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ジョニー記録


シーボ「なあ、最近軍全体の数が減少してないか」

ボウ「..お前も気付いたか。どうやら奴が活発に動いてるらしい..」

ウボシ「shit!!このままデハ壊滅の道を辿るだけダ!、。何カ、何か無いのカ...」


仲間との永訣を、ただ見過ごす日々。

知らずの内に、絶望、無力感が募る。



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ジョニー「痩せたい」

それは言葉にせずとも浮かぶ、純粋な感情だった。

ジョニーは昨日、通りすがりの黄色い帽子を被った子供に、笑われた。

デブだと。

ジョニー「...」

「俺は絶対に変わる。」

強靭な覚悟を研ぎ澄ます決意。

その目はまるで、碧い炎の様な、秘めた熱さを持っていた。



そして、ジョニーは動き回り、変革が起きた。


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脳「あー、ブドウ糖欲しいなぁ。

ん?てか、最近エネルギーの消費激しくね?!やばい!

しゃーない、あいつらに連絡すっか!」


最高司令塔の脳。

絶対的な力を持つが故、調子付いた癖が口調に現れていた。


ノルアドレナリン「...! 」

ノルアドレナリン「おい、脳さんから連絡来たか?」

アドレナリン 「ああ。」

忠実そうな声が、交わされていた。

ノルアドレナリン「行くぞ。」

アドレナリン 「...」


脳からの絶対命令。

ノルアドレナリンとアドレナリンは、逆らえない事を理解している。

また、互いに似た立場で、言わずも分かる関係だった。





ノルアドレナリン「リパーゼ先生、こんにちは。」

リパーゼ「おや、あんた達かい。」

リパーゼと名乗る人物は、夥しい圧を発していた。

ノルアドレナリン「今日は、先生にお願いしたい事があって来ました。」

リパーゼ「ああ、ついに来たかい。あれだね。」

少し溜息混じりの声を、気怠げに発する。

ノルアドレナリン「はい。御察しの通りです。お願いします。」

アドレナリン 「...(会釈)」

リパーゼ「任せときな。」

そう言うと、リパーゼは重たい腰を上げ、使い古された紫色の乗り物を走らせた。





道の途中、リパーゼは怪しい物体に遭遇する

リパーゼ「懐かしいねえ。悪いけど退いてもらうよ。」

リパーゼは怪しい物体に、手のひらを向ける。

翳した瞬間、怪しい物体は二つに分裂して、赤い川に流れて行った。


リパーゼ「楽な仕事だねえ。」

その後も、幾つも分解していく。

手慣れている動きに、魅入る時間さえ無い速さだった。






暫く進み、三つの影が見えてきた。


リパーゼ「おや、何年ぶりだろうね。あんたらと会うのは。」

シーボ「お前は 、、!」

ボウ「やはり来たか...。」

ウボシ「オマエ!ヨクモ!!」

その三人は憎悪に満ちた表情だった。


リパーゼ「ああ、可哀想だねえ。しょうがない本当に。楽にしてやるからさ」

考える必要も無い、作業の様な言葉を投げかける。

そして、ボウに手を翳す。

ウボシ「オイ!!ヤメロオオオォ!!!!!!!」


ボウは、脂肪酸とグリセロールに分解される。

シーボ「...クソ!」


リパーゼ「次はお前だよ。」

同様に、ウボシに手を翳す

ウボシ「嗚呼ァぁぁぁぁああァァ亜ァぁ!!!!!」

分解されたウボシの脂肪酸とグリセロールは、血液に流れ込む。


シーボ「.....。。」

リパーゼ「さあ、最後だね。」

シーボ「ここまでか、、。」

右肩から、手を上げようとした瞬間





脳「あー!そこまでにしといてー!」


甲高く、調子付いた声が響く。


脳「あんまり減らしすぎるとさぁ、ほら、やばいのよ!

だからさ、一人で可哀想だけど、そん位にしといて!!

もうエネルギー届いて、めっちゃ動く様になったし!」


シーボは呆然とする。


リパーゼ「はぁ、分かってはいたけど、酷だねえ。今回は一人かい。」


シーボ「俺は....

。」

シーボは地面に膝を付き、落胆する。


リパーゼ「気の毒だろうけど、あんたのお陰で助かる物もあるからさ。」

そう言って乗り物に足を掛ける。

リパーゼ「じゃ、またね。」


そう言い残し、紫色の乗り物は、ぼやけながら遠く、小さく消えていった。







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ジョニー「飛べそうだ。」

動き続けて1年。

自分の中で何か、変わった気がした。

ジョニー「ケーキ食いてえな。」

そう言うと、服を着替え、鏡を見て、財布を持ち、靴を履いた。


いつも走っていた道を歩くと、罪悪感を感じる様になっていた。

ジョニー「腹減った。」

微かに覚えている、ケーキ屋さんの場所を探りながら歩く。

しばらく車がうるさい道を通っていると

ジョニー「あった。」

甘い香りに釣られて、本能が動いたのだろう。見つけるのにそう長くなかった。

ケーキを見る。



ジョニー「...(食べていいのか?..)」


決断を迫られた。

その行為は、今まで努力して来た全てを壊す事だ。







?「た b て kれ..!」


ジョニー「?」


?「たb てくれ ないと、おr一人 だ、!」


何処かから、声が聞こえた気がした。



思考が惑わされ、何をしたいか分からなくなる。



店員「何かお探しですか?」

店の前に立ちすくんでいた。


ジョニー「あ、いや、ちょっと、。」

どうしたい。分からない。



時間だけが過ぎそうで、早く決めたかった。





ジョニー「(食べたい、そう食べたい。もう良い。決めた。モンブランだ。)」


腹を括った。


店員さんも待たせる訳にはいかない。


よし






ジョニー「あ、じゃあこr













あ!!!あのおじさん知ってる!!!!!!!





唐突だった。


その子供は、黄色い帽子を被っていた。


子供「あれ?!なんか変わった?痩せたね!!おじさん!!」




また、立ちすくんでいた。




店員「どうされますか?」




ジョニー「やっぱいいです。」




勝手に喋っていた。





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