ディスクレビュー#2【原因は自分にある。「多世界解釈」】

ディスクレビュー第2弾!

今回は1月12日に発売された原因は自分にある。の「多世界解釈」というアルバム。二週間以上経ってます。筆が遅い。
タイトルが多世界解釈というだけあって各々が自由に解釈できるアルバムなのかなぁと。

では1曲ごとの感想に移ります!


M1 柘榴

メンバーがインタビューやらなんやらでアルバムを紹介する時に「げんじぶらしい曲」ってこの曲を挙げていた、という事前情報がある状態で聴いた柘榴。
げんじぶらしい曲って言ったらやっぱり「原因は自分にある。」でしょう!と思っていたけど聴いて納得。

原因は自分にある。は僕たちの名刺代わりの曲って確かりょうちんが言ってたのを覚えているんですけど、それとは違って今現在2021年のげんじぶはこれだ!っていうのを見せてもらっている感じ。
原因は自分にある。という曲で私たちが受けた初手の衝撃はそのままに、嗜好に関する世論調査とか嘘から始まる自称系、シェイクスピアに学ぶ恋愛定理、幽かな夜の夢などなど1年半でいろんな楽曲を通ってきた経験が凝縮されている気がしました。

しかもまたお得意の考察しがいのある歌詞!ここで書いたらキリないので割愛しますが後々考察まとめnote出すかも(かも)。
歌割りもスノウダンスとか聴いてて最近バリエーション増やしてるじゃん?と思っていたのに原点の歌割りですね。最近の歌割りでは潤くん控えめだったので今回バキバキに出てきてげんじぶ感が強まってる~ってなりました。スピ恋の歌割りに近いかも。りょうちんメインで。でも杢代さんが「今 一度 お見せします」のところ歌ってるあたり原点回帰だ~と思う、決めのフレーズで出てくるもくちゃん。

この曲好きだ!って思ったら間違いなくげんじぶのどの曲も好きです。
MVもあるのでこれから布教は柘榴で決まりですかね笑


M2 嗜好に関する世論調査

来ました2ndシングルしこよろ。
久下真音さん節とでも言いましょうか、大爆発ですね~

1stシングルげんじぶはイントロからピアノが目立ってたと思うんですが、しこよろはギターが特徴的。割と1stと2ndは似ている曲調ではあるけれどもピアノとギターの使い分けで違いを出したのかな~なんて勝手な解釈。曲調を似せてげんじぶのイメージを固めたかったのかなって。

この曲で好きなのは「沈黙が最大の防御だ」っていう歌詞です。間違いない!と思いました笑 それ以上でもそれ以下でもない感想です笑
歌詞に関してはすごくたくさん二択を迫られるのですが、MVも徹底した二択仕様。背景が白と黒だったり衣装も2パターンに変えられたりこだわりが細部まで見られます。

歌割り的にはこの曲からかなめっちのオク下ハモリがメジャーになったのかな?今でこそAメロBメロからガンガンオク下のハモリ入ってくるけど、しこよろではまだサビだけだしちょっと音量も小さめなので試験的な部分もあったのかな~列記かなんかでここオクターブ下で歌ってみてって言われてるシーンあってそれオクターブ下のやつが結局使われてるんだよね(2Aメロ「偽善者」のところ)。このオク下のハモリがげんじぶっぽさっていうのをまた増大させている気がする。大事。


M3 嘘から始まる自称系

うそはじはげんじぶ考察班が生まれるきっかけじゃないですか??(うそはじ出た後からのファンなのでよくわかりませんが)

事前の匂わせ告知だったり、MVのYouTube概要欄のモールス信号だったり、いろいろとギミックが多かったこの楽曲。
モールス信号に気づいた人は天才だと思うよ…

そしてなんといってもげんじぶアニメーションMVの先駆け。
ちょうどコロナ禍で本人たちの映像が撮れなかったのか元々こういう想定だったのかわからないけど(きっと後者、後者であれ)、初めてげんじぶのYouTube見た時最新曲がこれだったから最初にアニメーションのMVが上に出てきてめっちゃびっくりしたもん。アイドルなんて顔出して顔売ってなんぼなのに楽曲と世界観で勝負するってすごい攻めるじゃんこの運営って思った笑

