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【初心者向け】WEBデザインレベル別勉強方法

みなさん、こんにちは。
地方でWEBデザイナーをやっているてん太です。

最近はWEBデザインを勉強する人が増えてきましたね。
業界的にもデザイナー不足なのでありがたいお話です。

しかし、それと同時にこんな話をよく聞きます。
「デザインって結局何を勉強すればいいの?」
「どんな勉強をしたらデザイナーになれるの?」
「勉強しても身にならない」
 などなど…
そもそも勉強が上手くできずに挫折という人が多いのが現状です。

その状態に陥ってしまっている人の場合、「自分のデザイン習熟度(レベル)に合った勉強ができていない」ということが多いです。

今回はそんな人たちに向けて、私なりに考えた勉強の進め方をデザインレベル別でご紹介します。
※ここではデザインだけに注目しています。コーディングはまた別だと思っておいてください。

あとついでに転職や副業などをするにあたって必要なデザインレベルもまとめてみました。そちらも合わせて見ていただけると、自分が何をどのくらい勉強するべきかの参考になると思いますので見てみてください。

デザインレベル別勉強方法

デザインを勉強するにあたって、自分のレベルに合致するのがどの辺りなのか確認してみましょう。人によってレベル順は前後することもあると思いますので「大体このあたり」ぐらいの感覚で大丈夫です。
進め方としては該当するレベルから順にレベルアップしていくのがおすすめです。

※最終レベル=自分で勉強方法を模索できるようになるレベルを想定しています。最終レベル=WEBデザイナーとして働ける、ではないのでご注意ください。

●レベル1:デザイン系ソフトに触ったことない

この段階はまず自分の作りたいものをたくさん作りましょう。デザインソフトは他とは違う特殊な機能が多いため、それに慣れることが先決です。デザインを考えられるようになるためにも、まずは手を動かせるようになりましょう。
【勉強方法】
・デザインソフト本やネット記事で操作方法や機能を勉強する
Adobeなら初心者向けチュートリアルが無料で公開されています。
https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/tutorials-explore.html
検索すると初心者向け記事・動画たくさん出てくるのでまずはそこから勉強してみましょう。

※なんのソフトをやるべきか問題ですが、ひとつ使えるようになれば割と他のものはすんなり覚えられるのでPhotoshop・XD・figmaあたりから選んで制作してみてください。

●レベル2:ソフトの使い方なんとなく分かった、デザインは作ったことない

引き続きソフトになれるため・勉強のために現存のデザインを真似して作ってみましょう。ここで真似するのはWEBサイトやバナーがおすすめですが、「作る」ということに慣れるために名刺やポスター、チラシなどでも良いかと思います。1つでなく色んなデザインを数点真似して作ってみましょう。
【勉強方法】
・自分がいいなと思ったバナー・WEBサイト・名刺・ポスターなどの模写をする(インプット)
ピンタレストやまとめサイトを利用すると好きなデザインが見つけやすいです。
他にもまとめサイトが多数ありますので下記を参考に探してみてください↓
※WEBデザインまとめサイト参考記事:https://liginc.co.jp/416443
※バナーデザインまとめサイト参考記事:https://liginc.co.jp/545202

●レベル3:ソフトに慣れてきたからデザインを作ってみたい

レベル2を超えるとある程度作り方が考えられるようになるので「マネじゃなくて自分で0から作ってみたい!」と考えるかと思います。実際にそれを作ってみましょう。難しいことは考えずに、とりあえず自分が作りたいものを作ってみましょう。これもレベル2と同じでWEBに限らず好きなもので大丈夫です。ただ、途中で終わらず、必ず作りきるようにしてください。また、1点ではなくいくつも作るのがおすすめです。
【勉強方法】
・自分で考えたデザインを作ってみる(アウトプット)
例)自分の名刺、架空イベントのポスターやチラシ、架空企業のWEBサイト、など
※できればここで制作したものは他人に見せてみましょう。見られるという意識があるとより精度の高い練習になります。

