レジ袋論争

私はレストランやスーパーでの会計時に「ありがとうございます」と言います。

特に意識してるわけではないのですが、子供の頃から大人たちがそうした振る舞いをしているのを見て、自然と身についていたのでしょう。

こちらが勝手に言っているだけで店員さんの反応は特に気にも留めてないのですが、不機嫌そうな店員さんが「ありがとうございます」と返してくれた時は心が温まります。

一人暮らしで誰とも話すような環境にいない私にとっては、そんな会計時の些細なやり取りも、一日を彩る貴重な瞬間の一つでした。

しかしそのような日常にも変化が訪れます。

それはレジ袋の有料化です。

有料化以前からエコバッグを使っていた私は「これからはレジ袋がいらないとわざわざ言わなくていいんだろうな。」と思っていましたが、これが見事に期待外れでした。

袋は有料と大きく注意書きをしているにも関わらず、毎度袋の必要の有無の回答を強いられるようになったのです。

有料のレジ袋の利用をわざわざ推進させるような振る舞いに落胆せざるをえませんでした。

「袋が無料でついてくるのが当たり前という人もいるので、トラブル回避のためには致し方ないことなのかな。」と初めの頃は思うようにしていましたが、有料化から一年以上経った今でも未だに「レジ袋は(有料になりますが)要りますか?」という質問が止みません。

ほぼ毎日通っていた近所のスーパーでも毎回同じ店員さんが会計をしてくれたのですが、毎回「袋はいらない」と伝えているにも関わらず同じようにレジ袋の有無を聞いてきました。

ある日耐えれなくなり、「袋が必要なら必要って言うので聞かなくていいですよ」と伝えましたが、それ以降も同じ質問が止むことはありませんでした。

その人なりの親切心で聞いているのか、あるいは会社のマニュアルに従って聞かざるをえないのか、真相はわかりません。

しかし、いずれにしても気分のよいものではなかったので、別のスーパーに通わざるをえませんでした。

そうしたやり取りへの不満から、無意識に出ていた会計時の「ありがとうございます」の言葉が次第に出なくなり、どこか寂しく感じます。

コンビニではスーパーとは異なるマニュアルがあるのか、レジ袋の有無を聞かないのが当たり前になっているようで、どれだけ無愛想な接客でも、レジ袋の有無について聞かれないので、自然と「ありがとうございます」と言える自分がいます。

重症と言えるほどのレジ袋アレルギーですね。

立場が変われば意見が変わるのは当然で、店員さんからすると「聞きたくて聞いているんじゃない。会社のマニュアルで聞く必要があるんだ。」「レジごときで文句を言うな」などの意見があるかもしれません。

しかし、レジの手前に有料の袋を設置し、必要に応じて袋を購入できるシステムが普及すれば、無駄なやり取りが減り、店員さんもお客さんも不快な思いをしなくていいはずです。

業務スーパーはこのシステムをすでに導入しているので、他のスーパーの早急な導入を願うばかりです。

レジ袋が有料化されてから一年が経過しましたが、制度としてあるものの、社会への浸透という意味ではまだまだ時間がかかりそうです。

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