして大変だったかな……。刀剣にせよ戦国武将にせよ、何かしらの元ネタがある場合は親戚筋にあたる別作品のやつがミーム転移してくる可能性があり、大変だ。

”こっち”の三日月宗近、すごい真面目だな……”あっち”の三日月宗近は女神に振るわれたり、上手出し投げしたりしてるのにな……日本号兄貴はでっけぇな……”あっち”の大和号関は苦労しっぱなしだったけどなとかしみじみ思ったり、「おぉ……ナムサン!本能寺で打たれた織田信長はカゲムシャ・ジツによるものであった!本体はアヅチに構えている!」とか「この500年後の安土城の上ではアリステラとスーパーフェニックスが戦うんだな……」とか考えたりしてしまった。

織田信長も、本能寺と安土城で二回切腹したわけだけど、そのたびに『忍者と極道』の陽日が「切腹(ハラキリ)!?なんて灼熱(あつ)い漢……!」って頭の中で叫び出してノイズがすごかった。必死に他の作品から流入してくる織田信長を抑えてたのに、まさか切腹に反応するなんてな……。

意識の導線が見事

薬研と不動と骨喰と三日月による「記憶」の話が面白かったな。

開幕でまず本能寺の変。「不動国広は刀としての記憶がある…御館様を逃がすのでは?」って思わせるところから始まって、「でも遡行軍撃破に務めたね!」で穏当にしてた。成長だなぁ。
けど、不動にとっては「自分の記憶通り蘭丸が奥の間へ向かった」んだから、直接的に蘭丸と共に生き延びることは出来なくても、その蘭丸の”正しい”生き様を守れたなら笑うよなぁ。

……というやりとりを経て、次は「記憶がない刀剣男士」の話。

いかにも何らかのカギを握っています、って感じの骨喰藤四郎が登場し、歴史を守る意義を問い、長谷部がキレ、三日月が下手な誤魔化しをし……の流れの中で、「無銘」も登場するわ信長公も復活するわで大騒ぎ。

その後、山崎の戦~安土城までのやり取りの中では「歴史通りにしないといけないのに三日月が何かやってるし、長谷部号がサルの配下になっちゃったし!も~どうなっちゃうの!?」をやって……安土城でついに明かされる信長真実!

これの上手いところが、「完全記憶喪失の骨喰」を出すことによって「断片記憶喪失の薬研」は印象から薄まってしまうところ。言い換えれば「記憶の有無によるどんでん返しは骨喰が担当するだろう」って思考を誘導されたんだよね。まさか薬研の記憶要素を回収しつつ、全体的な青写真は三日月の秀吉の刀としての記憶を使っているとは……なんたることだ……お話がうますぎる……靖子にゃんだしなぁ…!!

てっきり「無銘」と骨喰で記憶復活、『真の骨喰藤四郎』になると思ったもん。光と闇の骨喰藤四郎が今こそひとつに……!!とかやると思ったのに見事にミスディレクションだったわけだ。俺とお前でハイパームテキ……俺とお前でジーニアス……俺とお前でマッスルギャラクシー……俺とお前でジオウⅡ……そういうの好きだよ。

「記憶」に纏わる要素の濃淡、大小があって、その中で一番大きな骨喰藤四郎にどうしても目が向いちゃうけど、それはミスリード。記憶喪失が断片程度の薬研が一番大事な部分をピンポイントに忘れてて(忘れてたことが重大だとすら思われてなかった!)、記憶が十全な三日月が全部知ってて暗躍しちゃう。

複数人に同じ特徴があるからって、それが一番濃いやつが一番重要というわけではない。大事なのは魅せ方やカードの切り方。ということだな。学園、神話、魔法、スポーツやアイドル、その他どんなことにでも同じことが言えそうだ。トップだけが正義じゃない!し、特徴は唯一無二じゃないといけないわけじゃない!のだ。

歴史について

お話のギミックとして「織田信長の歴史は実はそもそも間違っていたのだ」っていうのはジオウOQでもやったんだけど(2019年、歴史改変織田信長イヤー!!)、

ジオウが「歴史は後世がどう伝えるかだから、正しい歴史なんて現地民(現時民)を縛る理由にはならなくない?(Enjoyしなきゃ勿体ないだって人生は一回)」に対して

刀剣乱舞は「歴史は書物に記される正しさではなく人の営みが決めるもの。人の営みは、無論信長公のそれも、儚いもの。正しいかどうかは人に寄りけりであり、そこで足掻けば足掻くだけ踏み荒らされて散る。なれば、守るべきは未来ではないかね?未来もまた等しく重い歴史なのだから……」って感じかなぁ。一回死んだ人間に言うことかコレ?と思わんでもないけど、遠回しに「見苦しいぞ」って言われたら信長も折れる、のか?

