見出し画像

インディーアジアポップの祭典が爆誕。|Asian Pop Festival 2024(後編)

6月22日(土)、23日(日)に韓国・仁川(インチョン)の統合型リゾート施設・Paradise Cityで今年初開催された『Asian Pop Festival 2024』。韓国、台湾、中国、フィリピン、タイ、そして日本、アジア各国から注目バンド / アーティストが集結した、フェスのレポート後編です!前編ではフェスやステージの紹介をメインに書きました。後編は現地で感じたことや海外フェスの楽しみ方を書いて行きたいと思います!

▶️ フェス概要やベニューの紹介をメインにした前編はこちら

リサイクルにキャッシュレス

Asian Pop Festival 2024(以下APFと呼びます)で快適に過ごせた理由が、ベニューの良さの他に運営のスタイルにもあって、感動したのは完全キャッシュレスにリサイクル推奨だったこと!会場の至る所にゴミ箱が設置されていてゴミが散らからない工夫がされていたし、ブースでも分別式のゴミ箱になっていました。さらに、テントのところに「TRASH」じゃなくて「RECYCLING」って書いてあるのがよいですよね。仁川空港でも「燃えるゴミ」か「リサイクル」という区分のゴミ箱が多くて、韓国は日常的にリサイクルにも積極的なのが伺えました。おかげで会場内に落ちてるゴミとかもなくて、めちゃくちゃクリーンなフェスでした。フジロックのイメージから、勝手に日本のフェスはクリーンだという洗脳があったけど、韓国のフェスもとってもクリーンです。すごく過ごしやすかった!

トイレはコンテナ型。中に4つほど個室があります。雨でも快適で鏡や洗面台もあってすごくよかった!

そして最高だったのがキャッシュレス。韓国自体が基本的にキャッシュレス文化だそうで、わたしも滞在中全く現金使うことが無かったのだけど、フェスにも完全キャッシュレスを導入していたのは海外参加者からするとめちゃくちゃ助かったところです。クレジットだったら問題なく使えました!キッチンカーが並ぶフードコートも、まず券売機ブースでフードチケットを買って、それぞれのお店に注文しに行くスタイル。券売機はクレジットもちろん対応。タッチパネルで操作できるし、メニューもわかりやすくなっているので、フードチケットもスムーズに買えるようになっていました。

ビールもフードも全部キャッシュレス!最近海外のフェスのビールが高い!と言われがちだけどAPFは確か800円とかそれくらいで日本とあまり変わらなかった記憶。レモン風味のノンアルビールもあってそれも結構おいしかったです。

もちろんオフィシャルグッズ、アーティストグッズなどのMERCHも全部キャッシュレス!オフィシャルグッズは、レジで欲しいアイテムを伝えてクレジットで決済、出力されたレシートを持って受け渡しブースに行けばグッズがもらえるスタイルでした。なんてスマート!ついつい色々買っちゃいます。

2日目夕方にはSALEも!

わたしはトートバッグとキーホルダーとタオルをゲットしました!デザインが可愛くて、絶対に欲しいと思っていたので無事に入手できて嬉しかったです。

楽しませコンテンツがたくさん

APFにはフェスを楽しむ仕掛けもたくさん。オフィシャルグッズのところにはタトゥーシールをつけれる場所がありました。簡単だしシンプルだけど可愛くてテンションも上がるし、タトゥーシールいいですよね。わたしがもたもたしていたらスタッフさんや、近くにいたお客さんがこうするのよと教えてくれて、韓国の皆さん本当に優しいなと思いました。ちなみにこのタトゥーシールは、初日はFREEで1人1つまでつけてもらえたのですが、2日目は1枚100円で販売されて各々でつけるスタイルに変更されてました。1日目つけたら2日目も絶対つけたくなるのでこれはトラップでしたね笑

あと韓国はじめアジアのフェスではこういった簡易プリクラ機があるところが多いみたいです。記念にもなるし、デザインも可愛いし、思い出にもぴったり。日本のプリクラに比べると本当に簡単なフォトシールですが、結構並んでましたしオリジナルフレームがかわいいのでこれは撮りたくなります。

わたしは撮らなかったけど、持っていた人に見せてもらいました!

