茶碗蒸しとトースト

結局、大人になっても深夜高速バスに乗っている。「いずれは時間をお金で買うようになるのね」と、余裕の東海道新幹線ライフ(別名「のぞみライフ」)を送るものだと思っていたが、限られた時間をより有効に使うにはバスの夜走りについつい頼ってしまう。寝ているうちに遠くまでビューンと連れていってくれるなんて最高じゃないか。繊細とは無縁でどこでもすぐにでも寝ることができる我の図太い神経に今夜も感謝する。
23:30JR東京駅八重洲南口を出発し、翌朝7:20JR岐阜駅前到着。天気は曇り。今日もギリギリ傘いらず。

⁡⁡次なる目的地までは路線バスを使用するつもりでいたが、朝の通勤・通学ラッシュと被り、駅前のバスターミナルは長蛇の列。混雑を避け、名鉄岐阜駅前のスーパーで仏花を買うべく移動。その前に「東海地方の朝食といえば喫茶店のモーニング!」となり、良さげな喫茶店を探すこと徒歩3分。

スピーチバルーンなるお店でモーニングと薬を。

母方の祖父母が元気だった頃、夏休みや年末年始を岐阜で過ごすことが多かった。休日の朝食は当たり前のように皆でモーニングを食べに近所の喫茶店に出かけることや、買い物の途中ですぐに「コーヒー飲んでいこう」と喫茶店に寄りたがる祖母が注文したコーヒーには当然のようにおつまみが添えられていた。

決して東北の喫茶店では見ることのない独自の文化が子供の私には珍しく、岐阜で喫茶店に行くことが大好きだった(「ここの店のおつまみはケチやね」と、サービスの豆やチョコレートにダメ出しをする祖母も含めて)。そんなことを思い出しながら、ドリンク代に+50円追加するとつけられるというモーニングを注文する。

左から時計回りに茶碗蒸し、オレンジゼリー、オニオンフライ、コールスロー、ペペロンチーノ、トーストという何とも不思議なラインナップ

数分後、私の想像の遥か右上を斜めに直進するような、とんでもないモーニングメニューが運ばれてきた。何といっても一つのプレートに小さなティーカップに入った茶碗蒸しとカリカリに焼かれたトーストが並ぶ不思議具合、なぜこのラインナップなのだろうか。根っこが東北人の私には想像できない。

和洋折衷なんともいえないモーニングをペロリと美味しく頂いて、絶対に忘れてはいけない朝の投薬も済ませ退店。岐阜の喫茶店のモーニングメニュー侮れぬ。