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HomeキーやPageUpキーなどがないWindowsパソコンに、その機能を付加する方法(オマケもあるよ!)

 新しい Windowsノートパソコンを買った。現物を全く見ずに、ネットで買ったのだが、一番困ったのは、Homeキー、Endキー、PageUpキー、PageDownキー(以下「Homeキーなど」。)がなかったことだ。

「いや、ノートなんだから、[Fn]キーとの組み合わせでしょ?」
 という声が聞こえてきそうだが、なんと[Fn]キーとの組み合わせも用意されていないのである! これには本当に驚いた。[Fn]キー自体は……ある。なのに、なぜか矢印キーに[Home]などの刻印がないのだ! 当然に、[Fn]と同時に押下しても反応はしない。

 これ、[Fn]キー自体はあるんだから、単に、その機能を追加すればよかっただけの話なのである。なんていうか、もったいない。まるで、トイレの設置工事は完了したけど、水は流せませんよ? 何か? というような感じとでも言えようか……。たとえは上手ではないが、とにかく、なんともまあ、ここまで用意されているんだから、最後までちゃんとやろうよ、という気分なのである。

 このような、ちょっと不便なものについては、
「そのうち慣れてくるよ。」
 と言う人もいる。しかし、数日このノートを使ってみたが、私の場合、もどかしさが募っていくばかりで、体が慣れることはなかった。

 具体的には、まず、ウェブ閲覧でのスクロールが面倒だ。特にニュース記事などでは、まず、ざっとスクロールして見て、もう一度きちんと読みたいものであれば、最初から読み返すこともある。その、ざっと見る際に[PageDown]キー、最初に戻るときに[Home]キーを使う。それだけではない。例えば、エクセルで隣のシートに切り替える場合は、[Ctrl]+[PageDown]は頻繁に使う。

 この辺の課題について、今回、フリーソフトを利用することで、完全とまでは言わないが、ほぼほぼ違和感のない形で解決することができたので、誰かの役に立つことを期待し、ここにその記録を残しておくものである。

 さて、前置きが非常に長くなったが、この記事は、主に次の方を対象としている。

 ・Windowsパソコンを利用している。
 ・ノートパソコンなどのため、キーが少ないキーボードを利用している。
 ・Homeキーなどがないけど使いたい!

 

 まず、Homeキーなどの機能を付加するには、キーボードをエミュレーションするソフトを利用すればいけそうだと思った。[Fn]キー関連に機能を付加してあげればよい。

 ただ、Windows からは、[Fn]キーが押されている状況は把握できなかったと記憶している(Windows プログラミングを少しだけかじったことがある。)。具体的には、実際に[Fn]+[←]と押したときに初めて、Windows では、単に[Home]キーが押されたとしか判別できないのである(当然に、その機能が割り当てられている機種の場合に限る。)。例えば、パソコンがスリープ中に、[Fn]キーを押しても、そのスリープから復帰できないのは、このことが理由だろう。

 Windows よりももっと深いところでは、把握できるのではと思い、BIOS の設定を見直すが、関係がありそうなものは見つけられなかった。今後、BIOS のアップデートなどで対応できるかもしれないが……というか、期待したい。

 ということで、今の環境でどこまで対応可能なのか、順に「ホームポジションキーパー」、「DvorakJ」、「AutoHotkey」というソフトを試してみたのだが、私の場合、「AutoHotkey」が、一番しっくりきた。結果的には、[Fn]キーではなく、[無変換]キーを押しながらとはなったが、近くて他に影響のなさそうなキーはこれしかない。まあ、[Fn]キーが少し右側に動いたと思えばいい程度でもある。

 このソフトを利用し、エクセルで、シートを瞬時に切り替えられたときには、本当に感動した。まるで、ドルアーガの塔(レトロゲーム)の FLOOR26 でハイパーガントレットを取り、剣の出し入れが早くなったときの快適さに近い(たとえがマニアックすぎたか……。)。

 ただ、「AutoHotkey」は、やや敷居が高い。これらの設定をするためには、メモ帳などでスクリプトを書く必要があり、クリックひとつで済むような話ではない。具体的には、次のような内容のテキストファイルを作成し、それを実行することで実現できる。

vk1D & Left::Send, {Blind}{Home}
vk1D & Right::Send, {Blind}{End}
vk1D & Up::Send, {Blind}{PgUp}
vk1D & Down::Send, {Blind}{PgDn}

 なお、このスクリプトにより、[無変換]キーの本来の機能が、完全になくなってしまうことに注意されたい(機能をなくさない設定方法もないことはない。)。

 参考までに、関連情報として(オマケ)、Windows7 時代は、[変換]キーを押すことで入力済みの文字を再変換できていた記憶があるが、Windows10 になって、[Win]+[/]キーに変わってしまったようである。これは、どうも、Microsoft IME の仕様のようだが、これと同じキー操作を利用している日本語変換ソフトも同様なのであろう。ということで、旧バージョン同様、[変換]キーで再変換するためには、次を書き加えることで対応できる。

vk1C::#/

 この「AutoHotkey」は、かなり多機能であり、キーのエミュレーションだけでなく、今風に言えば RPA というか、キーボードの入力で、様々な一連の作業を組み込めそうだったが、これはまた、時間があるときに検証したい。

 

 最後に、今回触れた、他のソフトについても簡単に紹介しておきたい。

 「DvorakJ」は、「AutoHotkey」とは異なり、画面からマウスで設定ができるユーザーフレンドリーなソフトだった。このソフトでは、ホットキーによる実行の停止と再開を利用することで、ちょうど、[ScrollLock]の有効無効のような感じで、一時的に矢印キーをHomeキーなどに置き換えて使用することができた(ていうか、このノートパソコンには、[ScrollLock]もないな……。)。

 また、「ホームポジションキーパー」は、日本語入力状態のときに、その対象となるアプリ(メモ帳など)の色が変わるのが新鮮だった。最近のデスクトップ画面は広いし、現在の入力状態がどうなっているかについて、いちいち、画面の右下を見る必要がない。このソフトは、ホームポジションのままで、いろんなキーを入力できるようにするソフトで、例えば、[Home]キーでなら、[Space]+[A]+[H]が割り当てられていた。

 

 ということで、相変わらず、やや冗長的な文章となってしまったが、今回、ほぼほぼやりたいことができて大満足だ。この記事が、どなたかの何かにお役に立てれば幸いである。

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