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今日最初の食事 at 23時

 目覚めれば19時過ぎ。丸一日眠り続けていた。意識を失って倒れたダメージが思いのほか大きく、疲労につながっていたようだ。いくぶん身体は身軽さを取り戻しつつあり、コロナ発症後四日目としてはほどよい兆候にあるようだ。

 昨日は炊飯してレトルトの牛丼を食べたのだが、これがとんでもなく不味い……。贅沢は言えない身だが、せめて今日だけはレトルトを避けたくて冷蔵庫と相談。昨日炊いた残りご飯と、卵、白出汁、醤油がある。なら卵雑炊が作れるじゃないか。ビタミンを含んだ野菜や青みのものが欲しいが、それは僕には届かない世界。

 湯を沸かして白出汁、醤油、少し塩で味を調整。そこへ冷えきった残りご飯を大胆に入れる。米を崩しながら煮立てて、一煮立ちしたら卵を溶き入れる。完成。楽すぎてウケる。ついでに消費期限の近い塩昆布をあしらった。上出来ではないか。ゴホゴホ咳き込みつつ(咳が止まっていない)、席に着く。いただきます。今日最初の食事 at 23時。

いただきま〜す

 美味い。結局、レトルトはレトルトだなあ、と感じてしまう。白出汁はアリでレトルトがナシの自分の味覚は偏っていると思うけど、食べるために自分が手を動かしたか否かのプロセスが、食そのものにおいてものすごく重要なことなのではないかと感じる。

 人参入れたいな、と食べながら思う。ズッキーニも入れたら今なら良さそうだ。プチトマトも入れたい。キノコもなんだって合わせられる。そうしたことを、自分で調理した食べ物を食べていると、自然と考えている。レトルトやインスタント食品を食べているとき、そうした発想はない。つまりこれは、食べることを楽しんでいる証左に他ならない。そして食の楽しみは、ほぼほぼ生の楽しみに直結している

 今月以降、お金に余裕がないので自炊はほぼ諦めていたが、レトルト食に戻ってやっていけるかが不安だった。インスタント袋麺も、買い置きはしてあるが美味しいと思えなくなった。なんとか工夫して安上がり、かつ労力が自分の負担にならない範囲で、少しでも自炊できたら嬉しいと考えている。

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