円神2ndstage nonagon~2つの歌~

4日間劇場に通うという経験が始めてて、浮き足立ってた。
舞台全通も初めての経験で、もう楽しみで仕方なかった。
考えさせられることもあって、纏めたいな~なんて思いながら時の流れに身を任せていたらあっという間に2023年で、4thシングルの発売も決まり、SCでnonagon2のBEHINDvol.1が出たので、私もひとつ区切りをつけようと思って打ち込みました。
疑問に思ったこととか、自分なりに解釈したこととか、感想を綴った自分の思考整理用の文章みたいなものです。
盛大にネタバレなので嫌な人は回避してください。


ざっくり


登場人物:
立花 / ヴォータン・ミケ王子 … A.rik
コウ / ネクロマンサー・ヴァイオレット・ローレンス司祭 … 草地稜之
リリー  / チャンドラ・タゴール閣下 … 熊澤歩哉
G / フェイウェンリー国家主席代理 … 瀧澤翼
ヒョウ / ヤヌシュ・ルビンスタイン総督 … 中谷日向
ライト / ゴールデン・ギルバート大統領 … 中林登生
カズ / アーノルド・アレキサンダー総司令 … 中本大賀
サン / ロウロウウォン族長 … 宮里ソル
Q / ラインハルト・ビー館長 … 山田恭


ざっっっくりまとめると、Qが最高最強の友達と出会って、みんなが今世で産まれるまでの物語(だと思う)

舞台から読み取れる限り、まず大きいスケールとしてわかる範囲では1番目から13番目までの宇宙があって、
1幕の舞台は13番目の宇宙。
2幕の舞台は4番目の宇宙。
そして、2幕で転生した先が7番目の宇宙(の地球)。

1幕


Perfect Circleで始まってビックリしたの私だけじゃないって思いたい。
まさか円神として出した楽曲を舞台でやるとは思ってなかった、未だにこの意図は掴めてない。

初日見た時はまず時系列を整理するのに時間を要した。
舞台の中で2年の時が流れていて、
1年目がカズ/コウ/リリーが高校2年生、
G/ヒョウ/Qが高校1年生、
サン/立花/ライトは未入学。

2年目はG/ヒョウ/カズ/コウ/リリーが亡くなっていて、
Qが高校2年生に、サン/立花/ライトが入学して高校1年生に。

だから、サン達が出てくる場面では必然的に5人が死んだあとの話で、舞台は2年を行き来するような構成だった。初見だとQが「カズさんもGくんも殺しちゃったんだ」と言うところでやっとそれが把握できるかなって感じ……

初日1幕を見終えての感想は、スッキリしない、モヤモヤが残る。
自分自身がハピエンが好きだから、(1幕だけだと)救いがなくてなんかショックだった。
ただ、何か含みのある言葉もちらほらあって、2幕に繋がるのかな~繋がれば良いな、っては思ってた。


2幕


前半は完全にそれぞれ「国の代表」としての人格での物語だった。
それが、会議の休憩を挟んで後半、綺麗に1幕の人格としての物語に変わった。

前半は今の時勢ともリンクしてて、レムリンに侵攻されるレッドフォレストなんて今のロシアとウクライナだった。
ミケ王子の語りは日を経るごとに感情がどんどん揺さぶられるようになった。日々、一言一句、違いは無い語りだったけど、公演毎に語り口は少しずつ変化があって、当たり前のことだけど当たり前じゃない世界があること、そうなるかもしれないこと、考えれば考えるほどに感情がごちゃごちゃになった。

会議の休憩を挟んで後半、館長(もうあの時はQだったと思う)が言った、
「私はただただ友達が欲しかった」。
その前の流れで、え、まさか、って思ってたけど、そのセリフで1幕から繋がってるって確信したし、同時にちょっとショックだった1幕の結末に救いを見いだせて安心した。

そこからはもう怒涛で、最初に事故的に死んで転生してしまったヒョウとGが前世を思い出すのに時間がかかったぐらいで、トントン拍子で物語は進んでいった。
トントン拍子すぎて、4番目の宇宙の情勢は?という疑問を残して初日と2日目の観劇を終えたぐらい。


