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自分の都合の良いように解釈してない?ユーザヒアリングとデザインの共通点

こんにちは。LayerX Fintech事業部 デザイナーのsaikoです。

最近、少し前に話題になったAdobe Fireflyを時折触ってみています。
写真のような画像もすぐに作れるし、なにより、色々生成していると「お!」と思うものが出来上がるこの「偶然の出会い」が楽しい。
今回のサムネイルもFireflyです。映画の一コマみたい。
生成イメージは今回の題材に寄せているので、画像を見て来てくださった方もよろしければ数分お付き合いください!


ユーザーヒアリングを実施しました

私は現在、LayerXと三井物産などとの合弁事業である三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社(以下、MDM)に出向し、2023年5月にリリースした個人向け資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」の商品やデザインに関するお仕事に携わっています。

リリースからの半年間、私たちはオルタナでご購入いただいた方々へのアンケートやお問い合わせの内容などを検討し、どんなものを投資商品として提供するかや募集方式、サービスページでの説明内容まで、さまざまな粒度でアップデートを重ねてきました。

ただ、「オルタナを介してより多くの方々に案件を届けるためには、ユーザーの考えや行動の解像度を今よりもっと上げないとだよね」と、チームの中でも話が挙がるようになりました。

ユーザーヒアリングは過去にも実施しており、一定の投資経験がある方々や、投資へのご関心について年齢別に様々な方々にお話しを伺っていました。ですが、今回の目的は「ユーザーの解像度をより高める」こと。

そのため、今までとは対象となる方を変えて、「投資未経験だけど何か始めたいと検討している方々」を中心にヒアリングを実施することになりました。

対象となる方々は身近なところにいそうだったので、MDMやLayerXの社内で呼びかけたところ、ご本人のほか、ご家族・ご友人・元同僚さんと、10名以上の方々がヒアリングに協力していただけることになりました!うおお
かくいう私も「ユーザーに直接ヒアリングできる良い機会!これはやるしかない!🤩」とヒアリングする側として参加しました。

結果、ヒアリングさせていただいた方々からのお話は大変興味深いものばかりでした!
お忙しいところ時間を割いてご協力いただいた皆様に、改めてこの場を借りて感謝を申し上げます!

「そうなのかな?」

早速ヒアリングに関わったメンバーでヒアリング結果の確認・企画検討ミーティングを実施しました。
似たようなきっかけや経験があったり、行動に踏み切るまでに必要な条件も一定の共通項が見えてきたりと、ユーザーに関してメンバー間で共通認識をもつことができ、ヒアリングで得られたものは大きいと感じました。

一通り確認し終わった時、メンバーの一人がこう言いました。

「構想中のプロジェクトのターゲットに近しい方々はいましたが、ターゲットど真ん中の人はいなさそうですね」

この言葉を聞いた時、私は最初「そうなのかな?」と思いました。

Fireflyにて作成(日本語を使っているためか生成画像がアジアっぽくなる)

大前提、ヒアリングした人数は10名弱のため決して多くはないこと、また年代や経験に多少偏りもあったので、それらをふまえての結論としてその言葉に大きなズレはないと思っています。
実際ミーティングの途中、「今回ヒアリングできなかった年代の方々にも追加でヒアリングしたいですね」と話にも挙がり、私自身も同様の思いでした。

では、何に対して「そうなのかな?」と思ったのか🤔
この感覚に近いものをどこかで感じたことがある気がして、ひとり考えてみました。

目線は合っているか

例えば広告バナーを制作するタイミングで、最初に考えるのは「どのような方向けか = ターゲット」です。
ここでいうターゲットは、「仮説のターゲット」(ペルソナまではいかない程度の)、言い換えるなら「自分たちで考えた刺さりそうな人たち」です。
デザインを作る過程で都度、仮説のターゲットに刺さりそうかを立ち止まって考え、時には担当者やチームに見てもらってズレを調整する。

試行錯誤のバナーたち

考えてみると、この制作過程で私はよく「そうなのかな?」と思っていることに気づきました。
特に自分のアウトプットに思うことが多く、「これが仮説のターゲットに、実際に刺さるデザインなのか?」という問いに近いと思います。

極論、刺さるかどうかは広告を出してみて数値を見ればわかることなのですが、この「そうなのかな?」にはもう一つ別の問いがあることにも気づきました。
それは、「自分たちの仮説を信じすぎていないか」です。

ヒアリング結果確認ミーティングでのひとことに「そうなのかな?」と思ったのも、そもそも私たちは、自分たちの仮説に当てはまる方々を探していたんだっけ?と感じたからです。
結果を受けて「仮説の正しさを確認する」のか「仮説をよりブラッシュアップさせるために確認する」のかでは見方が異なるため、私たちがやろうとしていたことはどちらなのだろうと思ったからでした。

私も、自分の都合のいいように解釈してデザインを作っていないか、いつも不安です🙈
アウトプットを展開する前の問いの時間(と呼ぶようにしている)では、その不安をある程度なくすために、出来うる限り客観視するよう意識してはいますが、自分以外の人からのフィードバックで初めて気づくことも多いです。
ただ、違和感のないフィードバックを得られるのは、フィードバックする側と私とでアウトプットの見方が一致しているからだと思います。

ユーザーヒアリングは目線合わせまで丁寧に

と、大見出しを書きましたが、人によっては「なんだ、そんな当たり前なこと」と思われるかもしれません。
ですが、後になってメンバー間で話をしてみると、人によって捉え方が微妙に異なってることに気づいたことはありませんか?

ユーザーヒアリングは実施しただけでも一定やり切った感が出てしまいがちですが、結果をどのように見てどのような整理とするかまで擦り合わせてこそ、メンバー間での認識が浸透するものだと思います。
ユーザーヒアリングを実施しようとしている方々も、既に実施された方々も、目線合わせが不安になったら、ぜひ一度丁寧に確認してみてください。


LayerXでは共に働くデザイナーを募集中です!
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