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【PRM海外調査】世界のPRMツール導入状況。業種・規模で比較。

前回の記事では、世界の地域別PRMツールの普及率について詳しく紹介しました。世界的に見ると導入が進んでいるPRMツールですが、日本ではあまり浸透していないため、実際にどのような規模や業種の企業が導入するべきなのか、気になる方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、PRMツールがどのような企業で、どのような使われ方をしているのか、企業の導入例を交えて紹介していきます。

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1.PRMツールの業種別導入状況

パートナービジネスは、提携代理店数が増加すると、進捗共有、情報提供が煩雑になるため、コミュニケーションコストが高まります。その解決策の1つとして挙げられるのが、PRMツールの導入です。

PRMツールを活用すれば、案件情報の共有をスムーズにできたり、コミュニケーションを1つのプラットフォームにまとめることができるため、より効率よくパートナービジネスを進めることができます。

この章では、業界毎のPRMツールのマーケットシェア率を紹介していきます。

電気通信業界(マーケットシェア32.38%):
PRMツールの中で最も大きなセグメントを占めているのはマーケットシェア約32.38%の電気通信業界です。電気通信業界自体が市場拡大しているからこそ、PRMツールの人気が急上昇しており、今後も市場拡大が見込まれています。

また、この業界は中国・インドを始めとする新興国でのPRMツールの成長が著しくCAGRは15.0%と予想されているため、PRMツールの導入拡大は市場の成長を後押ししていくことになるでしょう。

CAGR:年平均成長率

製造業(マーケットシェア22.6%)
製造業のCAGRは14.9%と見込まれており、2027年には3倍になると予想されています。PRMツールを通して小売業界との連携・管理を行うことが多いからでしょうか、小売業界との連携もあってマーケットシェア22.6%と、製造業のPRMツールの導入率は他の業界と比べても高めです。

金融業界(BFSI)(マーケットシェア15.92%):
金融業界は、現在急速にデジタル化が進んでいるため、PRMツールも急速に市場拡大していくといわれています。CAGRは15.6%とされています。特に、中国やインドを始めとする新興国で需要が高まり、その地域での市場成長が見込まれています。

流通・小売業界(マーケットシェア12.15%):
現在の流通・小売業界では、PRMツールが市場の12.15%を占めています。スマートフォンの普及によりEC業界が盛り上がっていく事で、PRMツールの導入も増えてきている傾向があるようです。

サプライチェーンを一括で管理することが非常な重要な小売業界にとって、製造業者と小売業者の情報の可視化できるようになることが、PRMツール導入の大きなメリットの1つです。

2.PRMツールの規模別導入状況

この章では規模別(エンプラ、SMB)にどのように理由でPRMツールを導入しているのか、現在の状況や今後の予測を紹介していきます。

今回は、エンタープライズとSMBに分けてそれぞれ解説していきます。それでは普及率や特徴を見ていきましょう。

エンタープライズ:
世界的に見るとエンタープライズのPRMツール導入率は業界の企業全体の半分以上であり、約63.38%の市場を占めているようです。

多くの従業員を雇い、経営が安定しているエンタープライズでは、バートナービジネス専任のマネージャーや従業員がPRMを担当しています。また、地方や国外にも販路を広げているため、パートナーの数も多いです。そのため、ツール無しでの管理が難しく、パートナービジネスの予算をツールに当て、時間の有効活用や売上向上に繋げている企業が多くあるのではないでしょうか。

中には、自社内でポータルを構築してパートナーとのやり取りを管理している企業もあるようですが、SaaSクラウドを導入してアップデートや管理を提供会社に任せることによって、コストや時間を短縮しています。

SMB:
SMBでは、代理店ビジネスに特化したチームや担当者がまだ存在していなかったり、会社としてもまだ体制が整っていないために、導入がまだ進んでいないケースがあります。

しかし、新興国では競合優位性を持つための戦略の一つとして、適切なデーターの分析・管理や時間の効率化が図れるPRMツールの導入を検討している企業が増えてきているようです。

現在世界では75%近くの企業が自社にSaaS製品の導入を検討しています。特に、中国・インド・ブラジル・サウジアラビアを始めとした新興国に対するPRMツールの需要は上昇傾向があるようです。その傾向に伴ってPRMツールを導入していく企業も増えてくるかもしれません。

今後は企業規模の大小に関わらず、直販のツール導入によるDXが当たり前になっているように、パートナービジネスのDX化が盛んになっていくことが予想されます。

3.PRMツール導入成功例

この章では、実際にPRMツールを導入し成功した企業を業界・規模別に紹介していきます。どのような規模のどのような業界の会社が導入し成功することが出来たのか紹介していきます。

●電気通信業界
・Adobe(エンタープライズ)
パートナーとより効果的なコミュニケーションを取るために、パートナーとのコミュニケーションツールとなるSocial on Demandを立ち上げました。また、PRMツールを用いて新規情報をオンデマンドとして複数の言語で配信しているため、どこの地域にいるパートナーに対しても最新情報を配信することが可能になりました。

詳細:https://impartner.com/project/case-study-adobe/

・ViaWest(エンタープライズ)
PRMでパートナープログラムやパートナー登録など一貫して自動で管理あうるために導入しました。自動で管理・分析出来るようになり、時間削減やパートナー申請の30%UPに成功しました。この企業はPRMツールの導入により工数削減をした結果、成功した例です。

