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“旅人か、そうでないか。”ってこういうことか。[エッセイ]

私は旅が好きだ。
いろんなところに行きたいし、
この目で見たい。
行く先々でその土地の暮らしを感じて、
話を聞きたい。

“この世界には、2種類の人間がいる。
旅人か、そうでないか。”

こんなセリフをどこかで聞いたことがある。
これを発したのはきっと旅人で、
確かにそうだと思う一方、
どこかがなんとなく腹落ちしていなかった。
それが、奇跡の2000マイル"という映画で
やっとしっくりきた。

旅人かそうでないか、の2種類だけど、
それは「みんな旅に出るべきだ」
という意味ではない。
(もちろん旅は素晴らしいし、
大好きだからおすすめだけど。)

旅人が迎えられる場所には必ず
"そうでない(旅人ではない)"生き方
を選択した人々がいる。

そうじゃない選択をして、
その土地の、そこにあるコミュニティの中で
生きている人がいて初めて、文化が生まれる。

そして、旅人は人々に出会い、
培われた文化に触れるからこそ、
旅を素晴らしいと感じるのだと思う。

旅の中には、
壮大な自然を感じるタイミングが
往々にして存在する。
圧倒されて、
自分がとにかくちっぽけだと
思い知らされる瞬間。

その瞬間は、
体験した人にしかわからない感覚=旅人の特権
であるように、
そうじゃない生き方にもまた、
旅人が得られない素晴らしいものが
たくさんあるんだと思う。

旅で思い知らされるよりも
もっと突然に、日常的に、
その瞬間は訪れるのだろう。

私は、やっぱり旅が好きだ。
旅人でいたい。
日常生活を送っていても、
心のどこかはうわの空。
次はどこに行きたいか?
何を感じたいか?
頭はそんな考えでいっぱい。

だけどもし、
いつか私の心が落ち着いたら、
今度は、旅人が訪ねて来てくれるような
素敵な場所を築くことも、
同じくらい楽しめるのかもしれない。

inspired by "奇跡の2000マイル"

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