嫌われる勇気を再読して
(1)「嫌われる勇気」と目的論
アドラー心理学を哲学者と青年の対話形式で描いた名著。アドラーの特徴的な点は、原因論を否定し、目的論を提唱している点だ。
本書では、青年の友人が部屋で引きこもっていることを例に、目的論を説明している。原因論では、友人の過去のトラウマから引きこもっていると考える。一方、目的論では、彼は「引きこもりたい」という目的のために引きこもっていると捉える。
(2)初めて読んだ時の衝撃
引きこもりは「引きこもりたい」から引きこもっている。過去のトラウマ云々は、ただの言い訳に過ぎないと私は読み取った。私があれやこれやで悩んで動けないのは、ただの言い訳だと言われたようで、頭にガツンときた。
(3)再読して思うこと
しかし、今、読み返して(聞き返して)思うことは、ちょっと違う。
引きこもりは「引きこもりたい」から引きこもっている。そう、彼は”引きこもりたい”のだ。引きこもりたいタイミングなのだ。目的論は彼を責めているのではなく、ただただ、”引きこもりたい”という思いを受け止めよと言っているように感じる。
私があれこれ悩んでいるのも、悩みたいのだ。悩むことに後ろめたさなど感じる必要はない。ただただ、悩みたいのだから、その気持ちに従って、とことん悩めば良い。
▼嫌われる勇気の朗読ver.(一部のみ)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?