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社会課題をビジネスにするということ。ソーシャル・インパクト・ボンドの事例と共に。 | リディズバ録(2020/04/09)

こんにちは。前回最近参加している『今だからこそ考えたい社会問題1000人カイギ、「リディズバ」』について書きましたが、今回は4月9日のテーマ、社会問題の事業化の会の内容を、色々書きたくなる自分を抑えに抑えてなるべく簡潔に記事にしたいと思います。

テーマ:社会問題はいかにしてビジネスになるかを具体的事例と共に知る

この回は社会問題がいかにしてビジネスになるのか、ということについて学びました。

なるべく簡単で理解しやすいように先に結論を書くと、今回のテーマを一文で書くとこのようになるのではないでしょうか。

◆ポイント◆

社会問題が増えていくのに対して、人口減少で税収が減ってしまっているので、民間のお金とのハイブリッドでビジネス化していくことが必要ではないか

背景としては、社会問題というのは税金で解決していたけれど、人口減少が続き、税収が減ってきてしまっている。

しかしながら、増税したり、もしくは移民を増やして税収を増やすといった方法はあまり現実的ではない。

となれば、民間のお金を入れることによって何とか社会問題の解決に必要なお金を調達する仕組みができないか、というもの。

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リディズバで解説していた上の図を引用させていただくと、民間企業が社会課題の中から解決すべき課題を設定し、関係者との合意形成を行ったうえで資源を投入し、事業化。そして事業が成立すればそこから新たな税収が生まれ、サイクルが回るのではないかというもの。

『キャンサースキャン』の事例とソーシャル・インパクト・ボンド

このような民間と行政が手を取り合って事業を行っている事例として、日本人の死因第一位であるガンによる死亡者を減らすため、『マーケティングとテクノロジーの力で人社会を健康にする』ことをミッションにしている「株式会社キャンサースキャン」の八王子市でのがん検診受診率向上の事例が取り上げられていた。

この事例ではソーシャル・インパクト・ボンド(以後SIB)、というキーワードが出てきました。

◆ソーシャル・インパクト・ボンドとは?◆

行政と民間事業者、投資家をつなぎ合わせる仕組みで、行政が民間事業者に事業委託する際の新しい方法で、通常行政は事業を委託した民間事業者に業務当たり決まった金額を支払いますが、SIBの場合はどのくらいの成果が出たかを評価したうえで、行政が民間事業者に支払う金額を決める「成果連動型」の契約を結ぶのが特徴。

キャンサースキャンの事例では、八王子市がガン検診のマーケティング業務をキャンサースキャンに委託し、検診受診者の数に応じて成果型の報酬を支払うという仕組みのようです。

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(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000023382.html)

こちらの施策によって受診率は9%から26.8%になったりという成果が出ている一方で、行政との間の手続きが非常に煩雑でなかなかコストに見合わないという難しさはあるようです。

詳しいことはリディラバさんのこちらの記事に書いてあるので読んでみてください。

今回のまとめ

ということで今回は社会課題をいかにビジネスにするか、というテーマでしたが、ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめ民間と行政がうまく手を取り合って事業化していけるか?、ということがカギになってきそうです。

SIBについては聞いたことはあるけれど内容はよく知らなかったので良い学びになりました!リディラバさんありがとう!!

これを読んでリディズバ聞いてみたくなったらここから見られるので是非見てみてください!
(最近はFacebookでも配信されているのでまずはちょっと覗いてみたい人はFacebookを見てみるといいかも。)

その他メインテーマ以外で興味深かったこと

さて、実は一回のリディズバの内容は上に書いた事だけではなく、視聴者からの質問やモデレーターと安部さんの会話で非常に様々な話題が出るのですが、全部書くと相当な情報量なので今回は「社会課題をビジネスにするには?」というテーマに絞って書いてみました。

しかしながら上のテーマ以外にも興味深い話がたくさんあったので、もう少しだけお付き合いください。
(本来これらの話それぞれについても色々書きたい事があるので細かいことはまた別で記事にします。)

”ソーシャルビジネス”の抱える矛盾

ソーシャルビジネスは、収益性や競争力などの面で一般のビジネスに負けてしまうからソーシャルセクターで取り扱っている、という、ビジネスでありながら”ビジネス”でないというような矛盾を含んでいる。

社会課題は地方と都会で大きく異なる

一例としては都会では出生率が低く、地方創生はもともと少子化対策の観点で、地方に人が行けば子供を産む人が増えるだろうということで生まれた。

また、都会ではホームレスの問題もあるが、地方では都会と比べて人口減少や高齢化が著しいが、ホームレスは少ない。

日本は地方創生の先進国

地方創生は世界中で共通の課題の一つで、日本は世界の中でその取り組みがうまくいっている方なのだという。
台湾では日本の地方創世の手法を取り入れたりしているよう。

メディアは”今”に最適化していて未来へのメッセージを発信しづらい

例えばテレビでは各テレビ局が視聴率を重視しており、視聴者に継続してみてもらうことが重要になる。視聴者からすると、「いつも見ているこの感じ」を見に来るので、新しいメッセージなどは求めていない。そのため、今の視聴者や読者に合わせた内容になってしまっているという構造があるという。

キングオブ霞が関?財務省主計局という権力者を知っておこう

日本の省庁の中にはいろいろな部局があるが、その中でも一味違う、かなりの権力を持っているのが財務省主計局。
日本で一番お金を持っており、国の予算の編成、決算の作成、会計制度の企画立案を担当する権力のある財務省の部局。
今のままでは実質的に社会的なインパクトの値付けを財務省がする形になってしまうともいわれており、こうした権力者の存在を国民は知っておくべきである。



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