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あんこ博覧会に行ってきた ※11/7 全ての購入菓子の感想追記


初めに

僕は家でも餡子作るくらいに餡子が好きです。
どれくらい好きかというと、大納言小豆500gを購入し茹で小豆にした後、砂糖700~800g(茹で小豆の重量の6割、普段菓子作らない人が見たらビビる量だけど、和菓子はこれでもマシな方である。洋菓子だと同じノリでバターやら生クリームやらが入るので)投入し、それを練り上げて粒あん1400〜1500gほど作り、1〜2ヶ月で消費してしまうほどには好きです。糖尿病予備軍過ぎるだろ。

というわけで行ってきました、丸井でやってる餡子博覧会。
年配の方多いかなー、と予想してたのですが意外と若い人も多い。というか単純に人が多い。和菓子好きとしては嬉しい限り。

食べたもの

銀座 空いろ(東京) あんソフト

東京行ったら最中10箱まとめ買いするほど好きなので空いろも見かけたら買ってはいるのですが、その評価は「空也の名前無かったら続かないだろうな」といった感じ。それでももしかしたら美味しくなってるかもしれない、という思いのもと見かけたらそこそこの頻度で買ってはいますが、やはり今回も微妙ですね。餡子ソフト・粒餡共に一般的なもの、白餡に至っては色も悪く、味わいもボヤけた印象。土台の最中生地は香ばしくて美味しかった。
写真の餡子は追加注文でそのままだとソフトだけ。本来追い餡子は粒餡と白餡どっちかですが、2つ分料金支払うからどっちもつけてくださいと伝えると、150円で量を減らして両方追加してくれました。スタッフの方が感じ良かっただけに商品が余計に悪目立ちしてます。気の毒。

匠あんこ堂(青森)  餡子食べ比べ

渋切り粒餡、渋切らず粒餡、白小豆のこし餡、白餡と粒餡を混ぜた千鳥餡、こし餡に鹿子を混ぜ込んだ餡、鬼ザラ糖こし餡、きび砂糖こし餡、低糖質こし餡、低糖質粒餡、和三盆餡の10種から2種選択。僕が食べたのは試食で渋切り粒餡、低糖質こし餡を、2つ買って渋切らず粒餡、白小豆こし餡、鬼ザラこし餡、きび砂糖こし餡計6種。
・渋切り粒餡
 一般的な味わい。わざわざこれを選ぶ必要性は薄いかな。
・渋切らず粒餡
 こちらは小豆の風味がしっかりしていて美味しい。自分で作る際にそれやろうとすると、どうしても渋が強く残り過ぎてしまって不味くなるんですよね。
・白小豆のこし餡
 個人的に貴重な白小豆を粒餡じゃなくこし餡にするの勿体無いなー、こし餡にするなら普通に手亡豆でいいじゃんと思ってますが、手亡で作ったこし餡にありがちな野暮ったさがなく、上品で美味しい。流石白小豆。今回食べた餡子の中で一番おすすめ。
・鬼ザラこし餡
 こし餡に精製度が高い鬼ザラ糖を組み合わせたもの。後述するきび砂糖よりスッキリした味わい。ただこし餡自体がそこまで晒してるわけじゃないので、わざわざ鬼ザラ糖と合わせる必要性は薄く感じた。こし餡って丁寧に晒すと黒じゃなく藤色になるんですよね。そこまで晒したなら鬼ザラ糖の方が絶対いいです。
・きび砂糖こし餡
 こし餡に精製度が低いきび砂糖を組み合わせたもの。先のに比べこっくりしている。こし餡の晒し具合的にこちらの方がやはり味わいとして調和してますね。鬼ザラとの食べ比べ自体は楽しいが、味わい自体は一般的なもの。
・低糖質こし餡
 ぶっちゃけそんなに美味しくないけど、そもそも健康志向のものなので、そこに美味しさを求めるの自体間違ってるかも。

どら焼きの皮と餅、黒蜜がごく一般的な味わいだったので、餡子だけ10種全部小さく食べれるセットあったら良かったのに。単純に美味しいものを食べたい人向けというより餡子フリーク向けかなあ。