歌割りは今改めて聴くと1st、2ndのとはちょっとやっぱ変化球出してきてるのかなと思ったり思わなかったり。
りょうちん!うるお!って感じで二人の歌割りウエイト重めだったのが空人くんにも分配されるように。落ちサビ最初空人くんだもんね。
あとはかなめっちが下ハモ専門になってる?(聞き分けにあんまり自信ない)その分めっちゃオク下ハモリのパート増えてる。これがメジャースタイルになっていくんですね~


M4 In the Nude

これは初見の衝撃が忘れられない…配信ライブが初解禁で映像付きだったのがなおさらいけない…

歌割りは勝負に出たというか、そう来たか~~!って思わされた笑
最初もくちゃんの「僕を君だけのものに さあお気に召すまで」で始まるのおかしい!(おかしいとは)しかももくちゃんの声質に合った変化球メロディーラインなんですよね…ほんとよくわかってるわ…
これもうそはじ同様空人くんのパートが普段より多め、さらにりょうちんのパート少なめ(私調べ)な気が。
インタビューで空人くんはこの曲をよく挙げていて、難しかったらしくレコーディングの時間が押してしまったんだとか。苦手意識あるっぽかったみたいだけどこういうリズムをテンポにカチッとはまると気持ちいい系の曲は歌う時のリズム感が良い(こちらも私調べ)空人くんと潤くんが担ってくれるとカッコイイ曲になるんじゃないかと思いますけどね!

いんざぬ(略称いんざぬ?いんぬ?みんなどっち派?)に関してはパフォーマンスがどうなるのか…
ワンカメショーかメンバー演出定点しか見たことないので普通にライブで見た場合のダンスがどうなってるか気になる~~~!はよ!ライブ!現場!


M5 スノウダンス

紅白歌合戦にも出場したアーティストYOASOBIのコンポーザーAyaseさん楽曲提供のスノウダンス。
言わずもがな名曲です。

いんざぬがかなり音数が多い曲(というかげんじぶは基本音数多い)だったので対比ですごくシンプルに聴こえる。実際少ないと思うし。
その分メンバーの歌声がダイレクトに聴こえるわけですが、もうそういう楽曲でも勝負できるような実力がついているんだなぁと親のような気持ちになります(は)。

そしてこのスノウダンスの注目ポイントはこれより前の曲たち(主にスピ恋とかすゆめ)でめちゃくちゃ出てきたかなめっちのオク下ハモリがサビでしか出てこないところ。
これを書くにあたってYOASOBI数曲聴いたんですけど、たぶんAyaseさんの作る曲はあんまり低音に重きが置かれてなくて(ikuraちゃんの声が軽めなのもあるかも)、強いて言えば打ち込みのバスドラムの印象かな~くらいで。わかりやすい楽器のベースラインじゃなくて電子音だからなのかな。いやでもシンセの音がメインだな(結果よくわからない)。
だから例えば1Aメロでオブリガートというか裏メロが鳴ってて、2Bメロでリズムの変化が起こって(今回は4つ打ち。夜に駆けるとか怪物は1Bメロで特徴的なリズム隊になる気がする)、サビで一気に開けた音楽になるあたりはYOASOBI感凄まじいんだけど、サビでかなめちが出てくることで突然音に厚みが出て(YOASOBIが薄いってわけじゃないんだけど)、げんじぶらしさが出てくる。上手くできてんな~。

なんかいろいろ書きましたけど結論よくわかってません。有識者求む。

(忙しかったのでここから仮想げんじぶ空間観た後の感想になります。書き進めるの遅くてすみません。)