詳細:https://impartner.com/project/case-study-viawest/

・YourSix(SMB)
パートナーとの情報共有や、トレーニングを管理するパートナーポータルが必要だったため、PRMツールを導入しました。その結果パートナー153社とのオンボーディングに成功し、販路拡大が以前に比べて簡単になりました。ひとつのポータル内でやり取りをすることによって、様々なツールから情報や資料を探し出す手間が減りますね。

詳細:https://www.zinfi.com/success-stories/partner-portal-yoursix/

・Serko (SMB)
ニュージーランド拠点にも関わらず、ヨーロッパに6,000社近くのパートナーを持つSerkoではPRM導入によって全てのパートナーに対してマネジメントができるようになりました。

国際的なパートナーが多いため、情報共有のサポート体制が弱く、パートナーが自信を持ってプレゼンすることが出来ない点に課題を持っていましたが、PRMツールの導入によりオンボーディング施策や説明ページなどを制作し、パートナーのセールス力を向上することができました。

詳細:https://www.allbound.com/resource-center/serko-case-study/

●金融業界
・ Starling Bank(エンタープライズ)

安定して情報の管理を行うために、手動で行っていた作業を全て排除し、新たに生まれた時間を別の作業に割くことによって作業効率が向上しました。

また契約書のテンプレート作成や容易なカスタマイズ機能のおかげで、パートナーとのやり取りの手間が減ったそうです。パートナーごとに異なる対応を行う企業にとって、ミスを減らすという観点でもクラウド上で行うことが出来るのは非常に便利ですね。

詳細:https://go.impact.com/rs/280-XQP-994/images/CSdownload-

●観光業界
・TUI(エンタープライズ)

PRMツールを導入した結果、49%の利益向上に繋がりました。観光業界では、世界各地にパートナーが存在するため管理が非常に大変です。また、顧客に対するサポートのフローも細かく設定されているため、各KPIに対するレポートの作成などを自動で行えるツールが必要でした。

そこでPRMツールを用いることによって各パートナーがポータル上にレポートを残し、ベンダーはいつでも確認できるようになったことにより、コミュニケーションが容易になりました。

詳細:https://go.impact.com/rs/280-XQP-994/images/CSdownload-

●製造業界
・National Instruments(エンタープライズ)
PRMツールを導入したことにより、2年間で120%の売り上げ向上・NPSを30%向上させることに成功しました。半導体などを扱う国際的なエンジニアリング会社で700社を超えるパートナーとビジネスを行っています。全世界に対するパートナープログラムなため、「Alliance Day」のような大きなイベントを開いたり、PRMツールを通じて、コミュニケーションを取っているようです。

詳細:https://impartner.com/project/case-study-national-instruments/

●アパレル業界
・Love, Bonito(エンタープライズ)

元々Love, Bonitoはオーストラリアや米国で、アフィリエイトパートナーを用いて認知拡大を行っていたため、アジアでの認知度が低いことが課題でした。そのため、PRMツールに備わっているポータルで、アジアへ発信しているアフィリエイトチームを見つけ、パートナービジネスを行うことで、改善に務めました。

ターゲット層によってはアプローチしづらいパートナーでも、PRMツール内で開拓できることは非常に便利ですね。

詳細:https://go.impact.com/rs/280-XQP-994/images/Case

●飲食業界
・Rastelli’s(SMB)
直接販売では品質、信頼性、安全性の高い食品に対する消費者のニーズに対して、適切な顧客に商材を届けることが出来ていないことが課題でした。そこでパートナープログラムを用いることによって、状況に応じて顧客に商材を提供ができると言う点に惹かれ、PRMツールも導入しました。

PRMツールの導入により、自社に適したパートナーを探すことが容易になった他、パートナーに自動でメルマガ配信が可能になったりパートナーへの報酬を公平に支払うことが出来るようになったなど、様々な効果を発揮しているようです。

詳細:https://go.impact.com/rs/280-XQP-994/images/CSdownload-

・Purple Carrot(SMB)
新規顧客を獲得するためのコストが非常にかかるため、パートナープログラムを強化することで、マーケティングミックスの多様化と強化を行うことにしました。

そこでPRMツールを導入し、ポータル内の情報を有効に用いることによってアフィリエイトプログラムを中心に強いネットワークを素早く確立することに成功しました。

詳細:https://go.impact.com/rs/280-XQP-994/images/CSdownload-

●製造業界
・Mapiful(SMB)
PRMツールを用いたことによって、数多くのインフルエンサーと繋がることたが可能になり、年間13,000人のパートナーとのオンボーディングに成功しました。またメールとデーターベースの管理が容易になり月に45時間の節約が可能になったそうです。

不要な時間を削減し、多くのパートナーと密なコミュニケーションを取ることで成功に近づいた例です。

詳細:https://go.impact.com/rs/280-XQP-994/images/CSdownload-

4. さいごに

今回の記事では、会社の規模・業界別にPRMツールの導入率や成功事例をまとめてみました。世界の大企業は自社のポータル構築だけでなくPRMツールを用いてパートナー管理も行っているようです。

新興国では、PRMツールを導入することによって、競合他社との差別化を図っているとのことでした。今後世界では、IT業界だけでなく様々な業界で効果的にPRMツールを活用しているようなので、国内企業でもPRMツールを活用する企業が増えてくるかもしれませんね。

各企業がPRMツールを導入した結果、どのような効果が得られたのかも参考にして、PRMツールの導入を視野に入れていくと良いでしょう。

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