暮らしやすさと素材について
建物の素材や仕上がりを考えることも、暮らしを考えるうえで重要な要素のひとつです。
特に1日に過ごす時間が長くなればなるほど。
在宅ワークがメインの夫婦 + 子供で暮らすことを意識して素材を選びました。
◯ 外壁について
素材はガルバリウム鋼板の波板。
15年に1度塗り替えが必要ですが、金額も性能もいい塩梅だと思います。
ガルバリウムの外壁はスタイリッシュになりがちなので、色や形状でやわらかい印象になるよう工夫しました。
小波板が主流ですが、少し野暮ったさが欲しかったので大波板に。
既成の役物を使うとごつくなるので、コーナーやサッシ周りはシンプルになるよう設計しました。
色は葡萄色。
引越し先である埼玉県宮代町は、葡萄の産地で有名なこともあり、まちの至るところにモチーフとして装飾されています。
マンホールや舗装のタイル、案内板など。
まちを歩いていると街区表示板も赤紫色なことに気づき、外壁を葡萄色にすることにも抵抗なく選びました。
地元のひとたちが庭に育てるなど、葡萄愛が大きいまちです。
◯ 床の材料
床材は杉の無垢フローリング(t15)。
幅は工務店が仕入れやすいものでお願いしました。
小さい子供がいるので柔らかい木を選んでいます。
オスモカラーのチェリー(ウッドワックス)とクリア(フロアクリアー3分艶)をDIYで2度塗り。
実際、キズはつきやすいですが(子供がおもちゃをよく落とす)、塗料が浸透しているので凹んでも表面と同じ色を保っています。
柔らかい木は足の裏も温かいので満足しています。
脱衣室とトイレは天然素材でつくられているマーモリウムを。
水はねがいいので水回りにもおすすめです。
アクセントに青色を選びました。
フローリングの色とも相性が良いです。
◯ 壁の材料
壁は主にしっくい塗装、寝室や水回りは壁紙にしました。
しっくいは高いから手が出せないと思っていましたが、榊住建では下地材なしで石膏ボードに直でしっくいを塗る方法も提案してくれました。
割れやすくなるなどのデメリットはありますが、手間が半分になるので壁紙より「少し高い」くらいでできます。
なにより調湿効果が期待できることと、子供がいるので自然素材であることは大きなメリットでした。消臭効果、抗菌作用もあります。
左官の自然なムラが楽しめるのも満足しています。
質感があるので、太陽光や照明があたったときの陰影が美しいです。
壁紙は1000番台から選んでいます。
◯ 天井の仕上げ
天井の仕上げは、主に壁仕上げに合わせてしっくいと壁紙。
1階にある居間は梁を表しに、2階の仕事場はシナ合板をそれぞれチェリー色塗装に仕上げました。
単調になりすぎないよう、素材を切りかえて変化を出しています。
食卓の勾配天井を合板仕上げにする案もありましたが、キッチンがオープンなので不燃材にする必要があり(建築基準法的に)、しっくいにしています。
与条件を整理しながら、全体のバランスを整えながら、素材も決まっていきます。
◯ 見えないところの仕上げ
構造材を何にするのかも大切です。
長期優良住宅の基準で、地面から1m以内の外壁の軸組などを劣化対策する必要があります。
防腐防蟻用の薬剤を木に注入する方法もありますが、小さい子供がいるので避けたい。
ヒノキであれば安心というのがありました。
榊住建のデフォルトがヒノキだったのもこの工務店を選んでよかったことの1つです。
見えないからこそ、腐りにくくメンテナンスがしやすく、できるだけ害がでないものを選びたいところです。
ただ、着工の時期がウッドショックと重なったため、仕入時の価格をみて最終決定をすることに。
発注タイミングによっては集成材やベイマツが安くなったりと読めない状況が続きました。
結果、当初予定していたヒノキになりました。
予算に限りはありましたが、ながく暮らす家として、仕上げも良い塩梅で選べたと思います。
「小さく暮らす」についてまとめたnoteはこちら↓
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