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20 カブ主 奔走す

仕事を終えて、ショップ巡りに出かけた。

ここまでは、地元の個人経営のバイクショップと全国ネットのバイクショップを訪ねたが、あまり有益な情報もなく、他に期待して行ったホンダという名前を冠したショップに至っては、入店しても「いらっしゃいませ」の言葉もなく、5分ほど放置されてしまった。ここは二度と行かない!

少し離れてはいるが、自宅から約20キロ離れたホンダショップと昭和28年開業の老舗オートバイ販売店を回ることにした。

候補の条件「スーパーカブ110」か「クロスカブ110」に変わりはないが、「スーパーカブ110」だったら新車のクラシカルホワイトの納期と乗り出し価格、「クロスカブ110」なら新車のマットジーンズブルーメタリックの納期と乗り出し価格を聞き、最終的に何を買うかの判断材料にすることにした。

noteでもカブ主の先輩方からもコメントをいただき、自分で納得出来るカブ選びをしようと思いつつ、まずはホンダショップに車を乗り入れた。

ちょうど外のガレージで出迎えてくれたご主人は、やり手の実業家といったタイプ。4月からの通勤の状況を話し、程度の良い「スーパーカブ110」か「クロスカブ110」を考えている、と言うと「今日入った中古なんですが・・・」と言いながら、ガレージの中の1台を紹介してくれた。

黒いクロスカブ110 (JA45 2019年)がそこに。なんと「くまモンバージョン」だ。

いやいや、いくら型落ちの中古とはいえ「くまモンバージョン」ですよ。価格的に無理でしょ。それに「くまモン」という可愛いキャラが似合わないことぐらい自分でもわかってますって。

恐る恐る乗り出し金額を聞いてみると、新車の「スーパーカブ110」の乗り出し価格と大差ない。いきなりの大本命出現に超ビックリ!あまりの興奮状態で、その後話したことは上の空だったが、新車の「スーパーカブ110」「クロスカブ110」の納期が一週間程度らしいという話は記憶にある。

「ネットに掲載するとすぐに買い手がついてしまいますので・・・」

わかります。当然ですよね。ということで無理を言って「ネットには上げず、商談中」ということにしてもらい、返事の猶予を一週間いただいて店を出た。

その後、帰り道の老舗オートバイ販売店に向かう。店を改装中ということで少し離れた場所の仮店舗で営業していた。いろいろ話を聞いてみると現在では「スーパーカブ110」より「クロスカブ110」の方が多く出ているとのこと。

「週末にクロスカブ110 (JA45 2019年)のカムフラージュグリーンが入庫します」

これもまた、新車の「スーパーカブ110」と大差ない金額で出せるというではないか。ただし、自分より先にその話をして現車を見て判断するというお客さんがいるそうで、そちらが先約としたいという話をされる。それは当然だ。

あまり残念に思わなかったのは、頭の中に「くまモン」がグルグル回っていたからに違いない。ただ、問題なのは「あそこにあるのがラストのプコブルーです」という言葉だった。

こりゃまた衝撃の事実。候補にも上がらなかった、というか候補にもあげられなかったプコブルーが存在する事だった。

いよいよ、決断の時か。