買ったもの

以下、購入したもの。記事書いてる時点で食べたのは月乃舎だけなので、他は食べ次第随時追記していきます。

月乃舎(三重) わらび餅 栗きんとん

栗きんとんは和栗と砂糖のみで作って茶巾絞りにしたシンプルなものなので、素材勝負になります。美味しくないとこだと水分飛ばしすぎてパサパサでボロボロと崩れてしまうのですが、こちらは水分をある程度保っておりしっとりしてました。水分と栗の割合はトレードオフですが、栗自体良いものを使っているのでしょう、栗の強い風味と食感を両立してます。
わらび餅は王道の美味しさ。ただ栗きんとんの完成度を考えると少し物足りないかも。
とはいえ本蕨粉も和栗も非常に高価なことを考えると、1つあたり300円少々なのはかなり良心的だと思います。

あんこの勝ち(大阪) Anプリン

和洋菓子を合わせると基本的に洋菓子が勝つのですが、それに真っ向から反論する店名が面白かったので購入。店名がすげー大阪らしくて笑ってしまう。食べ比べたかったので、粒餡、こし餡、皮剥き餡をそれぞれ購入。

食後感想
まず共通のプリン部分から。プリン単体として見ると、かなり甘さ控えめで卵の風味が強く感じます。餡子とのバランスを考慮してか一般的なものよりしっかり目かな?

次に餡子単体と、一緒に食べた時の味わい。
・粒あん
 相当練り上げられており、かなりしっかり目で好みのタイプ。ただ単体で食べる分にはやや甘味が強いかな。一方プリンと一緒に食べれば、先述の強めの甘味と甘さ控えめのプリンと混ざることによりいい塩梅になります。プリンの味わいがありながらも、しっかり餡子の方が主張してくるため、店名通り餡子の勝ちと言っていいと思います。

・こし餡
 こちらもかなりしっかり目。単体で食べるのに丁度いい餡子であり、プリンと一緒に食べるとどちらも主張してきます。3つの中で一番バランスが取れた味わいになっていると感じました。

・皮剥き餡
 僕の好きな藤色の餡子であり、上品な甘味とスッと消えるような口溶けで、餡子単体としては一番好みのタイプ。上記2つに比べると柔らかめ。ただプリンはしっかり目のため他と比べると食感のバランスが悪く感じます。一緒に食べた際もプリンの方が目立ってる。

餡子単体なら、皮剥き餡、こし餡、粒餡の順で好きですが、餡子プリンとして見るなら餡子フリークなので粒餡、こし餡、皮剥き餡の順になりますね。皮剥き餡はプリン部分他と差別化図って欲しい…。
ただ粒餡とこし餡に関しては和洋菓子にありがちな洋の部分ばかり目立つような名ばかり和洋菓子ではなく、ふざけた店名とは裏腹にしっかりと芯のある美味しさでした。

越乃雪本舗大和屋(新潟) 栗甘味

越乃雪で有名な大和屋から羊羹が出てたので購入。羊羹の小豆部分を栗にしたものなので、味わい自体はおそらくシンプル。個人的に越乃雪は日本三銘菓で一番好きですね。(他の三銘菓は森八の長生殿と風流堂の山川)よくよく考えたら大和屋の菓子で越乃雪以外を買うの初めてだなー。

食後感想
棹物菓子ということで先入観から「羊羹の小豆部分を栗にしたもの」と書いていましたが、違いましたね。原材料は栗と砂糖、そして繋ぎとして澱粉を使用したものであり、一般的な栗を用いた棹物とは異なります。製法としてはさつま芋と砂糖だけで作るタイプの芋羊羹に近いんじゃないかな…。
で、味はというとこちら凄く美味しいですねえ。栗の味が濃いのは当然として、食感がねっとりとしていて舌に絡み付いてくる感じ。栗と砂糖だけではどうしても口内で崩れてしまいますし、寒天を使ったタイプは舌を滑っていくので、これは澱粉を使ったからこそなのでしょう。そして舌に絡みつくから栗の味も濃く感じるのかな…。シンプルに栗を味わう和菓子としては、今まで食べた中でも1つ抜けた完成度であると感じました。

甘納豆 かわむら(石川) ようかん

小型羊羹で2つの味が楽しめるのが嬉しい。棹単位なら2つの味を楽しめる羊羹は数多くありますが、このサイズで楽しめるのは珍しいです。メープルとフランボワーズの羊羹は他で見たことなかったので上記を購入。他に白ごま×黒ごまと、棒茶×焼き芋ときな粉×胡桃があった。