あとこのロゴの入ったウォールがフォトスポットになっていたのもかわいかった!!前日に、APFのチームの方がSNSで写真を投稿していて、みんなそれを真似てかシルエットに体を合わせて写真を撮っていました。おもわずみんなでやりたくなる体験設計も、事前にフェス側から楽しみ方のサンプルを投稿するのも上手いなあと思いました。

そういえば入り口での持ち物チェック、ステージでは前方へ寄ってくださいの声かけをするなど(規制してなくてもそういう声掛けを常にしていたので、ビジュアル作りのためだったのかも。)、コンパクトなベニューの割にスタッフさんはいろんなところに散らばっていて、たくさんいらっしゃった印象でした。建物内などはParadise Cityのスタッフの方も混じっていそうだったので、そう感じたのかなと思います。フェスのスタッフさんは若めの方が多かったので日本と同じく大学生やボランティアスタッフの方々だと思うんですが、わたしの慣れない英語にも合わせてくれたり、シャトルバスのところの説明をGoogle翻訳でしてくれたりなど、スタッフの方がすごく優しかったのも、フェスが心地よかった理由のひとつだなと思います。ASIAN POPを銘打つ割には場内の案内やSNSも韓国語が多かったけど、現地でのコミュニケーションですっごく困ったことはなかったです!!

フラッグの下がめちゃくちゃ楽しい

この体験はわたしのフェス体験史上で最もスペシャルで刺激的な時間でした。韓国のフェスといえばこの長いフラッグがにょきにょきしているビジュアル!!目の当たりにして、気持ちがすごく高揚しました。韓国にはフラッグ屋さんが結構いるらしく、ファン活動としてもポピュラーなんだそうです。APFで見る限りは活動歴の長いアーティストに固定のフラッグが多くある感じでした。韓国のフェス以外でもイギリスのグラストンベリーでも同じデザインのフラッグがいた写真を見るとフラッグも世界を飛び回っている様子・・(すごい)。フラッグを見てファン的にもアーティストに対して「自分は今回もいるよ!」と伝えられるし、ファンの間でも「あ、あの人いるんだ!」みたいな感じになるだろうし、ファン界隈では有名人なのではと思います。あと韓国語ってデザイン的に可愛い・・なんて書いてあるかわからなかったので教えてもらった限りではアーティストの名前や「XXがいる世界は最高」といったようなアーティスト推しのものが多いのだそうだけど、時々自分の名前を掲げている人がいたりもするらしい。日本人でいうとファンうちわみたいな感覚なのかも。規模がでかいなあ。

そしてなんとフラッグを持たせてもらうことが叶いました!!!!2日目のKim Sawol でフラッグを振っていた方々と話すことが出来て、持ってみていい?と聞いたら快く・・!涙 めちゃくちゃ重いかなと思いきやものすごく軽くて女性でもライブ中振れるくらいの重さでした。APFは風も少なく心地よい気候だったので、フラッグ日和だったのではと思います。日本でもフジロックで数本見かけるけどそもそもそういった文化がないので迷惑やトラブルになったりするケースが多いそう。現地にいた日本のイベント主催者の方が「フェスの見た目的に映えるけどクレームリスクの方が多いので日本は難しいんだよね」といっていました。すっかりわたしも欲しくなってしまったのですが、日本では振れる機会がなさそうです・・・でもフラッグを持てたこと嬉しかった!持たせてくださったTeam Kim Sawol の方々には感謝です。

2日目のKim Sawolのライブではフラッグを持った人たちが並んで?大きな輪をつくってぐるぐるぐるぐる芝生の上を回っていたのがめちゃくちゃピースフルでした。わたしも大きな輪に入ってみたんですが、楽しかった!最後にはお客さんたちがハイタッチしてくれて、天気も良かったので、青空に抜けていくKim Sawolの音楽を聴きながらみんなでハッピーになれて、最高の楽しみ方でした。

