潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

「熟田津に 船乗りせむと月待てば

                                     潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」


万葉集も古文も日本史も短歌も良く分かっていなかったけれど、

高校生の頃からなぜかこの歌が好き。

何となく手にして読んだ、「額田王」(井上靖)で出会った歌だと記憶している。

額田王といえばおそらくこちらよりも

「茜指す 紫野行き 標野行き

                               野守は見ずや 君が袖振る」

に対して大海人皇子が

「紫の 匂へる妹を憎くあらば

                               人妻ゆゑに我恋ひめやも」

と返したエピソードの方が有名かもしれない。


才知に長けた人なのに、天智天皇と天武天皇に挟まれ翻弄され....と思っていたけれど、

実際にはこの返歌は天武天皇(大海人皇子)の宴席でノリよくやってみたよっていうのが通説らしい。


けどまぁ私は専門家でもなく、そこについて突き詰めてみよう!!というつもりはなくて。(いつか気になって突き詰めるのかもしれないけど。)

ただ、私がいつも、よし!やってみるか!と思う時に思い出す、景気付けの歌になってくれているということ。

高校生の頃となんら変わらない、興味と意欲に満ちた青くさい香りが自分の中に満ちてくる気がする。

本日はその、よし!やってみるか!の2日目ということで、いつもの通り思い出したので、書いてみましたよ。

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