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インディーアジアポップの祭典が爆誕。|ASIAN POP FESTIVAL 2024(前編)

念願の海外フェスに行ってきました!!しかも大好きなアジアの音楽が集うフェスに。これは自分にとって本当に記念すべき経験になりました。現地での出会いやご縁にたくさんの感謝をしながら、素晴らしいあの空間を振り返りたいと思います。

行ってきたのは、6月22日(土)、23日(日)に韓国・仁川(インチョン)の統合型リゾート施設・Paradise Cityで開催された『Asian Pop Festival 2024』。韓国、台湾、中国、フィリピン、タイ、そして日本、アジア各国から注目バンド / アーティストが集結するこのフェスは、K-POP / J-POP / C-POPなどのいわゆる国を代表するメジャージャンル以外の、アジアのインディーズを総合するような概念として「ASIAN-POP」を命名しています。出演されるアーティストはアジア出身もしくはアジアとの絆があるアーティストに限られていて、唯一アメリカから出演したJapanese Breakfastも、ボーカルのミシェル・ザウナーが韓国系アメリカ人で、繋がりがあることから(彼女はMCも全部韓国語でした)。日本からはnever young beach、ペトロールズ、坂本慎太郎、水曜日のカンパネラ、betcover!!、カネコアヤノが出演しました。現在アジアでの公演が増え注目度の高いアーティストが選ばれています。

Asian Pop Festival 2024は今年が初回開催。世界には歴史ある大きなフェスが多い中、初回に遊びに行ける・しかも大好きなアジアポップ!ということで発表当時からウォッチしていたので、初の海外フェスをこのフェスで叶えられたのはとても嬉しいことでした。残念ながら1日目が雨だったのですが、2日目は真っ黒に日焼けするほどの晴天。日本にいたら経験しなかったであろう、体当たりなフェスの楽しみ方を体いっぱいで体験しました。残しておきたいシーンがたくさんあるので前編と後編に分けてレポートを書きたいと思います。

早速前編では、フェス概要やベニューの紹介をしたいと思います!

▶️ 現地で感じたことや海外フェスの楽しみ方をメインにした後編はこちら

アジア各国から注目度の高い音楽が集結

冒頭でも述べた通り、このフェスには、日本でも耳にする注目のアーティストたちが各国から集結していました。ブッキングチームの選定には完全にノックアウトです。
韓国からは、インディーロックバンドのSay Sue Meや世界中のロックフェスに出演するIDIOTAPE、4月には来日も果たし韓国の音楽賞を複数回受賞しているシンガーソングライターのKim Sawol、東京のワンマンが追加公演含めあっという間にSOLDOUTしたSilica Gelのギター/ボーカル、キム・チュンチュのソロプロジェクトPLAYBOOKなどなど。そしてタイのエレクトロポップバンドKIKIや今年フジロックにも出る台湾インディーバンド・No Party For Cao Dong / 草東沒有派對、フィリピンを拠点に活躍する日本生まれのena mori、大好きな音楽も待ち遠しかったですし、特に韓国の、ホットな音楽がこんなに一度に聴くことができるなんて本当に本当に最高でした。オフィシャルプレイリストを聴いて好きになったアーティストもたくさんいました。

never young beach、カネコアヤノ、ペトロールズ、坂本慎太郎、水曜日のカンパネラ、betcover!!。日本から出演したアーティストの感想を書いておこうと思います。全組、思わずガッツポーズしたくなるくらいかっこいいパフォーマンスでした。韓国の熱狂的な音楽好きたちが、日本のアーティストのライブにたくさん声をあげて反応しているのを目の当たりにして、音楽はこうやって国や文化や言語を全部繋いでくれるんだなと心から思いました。印象的だったのはカネコアヤノで、わたしは彼女のライブをこの時初めて見たのですが、彼女の圧巻の世界観と震えるほどの歌唱力・演奏力に息を呑みました。音源とライブでこんなにギャップがあるんだとかなり驚きましたし、SNSを見ていても韓国の方含め多くの方から称賛をされていたのはカネコアヤノだったような気がします。