M6 夢に唄えば

ミュージカル大好き吉澤要人さんイチオシの夢に唄えば。
そして「嗚呼 Clap Pa Pa Pa 探そう」という特徴的な歌詞からたかかずラジオではパッパと呼ばれていましたね。

どこかのオタクの考察かなんかで見たのはミュージカル「雨に唄えば」から名前が来てるよね~っていう説。
タイトルからそうだし、曲調も意識してないとは言い切れない。
すっごい深掘りすれば他にも共通点ありそうだよね、コード進行とかさ。これまた有識者求む。

仮想げんじぶ空間では歌ってくれなかったな…絶対ミュージカル調な振りで素敵だったろうに……
リリイベでだけ歌うとかだったら許さないぞ…(これを書いている次の日にリリイベの予定。なお当方外れております。ぴえん。)

この曲で特記すべきなのは雅哉始まりの歌割り!!!!
しかも歌詞の最初の単語が「笑って」!!!!!
これは映像で見る時を想像したらまっさがニコニコしながら歌っている図しか頭に浮かばん。間違いない。
あとCメロの光咲ね。フィーバータイムです。
リズムがイレギュラーでおしゃれ。滑舌がアレな光咲が歌うとなるとちょっとハラハラする()でも光咲くんしかできないパートだなぁと思います。


M7 シェイクスピアに学ぶ恋愛定理

はい、スピ恋。大好き。

歌詞もメロディーも振りも好きなんですよ。アニメーションMVも本人映像MVもDance Videoもフォンテーヌ版も好き。病気?
MVやらライブ映像やら見返して好きなところ挙げようと思ったんですが多すぎてまとまらないので割愛します。いやそこ重要なとこだよってな。

スピ恋はドラマ「年の差婚」の主題歌にもなりましたね。
自分のツイート見返してたら8月18日時点で「こんなにいい曲なのに何もタイアップないの?」って言ってました。タイアップあったよ…!
言語化するのが難しいんですけど主題歌感ある曲なんですよね。メジャー感があるというか。
とっかかりやすい曲調でありながらげんじぶらしさが存分に出てるので、私はげんじぶを布教する時に大抵スピ恋のアニメーションMVを見せます。アニメーションMVならアイドルに抵抗ある人でも偏見なく見てくれるのでね…。
世の中みんな騙されたと思ってスピ恋を聴いてみてほしいまである。


M8 幽かな夜の夢

スピ恋からのかすゆめというトラックの順番は誰もが前々から予想できてたよね。

新曲配信になるって時、前情報的にスピ恋の続編で恋が叶わないちょっと切ない曲、みたいなイメージだったし、そろそろアップテンポじゃない曲来てもいいんじゃないかなって思ってたのでバラードか~楽しみ!くらいな心持ちで聴いたらあらびっくり。
最初は割とノリノリで聴いてたんですけど、歌詞見たら切ねぇ……泣いてしまうよ…ってなりました。

いやだってサビ最後の歌詞が「徹頭徹尾 君だった」ですよ…そして歌割りが光咲に始まり光咲で終わるんです…切ないオブザイヤーです。
Bメロの歌詞も切ない…「君の残り香と体温」「君の横顔は幻想」ですって…
1番では残り香と体温があったのに2番では横顔が幻想になっちゃうんですよ……無理………

あとスピ恋で「悲しみが連れてきた~」のところの歌詞を縦読みすると「悲劇と喜劇」になるんです。
でもかすゆめでは「喜んでる顔 撮っとかないと~」のところを縦読みすると「喜劇と悲劇」になります。
スピ恋では喜劇で終わってたのがかすゆめでは悲劇で終わるんです…歌詞のギミック見つけてこんな切ない気持ちになったことないよ…

スピ恋は先ほど挙げた通りいろいろな映像がありますが、かすゆめはリリックビデオのみ。なんだか悲しさが増すなぁ…
げんじぶ空間でも披露されなかったし、期待値が上がるばかりです。


