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「また今度って、いつかはなくなるんだって。」

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小説風な短めストーリー
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「また今度って、いつかはなくなるんだって。」
[マガジン: https://note.com/_owa__79/m/m308069fa5d82







こんにちは、沙ゆ. です


初めての試みとして、小説風の短めストーリーを創作してみました。


これから6本ほど出ます
もしよければ読んでみてください🌱

ep.1

ep.1

帰り掛けに買ったコンビニのアイスを歩きながら食べる
歩きながら食べるなんて行為に、ほんの少しの背徳感を感じる

夜になっても絡んでくる熱を削ぐように、ミニファンをつけて、小さな公園でベンチに座った
誰もいない夜にイヤホンを繋いで音楽を少し大きめで聴くことが心地いい

昼間の忙しなさなんて別世界のことのように、静けさに沈む
スマホの充電と時間の流れ、なにもかもが遅く感じる

なんにも考えず、君にLI

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ep.2

ep.2

どうせなんて言い方しちゃいけないけど、
いつも、恋しいときほど返事が遅いから
"5分だけ" と呟いて、LINEを知らないフリして
その場で音楽をきいた

"ピロン"

"ピロピロピロリン"

"ピロピロピロリン"

「...あぁもう、狡いなぁ」
もう帰ろうと公園を出ようとしたときに通知音が鳴るんだから。

℡『もしもし? どうかした?』

ちょっとだけ恋しくなっちゃっただけなのに、

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ep.3

ep.3

気分屋で多趣味な君は、
私のことなんか二の次くらいにしか思ってないだろう

だからこそ、なんてことなくタイミングがあっちゃって、
優しくなんてされたら
私だけがおちていくんだ

私ばかり、恋しちゃってる

私ばかり、沼っていってる

私ばかり、離れられなくなる

ぜんぶぜんぶ、私ばっかりだよ。

ep.4

ep.4

好きになったときは、
君をみるだけで嬉しかったし、
君と喋るだけで楽しかった

世界が明るく見えてた。

付き合いはじめたときだって、
君と両思いになれたことが嬉しくて。
少しでも特別になれたこと、
隣を歩けること、

なにもかもが幸せだった。

だけど、

だけどさ、

いつになっても向かい合ってる気がしないの。

いつになっても
私をみてくれてる気がしないの。

いつになっても
空を切るようで

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ep.5

ep.5

お出掛けだって、ご飯だって

「また今度」

下手すりゃ電話だって

「また今度」

おうちデートだって、スキンシップだって

「また今度」

いつだってそうだよ。
君はさ。

ねぇ、いつまでもそばにいるなんて思わないで
私だってもう疲れたの。

ねぇ

「また今度」ってね、
いつかはなくなるんだよ

もうおわりにしよっか。

エピローグ

エピローグ

もう2度と、
君に「またね」なんて言うことがないだろう

好きだった。

大好きだった。

ありがとう、

いろんな言葉と感情が
心に溢れてくる

だけど、伝える言葉はひとつでいい。

じゃないと未練が残っちゃうから

君が何も言えなくなるくらいふっきれたように、
"ありがとう" が伝わるように、
言うね。

「さようなら。」