ペトロールズはまさかの機材トラブルで1曲目の終わり頃から長岡さんのギターが鳴らないというアクシデント・・・。「ギター一本しか持ってきていないんだよね、、誰か持っていない?」と困り果てる長岡さん。ペトロールズは韓国初公演だったので、長岡さんのかっこいいギターが聴けないことにとても残念な気持ちだったけれど、会場からは「がんばってー!」「だいじょうぶー!」と言ったエールが飛び交っていました。日本人の方だったのか、韓国の方が日本語で声を上げたのかわからないのですがとてもあたたかい空間。そして一番最後の曲になったときに裏から代わりのギターが到着。ようやくギターと笑顔を取り戻した長岡さんを待っていたかのように「Fuel」では会場が「HEY!」で大合唱。めちゃくちゃドラマを感じながらも、彼らにとっては悔しい時間だったと思い、海外公演の際のアクシデントの大変さを思いました。

多くの歓声に包まれたペトロールズと、ハッピを着てステージを駆け回ったネバヤン

そして水曜日のカンパネラは、どの国のアーティストにもない、楽しくてかわいいエンターテイメントを披露。観客側の芝生から歩いてステージに上がり、すっかりお楽しみとなったボールパフォーマンスで会場は大興奮、招き猫を召喚して一緒に歌い、代名詞の「KAWAII」で観客をひとまとめにしました。詩羽ちゃんは何度もアジアで公演を行なっているので、その経験からか手元にメモを持ち韓国語で話しかけていたのもとても良かった。「全然下手なんだけどさ!」と言いながら、でも彼女が一言伝える度に韓国のお客さんは歓声で応えていました。彼女の愛嬌もあってこそかもしれないけれど、下手でもカタコトでも、その場その国の言葉を使うことが、その時限りのコミュニケーションになるし、せっかくの海外公演でその場所で少しでも好きになってもらう・エンゲージメントを高めたいことを考えると、こういうのは積極的に海外公演の際は使うべきテクニックの一つだろうと思いました。

詩羽ちゃんも「早い!w」とびっくりするほどスピード感のあるボール運びでした笑

あとAsian Pop Festivalではリハーサル中は「CURRENTLY UNDER REHEARSAL」という文字がちゃんと出ていて、今本番なのかリハなのをアナウンスしてくれているのも良かったです。他国のアーティストで初めて見るバンドだとちょっと間違いそうになる時があったので、この配慮もすてきでした。

仁川空港からアクセスも◎

日本アーティストも多く出演し、きっと来年も再来年も続いていくであろう(続いて欲しい)Asian Pop Festival、以下APFと呼びたいと思いますが、わたしにとっての初アジアフェスがAPFだったのはとても幸運でした。アーティストも大好きな方ばかり、日本からも近く週末弾丸でも行ける(わたしは金夜入り月昼帰りでした)、ごはんもおいしい、物価も高くない。そしてアクセスもいいし、ベニューの快適さクリーンさは日本のフェスに慣れていても素晴らしいと感じるほど良かったです。ライブの話がそこそこですが、APFの会場を紹介したいと思います。

まず、APFの会場となった「Paradise City」は、カジノ付きの高級リゾートホテル施設です。仁川空港からシャトルバス/タクシーで10分以内!フードコートやカフェなどの商業施設もあり、カジノやクラブといった大人のエンターテインメント施設も併設。APFの屋外メインステージと3つの屋内ステージは、すべてParadise Cityの敷地内で完結していたので、設備としても整っているし、トイレも綺麗だし、施設内は涼しいし、道が整っているので足元もどろどろにならないし、正直、野外フェスの気持ちで行くと拍子抜けするくらい快適な空間でした笑 Paradise Cityは日本語のサイトもあるのでぜひ見てみてください!

