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漫画の原画展に行ってきました

前回のnoteで故宮博物院の感想書きたいです、と言っていましたが、昨日漫画の原画展をはしごしてきたので、先にそちらの感想を書きたいと思います。

『摩利と新吾』原画展

まず一つ目は銀座のスパンアートギャラリーで開催中の木原敏江先生の『摩利と新吾』原画展。中学生の頃に、母が持っていた単行本を読んでからずっと大好きな作品です。

中は撮影禁止だったのでギャラリー入り口の写真を。

入って左手と正面の壁に雑誌のカラーページや、単行本の表紙などのカラー原画、右手奥の壁一面にモノクロの原画(ドリナの誘いを断って摩利の元に慎吾が戻るシーンの原画があって嬉しかった)という感じの展示でした。

木原先生の原稿、カラーもモノクロも大変美しかったです…特にモノクロ原稿は繊細な点描やカケアミまで全部手書きで、トーンを少ししか使ってないのに白さを感じなくて、本当にすごかった。壁一面の漫画原稿を一枚一枚眺めているだけであっという間に時間が過ぎてました。
あと顎の輪郭部分の修正跡が多くて、あの美しいラインがすごくこだわって描かれてるのが伝わってきて感激しました…

原画展に合わせて作られたアクリルキーホルダーやクリアファイルなどの可愛いグッズもたくさん売っていて、どれ買おうかかなり迷ったんですが、最終的にしまりんご🍎の大判カードセットを木原先生好きな母と自分に一つずつ購入しました。

木原先生の作品では『杖と翼』や『アンジェリク』も好きなので、いつか他の作品の原画も観れる機会があるといいな

杉本亜未原画展VOL.2

次は文京区のマンガナイトBOOKSで開催中の杉本亜未先生の原画展VOL.2。
『ANIMAL X』のカラー、モノクロ原稿を中心に、一部は『春やきぬらん』などの初期作品も…というファンにはたまらない展示内容。

こちらは会場内撮影OKでした。でも観るのに夢中であまり写真を撮っていなかった…(美術館でやりがちな失敗)

そして、展示されている原画のチョイスがまた最高でした…『春やきぬらん』で一番好きな「あらゆる時に息づいてなきゃ作品とはいえねぇ」のシーンの原画で感激し…湊の「俺 ホントにお前が好きで仕方ねえの」のページには「尊い…✨🙏✨」の一言しかないです…裕司の髪の毛が印刷で見るより繊細な線で素敵だった…

展示会場はブックカフェでもあるので、美味しいアイスコーヒーをお供に落ち着いて原画を見れてよかったです。一緒に注文したココアビスコッティも美味しかった。

大好きな作品の原画をじっくり堪能でき、至福のひとときでした。


今年の1〜2月にも『ファンタジウム』『アマイタマシイ』の展示をこちらで行っていたのですが、その時期は原稿の締め切りに追われていて行けなかったことを心底後悔しました。無理しても行けばよかった…

ちなみに杉本先生は現在noteで最新作『ブラッディチャイナタウン』を連載中です。横浜を舞台に展開する血生臭い連続殺人事件を軸に、潔癖症刑事と陰がある美少年のドラマという先生ならではの味付が加わった、新鮮で面白いサスペンス漫画。ホラーとBL好きの方に特にオススメです!


漫画原画の力

漫画の原画展に行ったのは久々ですが、やはり原画は印刷とは段違いの迫力、美しさがありますね。単行本で何度も読んだシーンでも、原画だと印刷では見えない修正跡やトーン指定、ホワイトの使い方、細かい部分の書き込みなど新たな発見が多々あり、新鮮で見ていてとても楽しいです。

自分が漫画をきちんと描き始めたのは会社員になってからで、ペン入れまでがアナログ、ベタ、トーンなどの仕上げはPhotoshopを使っていました。(いまは仕上げはコミスタ…からぼちぼちクリスタに移行中です)漫画でアナログトーンを使ったのは、学生の頃に少し描いた二次創作のコピー本くらいでしょうか…それも、見よう見まねで描いていたので網トーンの角度など全く考えずに貼り、モアレがでまくるという…いま思えばだいぶひどい使い方をしていました…

なので、仕上げまで全てアナログで完成された漫画原稿、というものに人一倍憧れと魅力を感じます。可能であればチャレンジしてみたいですが、アシスタントのいない環境で、仕事として一定のスピードで原稿をあげるにはデジタル仕上げの速さも不可欠なわけで、難しいところです。

せめて憧れの先生たちの原画に溢れるパワーを見習って、自分ももっともっと魅力的な絵や漫画を描けるよう頑張りたいと思いました。

いつか趣味の漫画でアナログ仕上げやりたいなあ。