早く年末になれ〜
🌾学会で歌集を編んでもらう
先日学会に行ってきました。学会と聞くと口頭発表のイメージがあると思いますが、私は来てくださった人に歌集を編んでもらうワークショップを行いました。
10月頭にZINEを販売するイベントに持っていったリソグラフの歌集にすごく私らしさや私がその時見ている世界が見えてきたなと感じましたが、いろんな人に手に歌集を取ってもらううちに、もっと読み手が歌に見ている世界をみてみたいと感じたとともに、もっと歌集をや歌を、読み手自身のものにしてほしい!とも考え始めました。
そこで学会では、好きな短歌とリソグラフの挿絵を各々組み合わせてもらい、カスタムされた歌集をその場で製本してお渡しする活動を行うことにしました。このワークショップを思いついてからどう形にするか決めかねていたので、学会中も編んでもらうための素材を作ったりなど苦しかったので、やっと解放された感…
カスタム歌集について具体的には、短歌がトレーシングペーパーに書かれていて、リソグラフのイラストと重ねて1セット、これを4つ作ってもらって、4つのページ順も各々好きに決めてもらい、背表紙・裏表紙などの装飾をつけて綴じるというものです。
挿絵をリソグラフにした理由は、イベントに出店することになって歌集としてリソグラフを用いたら楽しそう!くらいの気持ちで始めましたが、短歌特有の音の縛りと、リソグラフ印刷のインク数の縛りが、表現に制約があるという点で両者がとても似ていることに気がつき、ZINEの制作から続行して挿絵をリソグラフで印刷しました。
学会は発表者が一斉に同じ時間、同じ空間で各々発表する形式で、短時間の限られた中で、歌集を綴じることにそこそこ時間がかかってしまったので申し訳なさもありつつ、カスタムで歌集を作ってもらうと人によって作り方が全く違っていることが面白かったです。その反面、時間がかなり限られている中で急いで何冊も本を綴じていたので、1人1枚ポストイットに歌と絵を組み合わせた理由を書いてはいただきましたが、一人一人じっくりお話を聞けなかったのが反省点です。
🌾学会・興味津々ポイント
服が好きな人とか音楽が好きな人とか、趣味嗜好の似た人が編んだ歌集の内容が似てきそうと言ってくれた方がいた。実際に音楽が好きな人、絵を描く人などその人らしさが歌と絵の選び方に出ていると感じた。
短歌を選び、順番も考えている行為を経たあとや完成した歌集を手にしたとき、セットリスト、プレイリストなど、音楽の言葉で例える人が何人かいた。
何かテーマを決めて歌集を編んだ人や、好き!という気持ちで編んだ人、色や絵の選び方に縛りを設けて編んだ人など、歌集全体の雰囲気やテーマが人それぞれだった。
歌とイラストを4つずつ選ぶように説明したのに、3つずつ選んでくれる方が何人かいた。
歌集を綴じる時に、紐で縛らずにクリップで留めた方の理由が「今後順番が変わるかもしれないから」と教えてくださったのがかなり印象に残っている。
絵や短歌が自分の持つ独特の空気感があったと思うが、背表紙裏表紙含め作る人によって歌集全体の雰囲気に違いが見られた。
🌾短歌とデザイン会
北大にて、各々の研究や興味関心のあることなどについて話し合う会を設けていただき、私が学会で行ったことを知ってもらいつつ、みなさんがどのような研究をされているのかを聞かせていただいてきました。
この会では3名の方に、学会と同じように歌集を編んでもらおうとしたのですが、学会で結構挿絵や歌の紙を消費してしまっており…(大反省)みなさんに1セットずつ短歌とそれに合うイラストを選んでもらいました。
学会のお急ぎモードとは違い、一人一人が歌やイラストに感じたものや、組み合わせた理由を詳しくお聞きすることができたのがとても良い場でした。厳かな感じの部屋とすごく大人な雰囲気のメンバーの皆さんに緊張しすぎて私はずっとヘナヘナしてしまっていたのですが…
学会でも短歌とデザイン会でも、歌とイラストがあまり関係のないように組み合わせる人がいらっしゃったのですが、こちらの会で言葉は論理的に決めるけれど、イラストはそうではなく、言葉と全く無関係なものと逆にフィットしるぎるものを候補から消して、残ったイラストの中で短歌と噛み合わせのいいものを選んで組み合わせたとおっしゃってくださった方がいました。学会での謎が1つ解けたような気がして、このお話を聞けたのがとてもありがたかったです。
また、短歌は言葉の不自由さがあそびにつながっていて、逆に散文だと説明できすぎる不自由さがあって、もっと本来私たちが持っている不自由さを伝えたい時に、短歌の限られた音の中から各々が解釈する世界や、音や言葉の遊びによって、すんなり読み手に伝えられるものではないかというお話もありました。
🌾もっと知るべき!ワード
中動態
共鳴
生活世界/環世界
🌾今読むべきものたち
中動態の世界 医師と責任の考古学 著:國分功一郎
短歌共鳴論 著:浅野大輝
生物から見た世界 著:ユクスキュル、クリサート
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