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Exchange Online の動的配布リストを使ってみた

当社では Exchange Online を使ってメールシステムを動かしています。
全社員宛に送るためのメールグループを作りたいのですが、
Microsoft 365 でユーザを作成するたびにこのグループにメンバーを追加する必要がでてくるとなると面倒です。
Power Automate とか使わずに、ユーザ作成と同時に自動でこのメールグループに入るようになってほしいのだけれど、、、

▼ 動的配布リスト

Exchange 管理センターから作成できる「動的配布リスト」グループを使えば、条件に合致したメンバー全員に電子メールを送信できるらしいです。
これで全社員宛のグループを作成すればいいですやん!

参考:Exchange Onlineで動的配布グループを管理する | Microsoft Docs

▼ 作ってみる

1 Exchange 管理センターから、「受信者」-「グループ」-「動的配布リスト」-「グループの追加」を選択

2 「動的配布」を選択し、名前を決める

3 所有者を指定、メンバーの条件とメールアドレスを決め、グループ作成
(所有者は、1メールアドレスのみ受け付けられるようだ。作成後に編集しても、2人目の所有者を追加すると1人目が押し出される。)
(メンバーの条件は、「次の受信者の種類のみ」の「Exchange メールボックスを持つユーザー」とした。これだと「RecipientType」が「UserMailbox」になっているメールボックスがメンバーになる(後で確認)。)

▼ メンバーを確認する

動的配布リストのメンバーは、Exchange 管理センターから確認できません。
PowerShell で Exchange Online に接続して、以下のコマンドで確認できます。
このとき、動的配布リストの所有者としてExchange Online に接続ないと、結果を出力できませんでした。

Get-DynamicDistributionGroupMember -Identity <DDGIdentity>

参考:Exchange Onlineで動的配布グループのメンバーを表示する | Microsoft Docs

▼ メンバーを更新する

動的にメンバーが更新されるのか、備品用メールボックスの追加と削除を試して5分ほど待ってみました。

・更新前:

更新前

ここにr_cow2を追加し、r_cow1を削除した

・更新後:

更新後

追加も削除も、自動で更新されていました。
変更が反映されるまで最大2時間待機が必要らしいですが、以下のコマンドで強制的に変更を反映させることもできます。

Set-DynamicDistributionGroup -Identity <DDGIdentity> -ForceMembershipRefresh

ただし、1分程度の間隔で2回連続で実行しようとすると以下の警告が出て失敗しました。

警告:
動的配布グループメンバーシップは最近更新されたため、現時点では更新できません。後でメンバーシップを強制的に更新してみて
ください。

▼ 送ってみる

本当に全員に送れてしまうのか?
上記のメンバー条件で作成した動的配布リスト宛に送信すると、
少なくとも以下で受信できました。
 ・ユーザメールボックス
 ・共有メールボックス
 ・会議室リソース
 ・備品用リソース
ただし、ユーザメールボックスと共有メールボックスでは「受信トレイ」にメールが届いたのに対し、
「会議室リソース」と「備品用リソース」では「削除済みアイテム」にメールが届きました(?)。

左:ユーザ 右:備品用

▼ 終わり

全社員を宛先にするメールグループは自動で更新できるようになりました。
全社員のOutlook予定表に祝日予定を登録するときの宛先なんかにも使えますね。
メンバー条件がもっと柔軟になれば登場シーンを増やせそうです(例外指定、メールアドレスの接頭辞を見て特定のリソースだけを含むグループを作成する、特定の複数の「メールが有効なセキュリティ」グループに含まれるユーザを自動で取得する、など)。

以上です。


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