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お笑いファン vol.1




本屋に立ち寄ったとき、とある文字を目にした。


「「「笑いって、密なんです!」」」

思わず手に取ったその本。いや、雑誌か。

インタビュー対談で構成される本作は、夏に私のなかでの大ベストセラーとなった『大阪芸人生活』を出版した鹿砦社のもの。

うむ、これはじっくり読まねば。

扶養内貧困大学生にとって、本1冊買うのも財布とにらめっこしてしまう時代。
しかし、お笑いに関してはいとも簡単にその紐は緩んでしまう。

2023年のお笑いのバイブルにふさわしいともいえるこの本を、いそいそとレジへ運び、テレビのゴールデン番組そっちのけで読み進めた。


1.千房の社長って、こんなに凄い人やったんか!

まず最初にあったのは、吉本興業社長×千房社長の対談だった。

千房といえば、The大阪のお好み焼きやさん。

地元の百貨店の上に店舗があって、学校の打ち上げで何度か行ったことあるっけ。東京に来てからもしばしば目にする度に、大阪を思い出す象徴だ。

そんな千房さん、いや、社長の中井さん、めっちゃいいこと言うしいいことやってはりました。

劇場つくったり、賞レースつくったり、子供たちに漫才のワークショップやったり。

『えっ、どっちがよしもとの社長???』と言わんばかりのご活躍。

読み終えると、「やっぱ大阪ってええな〜」としみじみしました。

そんな中井社長と大崎(立のさき)社長の御おことばをいくつか。

(中井社長)『今は経済が優先されてなんかぎくしゃくしててね。本当は、こういう時代だならこそ文化や演芸が人間を豊かにするのに。』
『大阪の人間は、お互いにボケとツッコミを心得ながらしゃべれるでしょう。何か根底に、そういう血が流れてるんでしょうね。やっぱり大阪はお笑いの街なんです。』『(いわゆる落ちこぼれの子に)場をつくることもさることながら、目をかけることで出来る子も引き立って努力するようになる』『演芸を支えたのは飲食であり、飲食を支えたのは演芸なんです。』

(大崎社長)『賢いに越したことはないんでしょうけど、子どもや若者には生きる力みたいなものを持ってもらいたいです。その源は何か言うたらやっぱり"混ざる"こと。いろんな人たちが混ざって、混ざったもん一緒に食べて、ワイワイしゃべって相手のことやいろんな考え方を知って、時には喧嘩したり仲直りしたりする。ほんまにかやくご飯、お好み焼きなんですね。それが大阪という場所の磁場でありパワーですから。』


演芸も飲食もだいすきで生きがいで将来の生業にしたい若者、頑張ります!!!!!!!!!


ほかにも、ニューヨークと空気階段の過去のインタビューを時代の違う2つずつ掲載していたり、"3年後"売れることにフォーカスを当てたネクストブレイク芸人の特集もあったり。

お笑い界にとっての3年はめちゃくちゃ大きいんやと実感。

そのなかでもM-1の決勝に出続けるコンビは奇跡みたいなもんなんやろなぁと。

あと、個人的にTwitterをフォローさせていただいている元テレ朝のたかはしPの記事も興味深かった。

トリビアの泉を例にあげたテレビ番組の企画のコツは学ぶもの多し。


お笑いを享受するお笑いファンにとって、この分野に関して頭使うことないんやろうし、そもそも深く考えるものじゃないんやろうけども、やっぱり好きな物を知ることはたのしい。


うむ、学ぶもの多き一冊。

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