●レベル4:なんかデザインが垢抜けない・汚い

ここまでは自分の思うままに作ってきたのですが、デザインについては勉強していない状態なのでなんだかイマイチなデザインになります。なので、デザインの初心者向け本を通してデザインの理論を学んでいきましょう。
【勉強方法】
・デザイン系の参考書やネット記事でデザイン理論やパターンを学ぶ(技術知識)
おすすめまとめ記事:https://liginc.co.jp/515482
「デザインって何?という方におすすめの3冊」と「デザインの基礎を学びたい方におすすめの3冊(初心者向け)」の書籍がおすすめです

●レベル5:理論を少し学んだけどどう使うかわからなくてデザインが垢抜けない

この段階までくると「自分のデザインの何がダメなのか」という迷走期に入ります。ここからは「目を鍛える」という勉強が必要になります。
いいデザインとはどんなデザインか、自分のデザインの何がダサく見える原因なのかを見つけるために良いものをたくさん見てデザイン的視点の目を養います。
古今東西あらゆるデザインを見まくります。
この時に「何が良いのか」「良いと思わせる仕組み」をレベル4で学んだ理論を絡めて考えながら見るとより効果的です。
【勉強方法】
・とにかくたくさん、いいデザインを見る(インプット)
※WEBデザインまとめサイト参考記事:https://liginc.co.jp/416443
※他にもピンタレストでひたすら見るなども効果的です

●レベル6:いっぱい見た!理論もそこそこ勉強した!でもデザインにはまだ生かせてない!

ここまでで学んだことをアウトプットしてみましょう。実際にデザインを0から作成します。作るものはなんでもいいので自分なりにいいデザインを作ってみましょう。この時、学んだことが思い出せない・理解出来ていないと感じたらまた戻って勉強します。またこの制作も一つではなくいくつか制作してみましょう。
【勉強方法】
・今までの勉強を活かしてデザインを制作してみる(アウトプット)
制作例)架空企業サイト、過去に自分で作ったものをリデザインする
※ここでも他人に見せることが重要になってきます。他人に見せるものだという意識は持ち続けましょう。

●レベル7:とりあえず作れるけど仕事として作ったことはない・自分の好みのものしか作ったことがない

仕事としてデザインを作る場合、大体最終的な目的があります。例えば「商品を売りたい」とか「お問合せにつなげたい」などです。Webデザインではその目標を達成するためのデザインを作る必要があります。
まずは仮のサイトの制作意図・目的設定・ターゲットを設定して、それを達成できるデザインを制作してみましょう。なぜその色を選ぶのか、なぜそのあしらいなのか、言語化しながら制作してみます。ここからはグラフィックは抜いてWEB関連に絞って制作していきます。
【勉強方法】
・制作意図やターゲットを想定をしたサイトデザイン・バナーを作ってみる(アウトプット)
※何度もくどいかもしれませんがこれも他人に見せましょう。できればターゲットに近い人やプロに見てもらうのが良いですが、独学だとそうもいかないことが多いのでSNSを利用したり、コミュニティに入る、などの工夫が必要になります。

●レベル8:ターゲットや意図を考えながら作ってみたけど上手くいかない

どう作ればいいのか再び迷走期に入ります。「目的に合ったデザイン」が作れないのは、デザインの引き出しが足りていないからです。圧倒的インプット不足状態です。ここまでは自分の好きなもの・好きなデザインばかり見てきたので、それ以外のデザインもたくさん見てどんなデザインなら目標・目的を達成できるのかを考える必要があります。
「このデザイン、なぜこうなっているんだ?」と考えながらたくさん見ることが重要です。
【勉強方法】
・自分の好みだけでなくあらゆるWEBデザインを意図を考えながらたくさん見る(インプット)
上述したまとめサイトなどがおすすめです。
※英単語を読むだけで覚えられる人と何度も書き取りしないと覚えられない人がいるように、この勉強のやり方はかなり人それぞれです。見るだけで頭に入らない場合は模写しながら細かく分析して見てみる・コードを読んでどうなっているか分析する、など自分に合ったやり方をひたすら模索しましょう。