一方で激しいものも!1日目のIDEOTAPEでも多くのフラッグが生えていましたが、IDEOTAPEではモッシュが起きました!!!このバイブス高めなモッシュも韓国のフェスではよくあるあるだそうですが、こちらにもせっかくなので飛び込んでみました笑 モッシュの時は大きくサークルを作ってフラッグが中央に向かって倒れます。それが一気に上がったら、真ん中めがけて飛び込んでいきます!!一つのライブ中で何度もモッシュが起きるのでわっちゃわちゃになりました。近くに屈強なセキュリティの方がいるので、モッシュのタイミングは彼らもお客さんの安全を守るために飛び込んでいました。特に女性だと倒れてしまう人もいて、わたしも最後気を抜いてたら転んで押し倒されてしまいましたw コツは、真ん中めがけて走り込んだらすぐに外に向かって走ることです。真ん中にずっといてわちゃわちゃしてると外に向かってくる人の波に押されて転んでしまいます。4回ほど飛び込んでコツを掴んできました!次に飛び込む機会があったらうまく立ち回れると思います!

フラッグが上がったら
とにかく突っ込みます!
いい意味でライブそっちのけで盛り上がりまくる!!!!

テンションが冷めやらず、いろんなお客さんが肩を組んで回るなどの光景も。韓国のお客さんはもちろんライブは楽しむのですが、フェス自体の空間と楽しむときの一体感みたいなのをすごく大事にしているなあというのが感じたことです。わたしも個人的には、その時その場そのお客さんとの一期一会でエンゲージメントを高めてくれるアーティストやライブパフォーマンスがとても好きなので、韓国のグルーヴはすごくよかったし、お客さん自体がアーティストと一緒に忘れられない空間を作り上げている感じがして感動しました。

そういった意味でもフラッグはライブ中のお客さんのテンションを上げるばかりでなく、その場の一体感も生むすばらしいシンボルでした。アーティストから見ても、お客さんが盛り上がっているのがシンプルにわかるし、刺激的な光景なんだろうなと思います。日本ではモッシュやこういう体当たり行動が禁止されているフェスが多いですし、自身も一回もモッシュ体験したことなく、いつも後ろの方でのんびり踊っているタイプでしたが、ついつい飛び込んでしまったのはアジアの空気のおかげかもしれません。韓国フェスのお客さんは本当にバイブスが高いし、フラッグの下はめちゃくちゃ楽しい!というのは体当たりで楽しんだ実感です。

アジアに架かる音楽の大きな橋

今年初開催となったAsian Pop Festival。インディーアジアポップの祭典として今後きっと確立したポジションを築いていくであろうこのフェスの初回に参加できたことと、すばらしいバイブスを感じたこと、そして現地で多くの出会いをさせていただいたこと。すべてにおいて貴重な経験でした。ベニューの設計の仕方やオペレーションは日本と比べてハッとすることもありましたし、日本のアーティストの立ち振る舞いや、あとは現地のお客さんの音楽の楽しみ方を見れたのもすごく勉強になりました。音楽は世界中で鳴っているし、フェスも世界中にあります。いつもウォッチしているアジアのフェスがまだまだたくさんあるので、この経験をもってより一層、国外のフェスにも足を運びたくなりそうです。

APFはアクセス的にも、難易度的にもすごく参加しやすいフェスだったので、来年以降日本からのお客さんも増えていくのではないかなと思います。わたしもまたいきたい!

水曜日のカンパネラ
Kim Chang Wan Band
Ena mori

Asian Pop Festival 2024 概要

開催日時:2024年6月22日(土)23日(日)
会場:韓国・仁川 Paradise City(186, Yeongjonghaeannam-ro 321-gil, Jung-gu, Incheon)
料金:1DAY PASS:110,000Won、2DAY PASS:176,000Won
出演:
ADOY / BONGJEINGAN / IDEOTAPE / KIKI / NELL / NO PARTY FOR CAO DONG / ENA MORI / HATHAW9Y / JAPANESE BREAKFAST / KIMCHANGWANBAND / KIM SAWOL / SAY SUE ME / never young beach / ペトロールズ / betcover!! / 坂本慎太郎 / カネコアヤノ / 水曜日のカンパネラ
公式サイト:https://asianpopfestival.kr/
X:https://x.com/asianpopfest_kr
Instagram:https://www.instagram.com/asianpopfestival_kr/

#音楽フェスレポート

この記事が参加している募集

#フェス記録

1,537件