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#22 さるうさぎの生きる道

引っ越しをして一夜
何もしないうちに一日一日が過ぎていく。沙留卯(さるうさ)にはそう感じた。このまま死を迎えるのか、これはこれで幸せなのか。沙留卯は少し混乱していた。そしてまた、一夜が過ぎていった。

***

それは、真っ昼間のこと。
「沙留卯も明日から学校よ。といっても、最初の1、2ヶ月は補助スクールですって。それで2年生を完璧にして、試験を受けるのよ。」
と、喜んでお母さんが言った。
「うん、とても楽しみだな。」
本当はこんなことどうでも良かったけれど、お母さんを心配させたくなかったからこう言った。

沙留卯は自分の部屋に行った。沙留卯は考えた。これから何をすれば良いのだろう。お父さんを探すといっても、手がかりは何一つ無いし…。そんなことを考えていると、だんだん沙留卯は頭が痛くなってきた。なので、美奈絵と話したという楽しいことを思い出した。それが、思わぬ展開になるとは、夢にも思わずに。

「そうだ、美奈絵と連絡をとって、美奈絵に会おう。」

そして、お母さんには秘密で家を出ていった。でも、ここから前の学校までは最低でも45分かかる。そこに、山町行きのバスが目に止まった。みてみると、学校の近くを通っている。沙留卯はポケットを探った。すると、もらったばかりのお小遣い100Aが入っていた。そして、バスに乗った。約5分経つと、学校に一番近い駅に着いた。沙留卯は25Aが払ってバスを降りた。そして、急いで学校へ向かうと、1分で着いた。

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