初日こそ色んな感情で泣いたけど(終演後一緒にいてくれたMU3Eに大感謝)、2日目は2幕の疑問が大きくてなんとなくもやっとしたまま、初日ほど泣くことは無かった。


1幕2幕を通しての考察のようなもの


今回の舞台のキーワード(と思われる)、《青く輝く》
青春の言い換えなのかな……
放課後の呼び出し、恋、デスボイス(笑)、
具体例として出てきたのはこの3つだったけど、Qにとっては、最強の友達がいることそのものが青春だったのかもしれない。

特に考えてたこと


初日は当たり前に初見だし2幕終盤のWe goとかENJINで感情乱されて軽くしか考えられずだったけど、2日目以降は2幕でどんでん返しが来るってわかってても、結末を知ってるからこそ、1幕はQのことを考えると苦しくて仕方がなかった。

それまでの世界でどう生きてきたのかは分からないけど、やっとみつけた偶然を超えた必然と言い切れる相性最高の人と出会えて、友達になれて、これからってときに、まさか自分が原因で殺してしまうなんてQは1mmも思ってなかったと思う。
むしろそうならないように、特にGとヒョウの前ではいくらその場の流れやノリがあっても踊らなかった。

自分の踊りを見たら死ぬ、なんて誰が信じるだろうか。ましてやその先で転生までする、なんて。
きっと説明しても信じてもらえない、馬鹿にされる。そんな気持ちもあってQは説明出来なかったと思う。

実際、Gとヒョウは一切説明をうけないまま携帯で動画を見て事故的に死んで転生したし、2幕で前世で自らが死んで転生したと知るまで、信じてなかったと思う。
カズ、コウ、リリーは説明こそされたけどにわかには信じられず、結局死んで転生してしまった。(カズ、コウは信じないまま死んだと思う。リリーは嘘は言ってないと感じてたけど、信じたかどうかは分からない)

カズ、コウ、リリーにGとヒョウを殺してしまった、と説明したとき、「死にますか?」と問いかけておきながら「死んじゃだめだ!!」と否定したQ。端から見れば劇中でのカズの言葉通りサイコパスにしか見えない。
けれど、そうなってしまうのも考えれば考えるほど納得がいってしまう。
Gとヒョウが死んでしまったあと、Qは2人の転生先を探した。(恐らく偶然にも)2人は同じ宇宙の違う国の人物に転生していることが分かって、またその世界で同じ9人を揃えることが出来れば…!と考えた。これ自体はめちゃくちゃサイコパスだと思う。
けれど、それはQにとっての都合の良いことでしかなくて、8人にとってどうなのかは分からない。孤児として身内は兄弟しかいなくても、今いる地域には兄弟みたいな仲間がいる。友達がいる。Qがしようとしていることは、その環境から引き離して、後々一部の仲間には会えるとはいえ、まったく知らない宇宙(世界)に飛ばすこと。

後々9人で再会出来ることをQは知っているから、「死にますか?」と問いかけるのはきっとQなりの優しさでもあった。けれども、自分にしかメリットがないようなことをしていいのか?今ある環境を自分がつぶしてもいいのか?なにより、カズたちを自分のせいで殺めたくない。そんな葛藤があって、サイコパスのような言動になってしまったんだと思う。

  ―実際、2幕で転生したと自覚したヒョウが言った、「あっちには友達も居た、さみしい気持ちもあった。」という言葉が全てだと思う。


1年後、サンにごめんって謝るQ。悪意はなかった。そもそも殺したくなかった。けど、自分が結果的に殺してしまった。その事実に対してきっとQは謝ることしか出来なかったんだと思う。そしてまた、Qなりの優しさで「3人も死ぬ?」って問いかける。できることならば殺したくないのに。
Qはサン、立花、ライトに説明をして初めて自分のこと(踊りを見たら死ぬこと)について受け入れてもらえたんだと思う。(ライトは半ば信じてなかったけど、サンと立花に促されたような形)
そして、Qに悪意がないことが分かったサンは、今まで準備してきた1年間で積もりに積もったいろいろな感情をQにぶつけられず、殺せず、崩れ落ちてしまう。
そんなサンの話をきいて、姿をみて、Qは覚悟を決めたんだと思う。
このままこの世界でサンたちが生きるのと、自分と転生して、9人で集まること、どちらがいいのか。あの状態のサンを見て、前者が良いと思える人はどのぐらいいるんだろう。