●レベル9:ターゲットや意図を考えながらデザインが制作できる

ここまで来ると最低限の知識を覚え、インプットとアウトプットを経験した状態になります。しかし、デザイナーとしてはやっとこれから、というレベルになります。ここから必要なのは「インプット・アウトプット・技術知識の学習」を継続していくことです。ひたすら繰り返して自分のデザイン力の何が足りていないのか考え、能力向上に努めましょう。
【勉強方法】
・レベル8までにやった勉強を継続する

ここまで完走したらデザイン勉強を自走できるぐらいになるかと思います。

次は、それぞれの目的別に必要レベルを確認して自分がどこまでやるべきか考えてみましょう。

目的別の必要なレベル一覧

目的は人それぞれですが大きく分けて4つになるかなと思います。
1.転職(WEB制作をしている会社に勤務する)
2.フリーランス
3.副業
4.趣味など仕事にするわけではない
それぞれどのレベルが必要になるか私なりにまとめました。

転職

WEBデザイナーになる!と言っても実は会社によってかなり必要なものが変わってきます。全てのパターンは書けないので、代表的パターンをいくつか紹介します。

●「未経験可」のWEBデザイナー募集
【必要レベル】レベル8前後
未経験可にしている会社は育成前提で採用することが多いため、最初から実務ができるレベルは想定していません。(たまにそうじゃないヤバめブラック制作会社もあります。面接で見極めましょう)
しかし、いくら育成する気があると言っても、0から100までは教えてもらえません。最低限この仕事に興味をもち、勉強を自分なりにしている人を採用したいというのが本音です。
面接で大体「このデザインはどういう意図で制作したんですか?」と聞かれるのはそこらへんを計りたいことが多いのではないでしょうか。
ただ、レベル3時点でセンスが良い人(天才タイプ)だと才能を感じて採用!なんてパターンもあるかもしれません。滅多にないですが…。

●「実務レベルなら未経験可」のWEBデザイナー募集
【必要レベル】レベル9以上
実務レベル=実際の仕事している人と同じレベル想定です。なのでレベル感は「デザイン学習がある程度自走できる状態、なおかつそれを実践してきて能力のある人」になります。ココナラ・クラウドワークスなどのクラウドソーシングでお仕事をいただいて実績があるとしても、このレベルが満たせていないと採用されないことが多いです。

●「未経験可」のWEBデザイナー募集(コーディングなど別スキルが必要)
【必要レベル】レベル7以上
要件にコーディング・SNS・動画編集・マーケティング・グラフィックなどが書かれていることがあります。
同じWEBを制作する会社だとしても、WEBデザイナーが制作の全てを担う・グラフィックやWEB以外の業務も行うという一貫型の会社とWEBデザイナーはWEB関連のデザインだけ!という分業型の会社と分かれています。要件にデザイン以外がある=一貫型ということです。最初に書いた未経験可の内容は分業型の想定です。
この場合はデザインはもちろん他のスキルも同じようにレベルがある程度必要になります。しかし、分業型に比べ多くのスキルが必要になるため一つ一つのスキルに対して求めるレベルがほんの少し低い傾向があります。

フリーランス

会社に所属せずフリーで働く人です。「どれくらい稼ぎたいか」「どこから仕事を受けるか」によってかなりレベルが変わります。これももっといろんなパターンがあると思いますが、よく話題にあがるところをピックアップして紹介します。

●営業力やインフルエンサー力など別の能力が抜群に高い人
【必要レベル】レベル3~9以上
もうデザインというか営業力・インフルエンサー力が高くてそれで仕事になる人です。
営業力→レベルが低くてもそれが必要なところに上手く売り込めます。(でもその能力で普通の営業職やった方が稼げます)
インフルエンサー力→そもそもファンがいるためそこに売り込むことができます。レベル3でも「あなたのファンです!あなたの世界観のサイトが欲しい!」といった感じになります。