M9 原因は自分にある。

彼らの改名後デビュー曲。この曲がなければ原因は自分にある。はありませんからね。

原点にして頂点みたいなところはある。
M1 柘榴がげんじぶらしい曲って言うけどその「げんじぶらしい」を作り上げたのは他でもなくこの曲なわけで。
でもこの多世界解釈というアルバムのM9に入ってくることである種ひと区切りを感じられるというか。season1終わった的な。(個人的解釈はネバーエンドロールはアンコール扱い)
きっと重要なポイントでこの曲は出てくるんだろうな、ほらだってデビュー曲って大事じゃん。こんなにデビュー曲でインパクト残せてるグループもないと思うよ。

スタチャンで定点観測があるくらいだからきっとこれはずっと彼らとともにある楽曲なんだろうなぁ。
げんじぶを見守ってくれている楽曲なのかなって思います。


M10 ネバーエンドロール

先程ネバーエンドロールはアンコール扱いって書いたんですけど、なんだろう、これだけ逸脱してる気がするんですよね。もちろん悪い意味ではなく。

ネバーエンドロールで締まる、このアルバムの終わり、っていう解釈が基本だと思うんです。
でも私的にはげんじぶでひと区切りついてるというか、ライブ本編が終わった印象があって。

ネバーエンドロールが新たな始まりというか、それこそseason2というか笑

それもそのはずこの楽曲提供は安定の久下真音さんではなく100回嘔吐さんなんですよね。あの時速3kmを提供してくださった方です。
時速3kmもだけどネバーエンドロールはげんじぶの固定概念を覆してきた気がします。うわ~言語化むずい。
ちなみに100回嘔吐さんはM1 柘榴にも編曲として参加していて、やっぱり次のフェーズのげんじぶを担ってくれるのかなという期待が。

Aメロとか意味ありげな歌詞が溢れてるのにサビ最後はストレートに「すきだよ」って…これは大罪です。
ここで個人的歌詞解釈に入ります。
恋愛関係にあった男女が別れてしまう、という単純な歌詞ではなく、それを映画に例えています。「すべて映画のようだった」とありますが、それくらい素敵な恋愛だったのでしょう。そして映画の結末(男女の関係性)がバッドエンドになってしまった。映画なので男性のほうは止めたり巻き戻そうとする(「Stop Movie」や「巻き戻してももう遅い」)わけですが、何度巻き戻そうと最後のエンドロールは女性からの同じ言葉で終わってしまいます(「「じゃあまたね」と 同じ言葉いつも通りエンドロール」)。しかも何度も巻き戻しているのでそのシーンのことをもうわかりきっているんです(「さみしそうな顔しながら言うのも わかってる」)。これは実際に映画ではないので、男性にとっては何度も巻き戻したかのようにその時の状況が印象的であり忘れられないのかなぁと。

永遠に解釈ができそうな歌詞なので一旦この辺でおしまい。
書き方が複雑なだけでアルバムの中で一番ストレートな気持ちを表した楽曲だと思いました。そういった意味でもこの曲は逸脱しているというか一線を画してるというか、そんな気がします。


全曲終わりましたァ!!!!!!!

5800字書いてる、草。
最後までお読みいただきありがとうございました。

今回アルバム名が「多世界解釈」ということでいつも以上に自分なりの解釈を織り交ぜて書いてみました。
”多世界”解釈なのでね、他の方の解釈も拝見したいものです。

ここ最近界隈が何かと物騒ですが(笑)、きっと本人たちのライブやパフォーマンスを見ればそんなの吹き飛ぶよねという気持ちです。
仮想げんじぶ空間で思ったけど、彼らはこの自粛期間でかなり成長してますからね。この成長を生で見られないのが本当に悔しい。
早く今まで通りにライブができる世の中になるといいね。そして彼らに思いっきりパフォーマンスしてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?