2幕で会議の休憩を挟んで後半に移ったとき、館長(Q)が言った
「”ギルバート大統領”、あなたが最後まで聴いても分からないと思います。」。
きっとこれは、”ギルバート大統領”は理解出来ないけど、”ライト”なら、理解できる。という意味だと捉えてる。
局地的なクーデターも、9人でしか分からない話だから、という意味だと思った。

4番目の宇宙でみんなが前世(13番目の宇宙)と根本から違うこと、
それは、ひとりの人間の中にふたりの人格(魂)があること。
2日目まではそれがうまく理解出来ていなくて、9人が4番目の宇宙から転生したら、9人はまたその世界で死んでしまったことになるのではないか?会議の前半で話し合ったレッドフォレストとエルフの加入はどうなるのか?
9人は、この世界を見捨てて自分たちのためだけに転生するのか?
そんなもやもやが晴れなかった。
けど、ミケ王子(立花)の「転生してきて思ったけど、大切なのは命、魂って言葉でもいい」という言葉。大統領(ライト)と国家主席代理(G)の「出たり入ったり」「他の人の中で寝たり起きたり」というやりとり。その上で、館長(Q)の、このままではみんなが偉すぎるから転生します、という判断。これが、俗に言う二重人格のような状態でなければ、そんな判断はしないはずだ。
だって、これがもしそれで館長たちが死んでしまうなら、1幕でさんざん葛藤していたQはなんなんだ?という話になる。そして、Qだけではなく、カズが「多くの人の夢がひとりの犠牲の上にあってはいけない」とも言っていた。そんな人たちが、現状を悪化させるような方法で自らの幸せだけを考えて転生するはずがない。
そう考えると、恐らく4番目の世界からの転生は、元の4番目の宇宙に戻る、が正しいんだと思う。転生してきた人格が消えて、元々の人格オンリーになる。それなら、9人の幸せのために多くの犠牲はいらない。

 ―カズの言葉は、多くの人=野球部=9人、だった。もしかしたら、これも伏線だったのかもしれない。


その他諸々


はじまりの歌からの匂わせで特に目立っていたのはやっぱり「ちくわきゅうり」だったと思う。
1幕でのお弁当の買い出し、2幕のお弁当のおかず。
3日目のアドリブで「古の記憶が…」と言っていたから多少混乱したけど、あれはあくまでアドリブだから時系列はあんまり関係ないと考えてる。
アロイラップが聴けたのが嬉しくて6公演の中で1番泣いた。

Gとヒョウは15年間総督と、国家主席代理と一緒に生きてきて、自らが転生してきたことを思い出すのに、ダンスという引き金がないと思い出せなかった。けど、同じく15年間館長と一緒に生きたQはずっと自我を保てていた。転生してきて1週間しか経っていないカズたちでさえ、話を聞いてやっと思い出せるほどなのに、QがずっとQとして自我があったのは、彼の言葉をそのまま借りると、「チート体」だからなのかなあ、と思う。


ジェンダーやSDGsに理解がある13番目の宇宙(今よりも先の宇宙のはず)なのに、野球部の描写があったことによって、いじめは無くなっていないのがあまりにも残酷だな、と思った。


感想


4日間6公演、現地で見れたことがなによりの幸せだった!
9人で紡ぐ舞台をやっとこの目で見れたこと、4日間毎日大好きなひとたちを間近で観ることができたこと、一緒に応援しているMU3Eと毎日会えて話せたこと…。
全てが幸せで、やっぱり終わらないでほしいって思った。

けれど、円神はここで立ち止まっているわけにはいかない。立ち止まらせるわけにもいかない。

幸いにもnonagonは3部作。3作目がどのように紡がれるのか、今から考えただけですこしドキドキする。


3作目を観れるその日が来ることを願いつつ、これからの円神をまた自分のペースで応援していこうと思います。

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