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ウルトラマンの肩の上に立つ

米津さんの曲がエンドロールと共に流れる。すごく面白かった、いい映画だったなぁという実感が流れてくる。最高の終わり方。 しかし、映画体験はこれで終わらなかった。続いて「さらばウルトラマン」が上映されたのである。 当初抱いた感想は、「正直ちょっと蛇足かも」。もう少しシン・ウルトラマンの余韻に浸っていたかったし、音声や画質もやはり昔のもので現代の技術で構成されたシン・ウルトラマンを超えるものではなかった。 しかし、一日経って落ち着いて作品を振り返ってみると、直後に「さらばウルトラマ

    • 演技

      「なぁ、兄ちゃん。」 若くて線の細い弱そうな男がこちらを振り向く。よし、釣れた。山田尚樹の苛立ちが少し和らぐ。 「南千住までの道、教えてくれんけ。」 若い男はちょっと怪訝そうな顔をしながらも駅までの道を教えてくれる。 「ちょっと今どこにいるかもわからんから、わかるところまでほしいんや。あずさから東京まで来たはええんやけど、駅で財布を擦られてしまって、一日中歩き通しなんじゃ。」 ここが大事なのだ。尚樹は塩らしそうに疲れを表現してみせた。この動作が慎ましやかであればある

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