最近よく見るようになった投資の指標について

最近、PSR、売上高総利益率、販管費率の内訳を見て投資するものが増えてきたので、今日はそのあたりについて書いていきたいと思います。

自分が投資を始めた頃はリーマン・ショックから日本があまり回復できていない状態にあり、円高に加えて東日本大震災による被害なども重なり、日経平均株価が8000円から10000円台でした。そのため、日本株の中には相場につられて下がってしまった、高成長率、高利益率、低PER、低PCFRを満たすようなものが見つけやすかったのですが、最近はコロナのタイミングを除いて、そのように何もかも良い条件を満たしている株はあまり見つけられなくなりました。

そこで今までの投資手法を見直し、PSRを活用した投資も行うようにしました。

具体的には、PSR、売上高総利益率、販管費率の内訳を見て投資を行っています。

一部のグロース企業(特にSaaS系)は、マーケットを先に押さえていくために、売上高総利益を投資原資と考え、広告宣伝費等のマーケティング費用を大きくすることで営業利益で見ると赤字かほぼゼロになるような状態にして成長を加速させています。そのような企業の場合には、PERやPCFRで見ても評価できません。そこで、PSR、売上高総利益率、販管費率の内訳を見る必要が出てきます。

PERやPCFRで評価できないような上記のタイプのグロース企業に投資するときは、まず販管費率の内訳を見ます。

日本だと主に広告宣伝費等にどれだけ振り向けているかを見ます。海外の場合には、S&M(Sales and Marketing)にどれだけ振り向けられているかを見ます。そうすることでその企業が将来的にマーケットを十分に取ったときに減らせる金額がどの程度あるかわかります。一般的な利益率や業界の平均利益率も加味することで売上高当期純利益率がどの範囲になりそうかがある程度決められます。

売上高当期純利益率の範囲が決まれば、PSRから擬似的なPERを導出できます。

PER = PSR * (1 / 売上高当期純利益率)

CAGR(年平均成長率)を用いればPERから擬似的なPEGレシオも導出できます。
* 厳密にはCAGR部分に潜在株式調整後一株あたり利益成長率を割り当てたほうが良いと思います。

PEGレシオ = PER / CAGR

ここまでくれば推定値ではありますが、普通に利益を出している他の企業の株価を成長率込みで比較することができます。

日本だとfreee、海外だとSalesforceのような企業がこのような形で計算しないと正しい評価が難しいかと思います。

結論: PERやPCFRで評価できない企業は、PSR、売上高総利益率、販管費率の内訳を見て評価しましょう。

あとがき:
当期純利益率だと特別損益でぶれたものが入って比較しにくいので、比較しやすい経常利益で見るほうが好きです。

## 参考書籍


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