食後感想
小倉は渋の残りが少し強くて微妙。抹茶は一般的な味わい。変わり種のメープル、フランボワーズ双方ちゃんとそれぞれの味が強い。
羊羹としてはかなり柔らかく、固めズッシリが好みな自分には合わなかったですね。羊羹2種の繋ぎも甘く、簡単に取れてしまうのも残念感あり。まあサイズと価格考えると品質が落ちるのは仕方ないので、あくまで企画物として楽しむべき。

赤司菓子舗(大分) レモンド羊羹

白ワインやシャンパーニュと合う羊羹とのこと。レモンを使った菓子類は和洋問わず好きです。菓子の濃厚な甘味とレモン爽やかな酸味が調和することが多い。後述の生チョコ羊羹のオレンジコニャックと味わいが被りそうだったため購入しなかったが、同シリーズであったオランジェッタも方も気になる。

食後感想
お、これは美味しい。まず羊羹としてのクオリティが高く、練り具合や硬さ、重さなどかなり好み。そして開けた瞬間から爽やかなレモンの香り。
甘さは一般的な羊羹に比べかなり控えめ。それがレモンの香りと味わいをいい感じに引き立てつつも、しっかりと白餡も主張しており、調和してると感じます。ちょくちょく入っているレモンピールの食感もいいアクセント。僕は家ではお酒は飲まないので普通にお茶と合わせたのですが、確かにこれはコンセプト通り白ワインやシャンパーニュと合いそうですね。変わり種としてではなく、純粋に和菓子として美味しい羊羹でした。今度通販でオランジェッタの方も買ってみようかな。

百花園(新潟) 生チョコの羊羹

チョコレートと餡子の組み合わせ菓子は、ほぼほぼチョコレートが完勝します。そのため餡子好きとしてはそこまで好んでは購入しないのですが、こちらはオレンジコニャックが入っており、まあチョコレートの味しかしなくてもオランジェッタみたいな感じで美味しいだろうということで購入。

食後感想
もう完全にオレンジコ風味のチョコレートであり、小豆成分は皆無です。見た目も香りも味も完全にチョコレートで笑ってしまう。
原材料に小豆は入っていますが存在感皆無なので、いっそ開き直ってチョコレートの風味を全面に出してチョコレート羹として出してしまった方がいいかもしれません。
餡子菓子かと聞かれると首を横に振らざるを得ませんが、チョコレート菓子としては他にない食感なので、これはこれでありかな。でもチョコレート菓子ならもっと強くチョコレートの風味を感じたいところ。今のままだと変わり種の域を出ない。オレンジの風味は爽やかでgood。

庵月堂(大阪) 白小豆栗蒸し羊羹

通常の栗蒸し羊羹もあったが、白小豆を使用したものは他で見ないのでこちらを購入。

食後感想
美味しいは美味しいのですが、栗の味が支配的過ぎます。あくまで僕は「栗蒸し羊羹」が食べたかったのですが、僕が求めてる味わいではありませんでした。
味わいが上品な白小豆だったのも良くなかったかも。普通の小豆あんならもっと栗蒸し羊羹らしさが味わえたかもしれません。入っている栗の味わいも羊羹部分のクオリティも高かったので、これは美味しくないわけではなく、自分の好みと方向性が違うといった感じ。

井上茶寮(兵庫) カヌレ羊羹

店主は元々パティシエだったとのこと。安寧芋と栗のものもあり、そちらも気になったが、茶寮=お茶にも力を入れているだろうという予想のもとこちらを購入。ホームページ見ると和にも洋にも属さないとあるが、原材料見る限り、白餡、上白糖、ほうじ茶、抹茶、寒天と完全に和なんですけど…。

食後感想
やはりただの和菓子だった。ほうじ茶、抹茶共にそれ自体の風味はハッキリしているものの形が物珍しいだけであり、この程度の味わいであれば一般的な棹状のものでいくらでもある。食感についてホームページでは「今までの羊羹にはない瑞々しい口当たりを実現しました」と大層なことを書いているが、ちょっと固めの水羊羹でしかない。
原材料の確認を怠った僕にも非があるが、これで和にも洋にも属さないなどと宣伝するのは誇大広告同然であり、極めて不誠実な態度であると感じた。

終わりに

今年の札幌でのあんこ博覧会は10月23日17時までですが、毎年やってるので興味持った方は是非来年に行ってください。

今回は買ったものを纏めて紹介という形になったけど、その内お勧め和菓子特集とかも書きたいな。

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