ちなみにわたし自身は今回韓国に行くのも初めてだったのですが、仁川空港は韓国の本土?から離れた島の方にあり、APFはそこで開催していたので、弾丸週末フェス旅をしたわたしは、結局仁川の島から一歩も出ずに初韓国を終えました。笑

地図を見ると仁川空港からParadise Cityは少し離れて見えると思いますが、空港とParadise Cityを行き来する無料シャトルバスが30分に一本運行されていて、会場へはシャトルバスか、タクシーを使っていくことができます。有料シャトルバスもあったようですが、今回は無料バスを使いました。タクシーで行くと1000円くらいだと思います。アクセスがわかりやすいのは海外民からすると本当にありがたいですね・・・!

行き先の札に日本語まで!!!!(Paradise Cityの利用者は日本人が多いのかな)

さまざまな表情のステージ

APFのユニークなポイントに、4つあるステージの表情の豊かさがあります。

オフィシャル会場MAPはこちら。ワクワク感のあるデザインが大好き。
実際にGoogleMAPで見るとこんな感じになっています。一番離れたCITYからRUBIKも10分かからないくらいです。

水色の星マークがチケット交換所とクローク、ピンクの星マークがエントランスになります。黄色の星マークはPLAZAというParadice City 併設の商業・エンタメ施設。クロークとチケット交換所はCHROMA STAGEの建物とPLAZAの間にあり、クロークは預ける時に支払いと、出し入れの際に都度払いが必要のかたちでした。(大きい荷物は要予約)

こちらがエントランスです。ステージに入る際はどのステージでも入り口で持ち物チェックがあり、飲食物は水以外持ち込み禁止でした、、、!飴やミントなどのタブレットもNGでした。(泣く泣く韓国の好きな飴を没収されることに。。)持ち込みチェックはかなり徹底していたので会場内は売られているビールやフードのみでしたが、エントランスを出ればコンビニや商業施設のフードコートで買って近くのテーブルで食べたりできるので、そこまでストレスも感じなかったです。

PARADISE STAGE

エントランスをくぐって見えるのはメインステージのPARADISE STAGE!ひらけた芝生にどーんとあって、屋外フィールドの隅からもステージがよく見えたし、どのステージにも言えますがAPFはとても音響がよかったのでどこにいても音が届きました。後方はピクニックエリアが仕切られていたので、シートを持ってきて基地を作っているお客さんも。公式MAPでもPICNICエリアが明記されていたので、ピクニックアイテムを用意してきたお客さんも多かったみたいです。開場するとすぐにピクニックエリアはいっぱいになっていました。

規模感的には贅沢すぎるでかでかモニターが3面も。これがメインステージの貫禄。
夜になると表情が一変するのが屋外ステージの魅力。これは韓国のロックバンドNELL。

CITY STAGE

PARADISE STAGEの横にあるガラス張りの施設は、普段もコンサートホールとして使われているところみたいで、中に入ると「あれ?ソニマニ?」と思うくらい、幕張メッセにデジャビュを覚えました。ここでも入り口で持ち物チェックがあるので、人気のアーティストだと開始時間前に長蛇の列になることもしばしば。中にはお手洗いもあるので休憩したり涼んだりのお客さんもたくさんいました。

入り口の装飾がかわいいCITY STAGE。
サブステージにもでかでかモニターが3面!フジのホワイトすらこんなにモニターないのに・・!

CHROMA STAGE

DJでガンガンに盛り上がったCHROMA STAGEは、17時以降にOPENするナイトクラブでした!APFではチケットを交換する時に、リストバンドと別で19歳以上はバンドをつけるのですが、お酒の他にこのナイトクラブの年齢規制もかねていました。CHROMA STAGEは18歳以下NGで、ガードマンが入り口に立っていました。夕方はさほど混んでなかったですが、夜は人でいっぱいに。おしゃれなバーやソファもあり、ライティングや装飾もパーティーすぎて、一気にテンションが上がりました。バーカウンターもあり、飲んで歌って騒いで、と、完全にナイトクラブのテンションでした!