●ココナラ・クラウドワークス等で収入を得る予定の人
【必要レベル】レベル7以上
営業力も必要にはなりますが、上のパターンほどではないです。必要とされるレベルはピンキリですが、窓口が大きいので仕事が枯渇していることはないです。しかし価格競争が激しいため単価が安いことが多いところが少し難点です。単価を上げるにはデザイン能力をうんと上げるか、一貫して一人で制作することができるようになる必要があります。単価を上げずに死ぬほど働くのも手なのかもしれません。
またWEBの知識のないお客様と直接やり取りする場合、ディレクション能力も必要になります。

●制作会社などの外注として契約する
【必要レベル】レベル9より上
外注したものはその会社での制作物としてクライアントに見せるのでどれだけ忙しくてもレベルが低い人に頼むことはありません。また、外部の人間なので育成しようともなりません。最初から働けるレベルを求めています。

副業

副業は正直目標金額によって働き方がかなり変わるのでなんとも言い難いですが、基本的にはフリーランスとほぼ同じになります。
本業が忙しい方はクライアントととの連絡が大変だと思うので工夫しましょう。

●営業力やインフルエンサー力など別の能力が抜群に高い人
【必要レベル】レベル3~9以上
フリーランスの欄にあるように自分で顧客ゲットできる人たちです。WEBデザインより営業力やSNS力が必須です。

●ココナラ・クラウドワークス等で収入を得る予定の人
【必要レベル】レベル7以上
上記ほどではないですが営業力的なものはそこそこ必要になります。
デザインレベル的には案件の価格・要件によってかなりピンキリな印象です。一番低いものならレベル7くらいでできそうですが、より効率よく稼ぐならデザインスキルを上げる・コーディングなどほかのスキルを身につけるなどの努力が必要です。

●制作会社などの外注として契約する
【必要レベル】レベル9より上
フリーランスと同じです。副業の場合はプラスして「本業があるため連絡できるタイミングが限られる」という場合、レベルが足りていても断られる可能性が高いです。やっぱり連絡が取りづらいというのは厳しいですね。

趣味

●個人の趣味ホームページが作りたいだけ
【必要レベル】レベル3以上
好きなように作ることができれば問題ないです。

●関連業務をしているので知識的に知りたい
【必要レベル】レベル4前後
例えばWEBマーケターやフロントエンドエンジニアなど、デザインをするわけじゃないけど知識として知りたい!という方はレベル4前後の練習をやってみることをおすすめします。その辺りまで行ったらUI/UXや行動心理学などを学ぶと自分の業務にも活かしやすいです。

とは言っても

ここまで書きましたが、正直「場合による」というのが本音です。
WEB制作といっても作っているものも価格も何もかも違いすぎます。
例えば東京と地方だと制作会社の数はそもそも桁が違います。副業も3万稼ぎたい人と50万稼ぎたい人はやることが違います。
絶対にこれが当てはまる!ということはありません。

上記はあくまで参考です。
必ず、自分で考えましょう。

ないものを作り出す仕事なので、思考力はとても重要です。
自分の目標や目的を再度確認して、何をやるべきか考えてみてください。

ーーーーーーーー予防線失礼しますーーーーーーーーー
すでにプロとして働いている方からすると「それじゃ全然足りなくない?」「それは求めすぎじゃない?」「順序おかしくない?」といった意見があるかと思います。
正直WEB界隈広すぎて「平均的にこのくらい」というラインがないので、私の経験してきた環境を元に書いています。「わたしがかんがえたさいきょうのデザイン勉強方法」ぐらいな感覚で見てもらえると嬉しいです。
ーーーーーーーー予防線失礼しましたーーーーーーーーー

最後のまとめ

この記事を書くきっかけはTwitterで来た「デザインの勉強は書籍でするのが良いでしょうか?」という質問でした。答えは「それもだしそれ以外も」になります。ただ「それ以外も」に含まれる内容があまりにも多すぎるため混乱してしまう方が多いのかな?とも思いました。

この記事を通して少しでもその混乱が解消できれば幸いです。

「デザイン見てもらえる人いないよ!」
「この記事読んで質問したいことがある!」など
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