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【ダウン症ベビーとの別れ②】出生前診断「胎児超音波検査」

年齢とともに卵子の染色体異常が増える事を知っていたので、妊娠前から出生前診断は受けようと決めていた。

この検査は「命の選別」と言われて賛否両論あること、この検査でわかる胎児の病気はごく一部であることも理解していた。

母親として我が子の事を知りたいという気持ちが大きかった。
32歳の自分が、まさか陽性になるとは思っていなかったので、「やってみたい」という軽いノリだったのかもしれない。


出生前診断には、【母体血清マーカー検査】【NIPT】【胎児超音波検査】がある。

【母体血清マーカー検査】と【NIPT】は血液検査で、対象疾患が下記に限定されている。

・21トリソミー(ダウン症候群)
・18トリソミー(エドワーズ症候群)
・13トリソミー(パトー症候群)※NIPTのみ
・神経管閉鎖不全症 ※母体血清マーカー検査のみ

【胎児超音波検査】はエコー検査で、対象は下記の通りである。

・形態学的観察(赤ちゃんの大きさ、奇形、胎盤の位置など)
・生理的機能観察(心臓やへその緒の血液の流れ、動きなど)
・赤ちゃんの首の後ろのむくみ(NT)測定等による染色体異常の確率計算


赤ちゃんの状態を詳しく知りたかった私は【胎児超音波検査】を選んだ。
コロナで妊婦検診は付き添い不可だったので、初めて夫と一緒にエコーで赤ちゃんがみれる事も魅力的だった。

妊婦検診の時に先生に相談し、「クリフム出生前診断クリニック」、「ゆたかマタニティ超音波クリニック」を紹介してもらった。
超音波による出生前診断は専門技術が必要となるため、診れる病院は限られる。


胎児超音波検査は、妊娠検診と同じようなエコー検査だった。
エコーの専門技術をもつ方が、時間をかけて詳しく丁寧に診てくれる。「ほとんどの赤ちゃんに異常はないので、リラックスしてくださいね」と優しい声がけ。

いつも通り元気に動く赤ちゃん。夫も静かに見守っている。角度を変えながら「ここが頭で、ここが心臓で…」など教えてもらった後、急な沈黙。エコー画面をみると、赤ちゃんの横顔をじっと見ている。

事前に情報を仕入れていた首の後ろのむくみ(NT)。素人ながらむくみがあるような気がする…

長く続く沈黙。嫌な予感。怖い…。


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