宇宙・・?
建物の造形もユニーク。中に入ると一気にオトナの空間が広がります。

RUBIK STAGE

そして圧倒されたのが、3つのステージから少し離れた場所にあるRUBIK STAGE。普段もライブミュージック・ラウンジバー「ルービック」としてジャズやライブのイベントを展開している場所だそうで、ステージに行くにはホテルのサイドにある入り口からロビーを通って行きます。初めてRUBIK STAGEに向かった時は、こんなところ雨に濡れたカッパで通っていいんですか・・?と思いたくなるほどの高級感にドキドキしました。

そしてSTAGEはこんなかんじ!さっきのCHROMA STAGEも圧倒されましたが一歩入ったらこのラグジュアリーな空間に間違いなく目がキラキラすると思います。ステージには幕が降りており、ステージに向き合う形でバーカウンターが。お酒を片手にソファに座ってライブを楽しむことができます。このステージは時々入場規制がかかるほど。わたしもKIKIを見に行ったときにぱんぱんの会場でぎゃんぎゃんに踊りました。しっとり歌い上げる音楽も似合うし、ガンガン踊る系の音楽も似合うし、すごくいいステージでした。

こんなふうに4つの異なる表情のステージがあり、それが1つのフェスになっているってかなり面白いと思います。さまざまなアーティストのジャンルにも答えられるステージ作りは、アジアポップの代名詞を打つにふさわしい設計になっていると感じましたし、これはParadise Cityの施設ポテンシャルを活かした体験的にもユニークな設計だなと思いました。どのステージも最高でした・・・!!!

リゾート施設併設の快適さ

そしてもう1つ施設の紹介で外せないのは、PLAZAという商業エンタメ施設です。奥にはカジノもある施設なんですが、広々した空間にキンパやチキンなどのフードコートやカフェもあって、雨が降ったり涼みたい時は結構頻繁に出入りしてました。ホテルの施設なので、綺麗なトイレに入れるのもよかった・・今まで行ったフェスの中でもトップレベルでトイレが綺麗だったと思います!

PLAZAの中ではアートの展示などもされてて、ホテルの利用者と思われるファミリーもたくさん。面白かったのは、あちこちに走り回っていた電動の乗り物。にに子供を乗せて大人が後ろに立てる設計になっていて、これでゴーカートのようにぐるぐる移動しているのがシュールで面白かったです。

仁川空港ほど近くということで飛行機も間近でガンガン飛んでいました。コンパクトながら色々な体験ができるフェスだったなあと思います。せっかくなのでカジノも行ってみたかったのですが、カジノの放つオーラが刺激すぎて断念。。来年また行ったらトライしてみたい気持ち!

アクセス的にも日本の方も多かったようで、フェスの様子はSNSでも色々アップされています。Xのハッシュタグは #AsianPopFestival よりも #아시안팝페스티벌 の方がたくさん投稿あるかも。ただ、韓国の方はあんまりXを使ってないそうで、Cacaoなどが多いのだそうです。でも日本の参加者の投稿もたくさんあるのでぜひチェックしてみてください😉

後編に続きます!

Asian Pop Festival 2024 概要

開催日時:2024年6月22日(土)23日(日)
会場:韓国・仁川 Paradise City(186, Yeongjonghaeannam-ro 321-gil, Jung-gu, Incheon)
料金:1DAY PASS:110,000Won、2DAY PASS:176,000Won
出演:
ADOY / BONGJEINGAN / IDEOTAPE / KIKI / NELL / NO PARTY FOR CAO DONG / ENA MORI / HATHAW9Y / JAPANESE BREAKFAST / KIMCHANGWANBAND / KIM SAWOL / SAY SUE ME / never young beach / ペトロールズ / betcover!! / 坂本慎太郎 / カネコアヤノ / 水曜日のカンパネラ
公式サイト:https://asianpopfestival.kr/
X:https://x.com/asianpopfest_kr
Instagram:https://www.instagram.com/asianpopfestival_kr/

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