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レストラン感想 TXOKO


概要

友人から手土産としてバスクチーズケーキを貰った某日、「そういえばバスク料理って有名だけど食べたことないし、1回食ってみたいなあ」と思い、スプレッドシートで管理してる行きたいレストランリストにバスク料理を追加しました。

バスク料理といえば函館にゴ・エ・ミヨにも掲載されている有名店がありますが、流石にバスク料理食べたいという思いだけで函館に行こうとなるほどフッ軽でもなければ、懐も温かくないので、札幌で食えるところないかなーと探したところこちらがヒット。googleの評価が3点台と低めなのが気になりますが、その内訳を見てみるとシェフの人柄由来の低評価が多かったので、それならまあ気にしなくていいか(もしこれが衛生面由来であれば行かないけど)と早速予約の電話。「どこでウチを知りましたか?」とか「どのようなものが食べたいですか?」とか色々聞かれましたが、とりあえず初めてだからそちらのスタンダードなコースを、とお願いしました。

場所は市電すすきの駅からすぐ、以前訪れた天ぷら 成のすぐ隣のビルの地下ですね。

コース内容

※当店は料理の説明がありません。そのため食材やその他もろもろは僕のアバウトな舌頼りのため、見当違いな部分もあると思います。聞けば答えてくれるとは思うけどワンオペだしなあ…。
※当店は実名の出さないSNSや食べログへの投稿を禁止しております。noteはSNSに該当せず、また僕自身苗字は出してるため問題ないと判断し、投稿しております。

まずアミューズとして、黄色いボール状のものが出てきますが写真は撮り忘れ。チーズをなんやかんやしたものだと思いますが、これが旨い。ほのかに温かく、口の中で溶けて濃厚な風味が広がります。アミューズって基本的に冷えたものを提供するお店が多い中これは嬉しい。と言うかわざわざ温かいアミューズ提供してくれているので、パパッと食べちゃって正解だったかもしれん。

玉ねぎのムースにウニを乗っけてその上にコンソメのジュレとオリーブオイルを掛けて仕上げに細かく砕いたピスタチオ。これは説明不要の美味しさですね。ウニの量がかなり気前が良い。バスク地方はフランスとスペインに跨っておりますが、これはフランスの色が強く反映されている印象です。

パンは特に印象なし。ソース拭う用と割り切りましょう。

スープなのですが、北寄貝、百合根、海老、(多分)カッテージチーズがゴロゴロと入っており、飲むというより食べるという印象を受けます。海老が塩漬けでもされているのか塩味が強く、海老自体の味わいはさほど感じませんでした。他方北寄貝は貝自体の味わいがハッキリしており美味。若干ジャリっとしたところがありましたが、これだけ旨ければ許容範囲。スープ全体は海鮮の風味が豊富であり、加えてシナモンのような香りもします。

魚料理は鯛。鯛の方はまあ想定通りの美味しさなのですが、付け合わせが豪華ですねえ。ホタルイカに菜の花、ホワイトアスパラいずれも量が多く、その1つ1つが美味しい。ソースはシンプルなトマトベースのものと思いきや、スパイスが組み込まれているのか、奥行きのある味わい。

「あ!ヒトサラで見たやつ!」進研ゼミのノリになってしまった。ただイカスミの方は同じですが、ライスの方は違うっぽいですね。サフランライスというよりピラフ的な味わいでした。で、イカスミの方はと言うとこれが実に旨い。別段何か特殊な味付けをしているわけではないと思いますが、単純に旨い。一般的なレストランで頂くイカスミソースよりレーダーチャートが大きい印象を受けます。一番印象に残ったお皿でした。

肉はジビエでしょうか。味わい的に一般的な家畜ではないと思いますが、僕のアバウトな舌ではなんの肉かわからん…。また正肉だけというわけではなく、内臓なども組み込んで、皮で巻いているのかな…?ソースにも内臓部分が使われているのか、かなり複雑な味わいです。ソースと肉が苦味があるからなのか、ペースト状のソースの方はかなりコッテリと分かりやすい味であり、共に口にすることで新たな味覚を形成します。というか肉の方のみで食べるとちょっと苦味が目立ちすぎてる印象を受けました。やはりこちらも付け合わせが豪華で、とりわけさつま芋が糖度が高くて美味しかった。

デセールはクレープ生地にハチミツと柑橘のシロップをかけたものにフレッシュチーズが添えられています。名前は分かりませんが、このチーズが中々独特で、ゴルゴンゾーラを穏やかにしたような味わいでありながら、ヨーグルトのような酸味を感じられます。

ミニャルディーズとしてショコラが2つ、ピスタチオとベリー系です。ベリーの方は最初模様の色合い的にフランボワーズかなと思ったのですが、食べてみるとどうも違うっぽい。ブラックベリーかカシスかなあ。ただこれに関してはベリーよりもカカオ自体の風味を楽しむタイプですね。一方ピスタチオの方はそれ自体の風味がかなり濃く、主役のピスタチオにカカオ風味が添えられているという印象です。双方ショコラとして美味しく、専門店のそれと比較しても遜色ありません。

総評

以上のコースにチャコリ、カリモーニョ(赤ワインのコーラ割り)、赤ワインを飲んで13500円。飲み物が1杯800円前後だったことを考えると料理自体は11000円かな?
料理が美味しいのは勿論のこと、全体的に気前が良い量なのが嬉しいですね。皿ごとにフランス寄りかな?スペイン寄りかな?と印象が変わるのも楽しい。先述したように料理の説明が全くないので、普段以上に色々考えながら食事してましたね。うーん、これで書いた内容がてんで見当外れだったら恥ずかしいな…。
皿出しのテンポについてはやや間が空きますが、これはワンオペである以上仕方ないでしょう。その分食材や手間に行っていると考えると納得感があります。

さてgoogleの口コミで散々な書かれようだったサービス面ですが、「無」です。いや、本当に。黙って料理持ってきて黙って去るため、そもそも良い悪いとか評価のしようがないです。多分当日より予約の電話の時の方が言葉交わしたんじゃないかなあ。
僕はサービス料を取らない店は料理にのみ金を払っているという認識であり、最低限料理を持ってきてくれればそれでOKと考えておりますが、当店はまさにその最低限を地で行くスタイルです。思い返してみると「いらっしゃいませ」も無かったような。確かシェフとのやり取りは「予約していた〇〇(僕の名前)です」から始まったので。
結論として当店のサービス面については、僕の価値観からすると「別に良いんじゃない?」って感じですね。勿論サービスは良いに越したことはありませんし、そっちの方が再訪したいと言う思いも強くなるんだけども。

逆にレストランにおける料金というのは料理だけじゃなく居心地の良さもろもろ含めてのものだ、という考えの方や、そこまで行かずともサービスというものにある程度の基準を持ってる方は料理自体に満足しても、全体としては不満が残るんじゃないかなぁ。これに関してはどちらが正しいというわけではなく、単純に価値観の違いですね。それでも行きたいのであれば「ここにサービスという概念はない」とちゃんと割り切って行きましょう。そうすれば不満は軽減されると思います。

そして価値観の話で言うのであれば、ちょくちょく他の記事でも書いている通り僕は料理だけで1万円を超えるのであれば、雰囲気なんかも楽しみたいという考えです。今回は初めての訪問だったのでスタンダードなものを、と言うことで1万円を超えましたが、電話の際に色々確認してくれるあたり、恐らく金額を伝えればある程度対応してくれそうな感じではありますね。そのため次回訪問時はもう少し色々相談しながら予約してみようかな。

ご馳走様でした。


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