えーと、つまり「瞬間瞬間を必死に生きて人生楽しもうな!!!!明日をイメージ!!!!行方自由自在!!!!」と「今この瞬間が美しい桜の花びら……ともに愛でて護っていこう……」ってことで、同じテーマの「過去のことより今と未来が大事!」にしても描き方が全然違うなって感じでした。

タイムトラベルについて

先日『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見た上で刀剣乱舞を見ると、ちょっと気になったことがあって。

本編中では本能寺の介入阻止に失敗したのが厄介ごとの発端になってたわけだけど、これに対して「もう一回本能寺の変に跳ぼう」とはならなかったんだろうか。(結果論ではあの時信長逃がしが成立してるのが正しい歴史なんだけど)

「今から数えてジャスト5年前にしか飛べない」とかの制約系時間遡行って感じでもないし、ひとつの時点への遡行は一回までのしばりがあるようにも思えないし……。あの狭い戦場にもう一度跳んで過去の自分たちと会うことがリスキーだとするなら、自分たちが消えた時点から数分後に跳びこみ直せばいいし。

その辺、BTTFは自分同士が出逢うリスクを負ってでも同じ時間に何度も跳んだんだから、本丸も遡行軍もお互いそういう複数回介入すればいいんじゃないかなぁって思っちゃったな……。その辺のいたちごっこをしない、千日手にならない説明してくれるとありがたかった。

武将描写について

信長、流石の大物ぶり。覇道のためならなんでもする。異形の怪物も三日月も利用しちゃう。けど、いざ悟ったら蘭丸を褒めて腹を切ったり骨喰を逃がして腹を切ったりする潔さもあるので憧れるんだよなぁ。

あと、ジオウOQとか信長のシェフとかとかぶせて考えると、信長が未来人耐性ありすぎるな。南蛮人を取り立てた破天荒な大物ってことで後世の我々からの信頼が篤い。「鳴かぬなら/殺してしまえ/ホトトギス」どころか「鳴かぬなら/それはそれでよかろうな。かっかっか、愉快愉快!褒美を取らそう!/ホトトギス」くらいの認識になってる信長、懐の深さが規格外ですごかったなぁ。

なんかタイムスリップするたびに信長が有利になってるから、たまには桶狭間今川とか長篠武田に未来人合流しちゃえばいいのにと思った。それか明智が「お前が本能寺の変を起こすんだよ!」って入れ知恵されるとか……これはありそうだな。
まぁ日本史とか周辺事情全然知らないので僕は書きませんけれど。

秀吉の「号泣号泣号泣!!!!……天下見えたわ!!……殿生きてる!?死んでるわ…安土城大事だし…お主らも来い!!……はは、お館様が死んでるわけないんだよな。赤尻知ってるのは信長様だけだ。お主らも殿も獲る!燃やせ燃やせ!!」の珍道中、見かけ上の感情はブレブレなのに芯の「秀吉」がしっくりくるおかげで違和感ないから凄い。演技力…!!

あとこれは秀吉に限る話じゃないんだけど「お前たちとの旅は楽しかったが、用済みじゃ!」好き。エボルトの「感動もしたし騙して悪いなぁとも思ったぜ?」も好き。クソデカ野望と小さな感傷がどっちも並んでる大物加減、でもそんな小さな気持ちなんて切り捨てられるヤバさ、そういうのに惹かれるんだろうな。よし、また一つ自分を知ったぞ。

光秀はもうちょっと腰に力入れて倶利伽羅江を振るえたらよかったね。無銘と光秀の互いを知らない共闘とか見たかったな。次頑張ろうね。次はない。死んだのだ。

いずれにせよ、刀に負けない濃さがあっていいことだ。

日本号兄貴!!!!

かっこいい…それ以上いる?いらん…。

全体のまとめ役だったり、へし切ィ~↑の堅物サポートしながら三日月に釘を刺したり、不動国広くんの酒に付き合ったり(名前入り瓢箪!!!!)、もうみんなの兄貴だよね。三日月が本気で近侍を降りる場合、多分長谷部を推薦したんだろうけど、それは兄貴が支えてくれるからってのを見越してたんだろうな……まぁ爺さん生還したけど。

基本的にはがさつだけど「信長様」「秀吉様」とか様付けで呼ぶのがまた男前ポイント加点なんですよね。他の連中が呼び捨てしがちなのにね。ほかに信長を呼び捨てしないのは……三日月の爺さん!

ジャージとかゴーグルとかめっちゃ気のいい兄ちゃんっぽさあっていい。槍を釣り竿に持ち替えてバイク乗って遠出しようぜ……ってアレ、どっかのケルトの英雄みたいなことになってしまった。

とにかく日本号兄貴、推せる。カズミン兄貴(っつーかカシラ)も夢澤の組長(アニキ)も推せるし、そういうやつが好きなんだな……。

NO MORE 映画泥棒

なんだこれ!?……ってビックリしてたら三日月が出てきた。三日月が出てきたから何事かわかった。鶯丸初見だとなんかのビジュアル系バンドのひとかと思って……。

こんなスペシャルコンテンツも作ってもらえるなんてすごいなぁ。劇場内で参らないでください爺さん。

まとめ

刀剣乱舞自体全然知らなかったけど普通に楽しめたのでアリアリのアリ!

コロナ関係は暗いニュースが多かったけれど、その影響の影響って感じでひとつは楽しいことができてよかったなぁ。出会いだった。

元々は刀剣乱舞おススメnoteを見てたのが発端なので、そういう「見れなかったけど見たいと思っていたもの」のリスト、心のメモの前の方のページも大事にして、機会を大事に楽しめるようにしていきたいですね。

じゃあこんな感じで。

善き哉、善き哉。


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